車両系建設機械の免許取得費用を解説!教育訓練給付金や助成金の活用が可能
建設現場や土木現場で車両系建設機械を操作するには、操作する機械に応じた特別教育や技能講習を受ける必要があります。これらの教育や講習を受けるためには、受講費用が必要です。しかし、補助金を活用することで、費用をおさえられる可能性があります。この記事では、車両系建設機械をあつかうために必要な教育や講習の費用と、活用できる補助金について、紹介したいと思います。
車両系建設機械をあつかう免許をもらうためには、建設機械の分類に応じた、特別教育や技能講習を受ける必要があります。表に記載したように、建設機械の用途や種類によって、4つに分類されます。また、機体質量が3t以上であれば技能講習、3t未満であれば特別教育の受講が必要です。※コンクリート打設用のみ、3t以上の分類がありません。
受講時間 | 整地、運搬、積込み用及び掘削用 | 解体用 | 基礎工事用 | コンクリート打設用 |
各資格において運転できる車両系建設機械の例 | ブルドーザー パワーショベル |
ブレーカー | くい打ち機 アースドリル |
コンクリートポンプ車 |
機体質量3t以上 | 技能講習 | - | ||
機体質量3t未満 | 特別教育 |
各分類によって、具体的な講習・教育内容は異なります。技能講習は、5日間で40時間程度の学科、実技講習を受講し、最後に修了試験に合格する必要があります。大型特殊自動車運転免許を持っているなど、特定の条件を満たすことで、講習の時間を短縮できます。車両系建設機械の技能講習について、くわしくは「車両系建設機械の技能講習受講で仕事の幅が大きく広がる」にまとめてあります。また、特別教育は、2日間で9~13時間程度の学科、実技講習を受講し、修了試験は特にありません。くわしくは「車両系建設機械の特別教育は受験資格、試験なしで就職に強い資格を取れる」にまとめてあります。
車両系建設機械の免許を取るために必要な費用は、どの技能講習、特別教育を受けるかによって異なります。講習時間を短縮できる条件を満たしている場合、技能講習の費用をおさえることも可能です。実際の受講費用は、受講する教習機関によって異なりますが、一例を紹介します。
資格の種類別 受講金額 |
整地、運搬、積込み用及び掘削用 | 解体用 | 基礎工事用 | コンクリート打設用 | |
技能 | 未経験 | 105,000円 | - | - | - |
講習 | ※条件1 | 46,000円 | 25,000円 | 102,000円 | - |
※条件2 | - | - | 55,000円 | - | |
特別教育 | 18,000円 | ※ | ※ | ※ |
※条件1:大型特殊自動車免許を持っている、他分類の技能講習を受講完了しているなど
※条件2:移動式クレーン運転免許保有者
2日間の受講で終わる特別教育は、2万円弱とそれほど高くありません。一方で、未経験で初めて技能講習を受講する場合には、10万円以上の費用が必要です。個人が未経験の状態から、10万円以上の費用をかけて車両系建設機械の技術教育を受講するのが大変だと感じる場合には、次に紹介する給付金について考えてみましょう。
車両系建設機械の特別教育や技能講習を受講する際に、教育訓練給付金を使える場合があります。教育訓練給付金は、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練の費用の一部を、雇用保険で支援してくれる制度です。給付金を支給してもらえる対象の講座を受講した場合、修了後から一ヶ月以内にハローワークに申請をすることで、受講費用の20%が返金されます。給付金を利用できる条件は少し複雑なので、最寄りのハローワークで確認すると、わかりやすく教えてくれます。目安としては、以下の条件に当てはまる人です。
- 週に20時間以上、3年以上勤務している(日雇いなどではなく雇用の関係にある
- 週に20時間以上、3年以上勤務していたが退職し、1年以内
仮に、教育訓練給付金の対象になっている105,000円の技能講習を受けた場合、教育訓練給付<金を申請することで、受講費用の20%である21,000円が返金されます。
また、車両系建設機械の講習は助成金の対象となっている場合も多いです。助成金は、企業が社員のスキルアップを応援する際に、国が補助をしてくれる制度です。個人では申請できませんが、会社が助成金を活用して受講を応援したり、自社で教育を開催したりする場合もあります。
車両系建設機械の免許を取るためには費用がかかりますが、費用に対するメリットは十分にあります。車両用建設機械は、免許を持っていないとあつかえないため、免許を取ることで建築、土木、解体関係の企業に転職しやすくなるでしょう。また、社内で受講を目指す場合には、会社に助成金を利用してもらうことで、費用負担をおさえながら建築機械をあつかえるようになります。
車両系建設機械の免許を取るためには、建設機械の分類に応じた特別教育や技能講習を受ける必要があります。費用は、2万円程度~10万円程度とさまざまですが、転職やキャリアアップを考えると十分価値のある資格です。教育訓練給付金などの補助金を上手く活用して、転職やキャリアアップに有利な資格を取っていきましょう。