ステップアップしたい!工場ワーカーのための資格9選
仕事をしていてさらに成長したいと思った時、資格取得を考える方も多いのではないでしょうか。工場で働くのに役立つ資格はたくさんあります。今回は工場で働くのに役立つ資格の種類と、各種類の代表的な資格をご紹介します。ものづくり系の資格は、もっていないと業務に就けないものも多いので、ご自身のキャリアプランに沿って計画的に取得していきましょう。
まずは、所定の講習を受講すれば取得できる「特別教育」です(一部、実技が必要な資格もあります)。
特別教育は、労働者の労働災害の防止を図るものであるため、事業者の責任において、実施されなければなりません。企業内と企業外、どちらでも教育を実施できます。
受講期間は2~3日です。
特別教育の代表的な資格をご紹介します。
アーク溶接とは、アーク放電という電気的現象を利用した、幅広く使われている溶接法です。ガスを使う方法と使わない方法があります。ガスを使わないアーク溶接は引火事故を防げるのがメリットです。
フォークリフトの運転には免許が必要です。特別教育では1t未満のフォークリフトに限り運転が可能になります。それ以上のフォークリフトを扱う際には技能講習が必要になるので、取得の際は職場で需要のある重量を事前に確認しておきましょう。フォークリフトは私有地内であっても無免許運転は違法になりますのでご注意ください。
クレーンの運転にも免許が必要です。こちらもフォークリフトと同じく、5t未満の制限が付いています。業務で必要とされている荷重を確認してから取得しましょう。
続いて、技能講習で取得する資格を紹介します。特別教育と同じく、一定の危険を伴う業務に従事する際に必要になる資格です。特別教育よりは上位に位置付けられ、扱える業務の幅も広がります。
技能講習では基本的に学科と実技の講習を受け、修了試験に合格すれば修了証が発行されます。特別教育と同じく、2~3日で取得できるものが大半です。
技能講習の代表的な資格をご紹介します。
特別教育では1トン未満と重量制限がありましたが、技能講習には重量制限がありません。フォークリフトの最上位資格です。人の力では持ち上げられないほどの重量の荷物を運ぶため、運転の際には事故を起こさないように十分注意しなければなりません。
ガス溶接は火花が散らないため、接合部分が見えやすいという大きなメリットがあります。また加熱具合の調整ができるため、熱くなりすぎると困る繊細な部品の溶接にも向いています。
ろう付けは最も古くからある金属接合技術だといわれています。ろう付けは溶接とは違い、母材自体を溶かすのではなく、ロウ材と呼ばれる接着剤を部品の間に溶かし込んで冷まし、固定します。
荷重1t以上のクレーン、デリックなどの玉掛作業を行うには、玉掛技能者が必要です(1t未満は特別教育)。玉掛とはクレーンなどに適切な吊り具を選定して荷物を吊り上げ、安全に誘導して、後片付けや道具の保守メンテナンスまでを行う仕事です。一歩間違えば重大事故につながるため、技能講習でしっかりと安全に対する知識を身につけましょう。
最後は国家資格をご紹介します。
国家資格は受験前に勉強をしっかりしていないと取れません。特別教育や技能講習に比べて取得ハードルは高いですが、その分メリットも多くなります。業務に関係があったり、ステップアップに使えそうな国家資格がある場合は、計画的に準備を進めて取得しましょう。
ガソリンなど火災の危険の高い物質は消防法で「危険物」と定められており、取扱いには危険物取扱者の資格が必要です。甲種と乙種の2種類あり、甲種は第1類~第6類の6種類に分類された危険物のすべてを扱うことができます。一方、乙種の場合は、必要な類だけを選択して取得することが可能です。
労働者が50人以上いる職場には衛生管理者を設置しなければならないと労働安全衛生法で、定められています。労働者の健康障害を防止するのが役割で、作業環境や労働者の健康管理、労働衛生教育の実施、健康保持増進措置などが主な仕事です。資格取得には労働衛生の実務経験が必須なので、取得を考える際にはしっかり計画を立てましょう。
工場で役立つ資格は、主に特別教育、技能講習、国家資格に分けられます。それぞれのメリットと各資格の内容をしっかりと理解し、目的に合わせて計画的に取得しましょう。工場は危険を伴う作業が多いため、資格がないと従事できない業務もたくさんあります。業務の幅を広げ、転職で有利になったり、昇給を目指すためにも資格を活用してみてください。