ものづくりのスペシャリスト!製造業で役に立つおすすめ資格とは?
製造業で働いている、または働きたい方のために、ものづくり系の資格をご紹介します。
製造業では、資格を持っていないとできない業務がたくさんあります。細かく作業や規模ごとに資格が設定されているので、くわしく情報収集することが大切です。
実際に作業をするために必要な技能系の資格から、工場内の製品や材料の運搬に役立つ資格など幅広資格があります。興味のある分野や、今やっている仕事、今後やってみたい仕事などに役に立つ資格を見つけましょう。
まずは製造業でイメージしやすい技能系の資格からご紹介します。ものづくりの技能に関する資格は、大きく分けて溶接系と機械系の2種類があります。
溶接系の資格の中でも特に有名なのは、アーク溶接、ガス溶接、銀ろう付けです。
アーク溶接はアーク溶接特別教育のカリキュラム(学科+実技)を修了すると修了証がもらえます。
ガス溶接作業者は2日間の学科講習と実技講習の後、所定の修了試験に合格した者に付与されます。
銀ろう付けは学科試験と実技試験からなる銀ろう付技能者試験に合格し、認証手続きを行います。
機械系の資格には、機械加工技能士、自由研削といしの特別教育、機械研削といしの特別教育があります。
機械加工技能士とは、国家検定である技能検定の1つです。1~3級と特級が設けられています。3級から初級技能者、2級は中級技能者、1級は上級技能者相当の技能レベルとされており、特級は管理者や監督者のレベルです。
どの級も学科試験と実技試験があり、受験資格は級によって異なります。3級は実務経験なしで受けることができますが、2級は実務経験2年以上、または3級に合格していることが受験条件です。1級は7年以上、または3級合格後4年、2級合格後2年以上の実務経験が条件です。ただし、必要な年数は学歴によって違い、大卒は1級を実務経験4年で受けられますし、短大や高専卒は5年の実務経験で受験資格が付与されます。
試験自体は学科と実技があり、級によってはそれなりの準備期間が必要となります。
自由研削といしの特別教育、機械研削といしの特別教育はどちらも特別教育のため、所定の講習を修了すれば資格が付与されます。業務でといしの交換をする際に必要な資格です。講習の時間は自由研削といしの特別教育が6時間、機械研削といしの特別教育が10時間です。
次に、工場管理系の資格をご紹介します。作業を行うための資格ではなく、工場が安全な場所になるように管理するための資格です。工場内の事務所などに勤務する人が取得することも多い資格になります。
危険物取扱者は乙種と甲種があります。乙種取得者は全種類の危険物を取り扱うことができます。一方甲種は、それぞれ定められた範囲の危険物を取り扱うことのできる資格です。
危険物とは「火災の危険があるもの」と消防法で定められているもので、工場のほかにガソリンスタンドなどで活躍できます。
衛生管理者は労働安全衛生法で定められた国家資格であり、50人以上の労働者がいる職場には必ず配置しなければいけません。労働者の健康障害を防ぐのが仕事です。
最後にご紹介するのは、できあがった製品や材料を運ぶための運搬系の資格です。運搬系の資格も、ものづくりの現場には欠かせません。
資格の範囲によって、それぞれ特別教育と技能講習に分けられています。
5トン未満のクレーンが運転可能な「クレーン運転の業務の特別教育」と重量制限なしのクレーンを運転するための「クレーン運転技能講習」があります。
フォークリフトの場合はクレーンと異なり、基準となるのはリフト自体の重さではなく、扱う荷物の重量です。最大荷重1トン未満のフォークリフトであればフォークリフトの運転の業務に係る特別教育を修了すれば運転可能です。重量制限なしでフォークリフトを運転する場合は、技能講習を受ける必要があります。
玉掛けとは、クレーンに荷物を掛けたり外したりする作業のことです。玉掛けにも特別教育と技能講習があり、基準はフォークリフトと同じで最大荷重が1トン未満かどうかです。
ものづくりの現場で役に立つ資格はたくさんあります。他の職種に比べて資格の分類が細かいのが特徴です。どんな資格なら、自分にとってメリットが多いか、事前によく調べるのが大切です。
今の自分の業務をステップアップさせて収入アップを目指すのもいいですし、業務の幅を広げたり、転職などを有利に進めるために資格を取ってみるのもいいですね。この中に気になる資格があったら、ぜひ取得に向けて検討していきましょう。