アーク溶接に必要な資格は?どんな人が取るの?資格があるとできる業務って?
私たちの身の回りには溶接されているものが多くあります。例えば車の部品や、自転車のフレームなどをよくみてみると金属同士がくっついていますよね。もともとは別々に分かれていたものを熱や圧力によって一体化する加工を溶接といいます。今回は数ある溶接法のなかから、非常にメジャーな「アーク溶接」について説明します。
アーク溶接に関わる資格は実は「アーク溶接作業者」といいます。厳密には資格ではなく、国によって定められている労働安全衛生法に基づいた特別教育を受けた人が取得する修了証をもっている人のことです。
部品を作っている工場では、アーク溶接をしていることが多くあります。みなさんも一度はテレビや本で見たことがあると思います。仮面のようなもので顔をガードしながら火花がバチバチっと散って作業している方々、そう彼らが溶接作業者なのです。溶接は誰でもやってよいわけではなく、きちんとした教育を受け、修了証を持つ人だけが作業できます。
アーク溶接をやってよいと国に認められ、その知識を持っているとみなされるのがアーク溶接作業者です。
アーク溶接の資格に挑戦する方は、工業系、技術系を学んでいる学生や、これから自動車やその部品、船や自転車、建設機械などさまざまな分野の生産現場で働こうと思っている方が多いようです。
アーク溶接は非常によく使われている溶接方法で、資格を取るのもとても簡単なため、これから溶接作業を仕事としていきたい方にとっての第1歩となるような資格です。
アーク溶接資格を取得している人は、自動車や船、その他いろんな金属部品を作る生産現場で実際に加工をする業務に就くことができます。自動車好きな方は、部品を作ることができるかもしれません。街中で走っている自動車に自分の手で作った部品が使われていると思ったらわくわくしてきませんか?さらに溶接に関わる仕事をしていると、業務管理、監督、計画立てなども任されることもあるでしょう。さらには溶接の業務依頼を受けるときに、溶接方法など細かい仕様を調整して整合する仕事もあります。
最初は溶接作業者としてスタートすることが多いですが、将来的にはほかの関連する資格を取得していくことで、溶接作業現場の管理職へのステップアップも期待できます。
アーク溶接に関わる資格であるアーク溶接作業者の資格を取得するには、特別教育と呼ばれる講習を受講して、学科と実技の試験を受けることになりますが、合格率が高く難易度は低いです。
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出題例:
- 1)溶接用ジグはコストがかかるためできるだけ使用しない。
- 2)溶接姿勢の保持、寸法精度維持のためにジグは有効である。
- 3)ジグを用いると溶接後の変形が生じやすくなる
- 4)拘束ジグは割れ防止のために使用する。
以下の溶接ジグに関する記述で正しいものを一つ選択する。
答えは2)です。
溶接ジグを用いることで溶接しやすい姿勢維持も可能ですし、ジグで部品の姿勢を維持するため、出来上がったあとの寸法精度もよくなります。
このように基本的な内容が多いです。
そのほかには、労働安全衛生法などの関係する法令の内容もあります。
では、どのように勉強すればアーク溶接作業者の資格を取得できるでしょうか。
基本的な内容が多いため、特別教育の講習を受けるだけでも合格することができます。
合格率は非常に高いようです。
不安な方はアーク溶接関連の市販のテキストで勉強をしましょう。
実技では、アーク溶接装置の取り扱いを学ぶことになります。
アーク溶接作業者を取得するには特別教育を受講して学科と実技の試験を受験します。18歳以上であればだれでも受験することができ、実施団体によりますが10,000~30,000円程度で受講できます。商工会議所や企業、公的機関などで受講することができます。
学科と実技を合わせて3日間の受講となります。詳しくは「座学と実技で身につくアーク溶接の特別教育とは?」にまとめてあります。
溶接の種類には、アーク溶接のほかにガス溶接や半田付けなど複数あります。
どの資格を取得するのがよいかわからない方には、アーク溶接資格またはガス溶接資格をおすすめします。ガス溶接の資格は「ガス溶接技能者」といいますが、アーク溶接と同じく溶接のなかではメジャーな資格です。詳しくは「溶接の資格はたくさん。どんな種類があるの?」にまとめてあります。
アーク溶接作業者は、これから溶接に関わる仕事をしたい方にとっての第一歩となる資格です。専門的な深い知識を必要とする資格ではありません。アーク溶接作業者の資格を取得して、製造メーカーや鉄工所などで活躍し、日本の素晴らしいものづくりを支える人材を目指しましょう。