フォークリフトの仕事内容を紹介！向いている方や役立つ資格などを解説します

フォークリフトを使った仕事に興味はあるけれど、実際はどんなことをするのか、どれほどの給料相場なのかわからない方もいるかもしれません。この記事では、フォークリフトを動かす仕事の概要や必須の資格、フォークリフトオペレーターに向いている方について紹介します。フォークリフトを動かす仕事に興味がある方は、ぜひ参考にしてくださいね。

フォークリフトとは、荷物を運搬するために特別に設計された動力付きの機械です。フォークリフトには、物を持ち上げるための「フォーク」や、円筒状の荷物を運ぶのに使われる「ラム」というアタッチメントに加え、これらを上下に動かすマストという支柱を備えています。フォークリフトを使うことで、重たい荷物やたくさんの荷物の運搬作業を効率よくこなすことが可能です。

フォークリフトの操縦者は「フォークリフトオペレーター」とよばれます。オペレーターのお仕事は、フォークリフトを使ってトラックからの荷降ろし、倉庫内での商品の移動、出荷エリアへの運搬など多種多様です。効率的に荷物を運ぶだけでなく、荷物を傷つけずに作業を遂行するためにも、オペレーターには精度の高いフォークリフト操縦が求められます。


フォークリフトオペレーターは、物流の現場で不可欠な役割を担っています。その主な任務は、以下の3つです。

○トラックへ荷物を積み込む
○荷物を降ろす
○荷物を移動させる

オペレーターは、フォークリフトを運転するだけでなく、荷物をトラックから倉庫へ移動させたり、倉庫からトラックへ積み込んだりします。現場によっては、パレットに荷物を積み込むのもオペレーターの仕事です。パレットとはフォークリフトで運ぶ台のことで、パレットの準備から運搬までをオペレーターが担当することもあります。

また、荷崩れを防ぎ、運搬中の事故を防ぐために透明なフィルムを巻いて荷物を固定する「ラッピング」も重要な仕事の一つ。荷運びだけでなく作業場の整理や荷物の検品といった作業を行うこともあります。

もちろん、日々のフォークリフトの点検も欠かせません。オペレーターは、エンジンやブレーキが正常に動くか、タイヤは摩耗していないか、油漏れがないかをチェックし、運搬時の安全性を確保することも重要です。

このように、フォークリフトの操縦は安全性や効率を考慮しながら精密な操作を行う必要があります。スキルを磨いて経験を積むことで、プロとしての自信が芽生え、仕事の満足感も高まるでしょう。仕事の範囲は勤務先によって異なるので、フォークリフトオペレーターの求人に応募する前に確認してみてくださいね。


フォークリフトにはいくつかの種類があり、作業内容や作業場所に応じて使い分けられます。ここでは、各フォークリフトの特徴と主な用途を紹介します。

カウンターバランスフォークリフト

カウンターバランスフォークリフトは、油圧の力で車体の前面についたフォークを昇降あるいは傾斜させて荷物を運ぶフォークリフトです。後部に重り（カウンターウェイト）を設けることで、荷物を持ち上げた際の安定性を保つ設計になっています。汎用性の高いフォークリフトであり、工場、倉庫、積み込み場所など、さまざまな環境で利用されています。

リーチフォークリフト

カウンターバランスフォークリフトに似ていますが、その最大の特徴はオペレーターが立って操縦することです。安定性はやや低下しますが、車体がコンパクトで回転半径が小さいので、機敏に動けます。また、フォークを伸び縮みさせて前後に動かせるため、狭いスペースでの作業も可能です。

オーダーピッキングトラック

その名の通り、収納された荷物を集める「ピッキング」に使われるフォークリフトです。運転席がフォークと共に上昇するため、オペレーターが直接商品を取り出せます。通常のフォークリフトのようにパレット単位で荷運びをしないので、小口の荷物を取り扱いやすいのが特徴です。バッテリー駆動のモーターが採用されており、動作が静かで排気ガスが出ないため、倉庫や冷蔵庫といった室内でのピッキング作業に向いています。

サイドフォークリフト（サイドローダー）

フォークとマストが車体の側面についているフォークリフトです。パイプや木材などの長尺物の取り扱いに適しています。通常のフォークリフトはフォークが前についているので、安全に長尺物を運ぶには通路幅をかなり広く取らなければいけません。しかし、サイドフォークリフトを使うと、ラックの通路幅は車体幅分だけ確保すればスムーズに使えるため、保管効率も高くなります。

ハンドリフト（手動パレットジャッキ／ハンドパレットトラック）

電動ではなく手動で操作し、荷物を持ち上げて運搬できるシンプルなフォークリフトです。少しだけパレットを移動させたいときや短い距離を運びたいときに活用でき、小さな作業場や狭いエリアでの作業に向いています。また、フォークリフトの技能講習や特別教育を受けなくても扱えるというメリットもあります。


フォークリフトオペレーターになるには、適切な訓練を受け、必要な資格を取得する必要があります。資格の種類は荷物の重量によって異なり、「特別教育」と「技能講習」に分けられます。最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転する場合は技能講習の修了が必須です。

	特別教育の修了者	技能講習の修了者
最大荷重1トン未満	◯	◯
最大荷重1トン以上	✕	◯

特別教育または技能講習を受けずにフォークリフトを運転することは法律で禁じられており、無免許運転は罰則の対象となります。フォークリフトはたくさんの荷物を一気に運べる便利な機械ですが、怪我や死亡につながった事故が毎年報告されるほど危険を伴う乗り物でもあります。安全に作業を進めるためにも、適切な教育・講習を受けて、正しく扱うことが重要です。

ちなみに、フォークリフトを公道で運転する場合は、車体の自動車登録（小型特殊自動車又は大型特殊自動車）とフォークリフトの車種区分に該当する運転免許を持っている必要があります。

フォークリフトは取り扱いが複雑で、操作を誤ると重大な事故につながる可能性があります。フォークリフトに関連する事故は多く報告されており、原因としてはフォークリフトの操作ミス、周囲の確認不足、荷物の積みすぎや不安定な積載、整備不良などがあげられます。

厚生労働省が発表している「令和４年事故の型別起因物別死亡災害発生状況（12月末累計）」によると、フォークリフトの死亡災害は34件でした。

フォークリフトの事故型	死亡災害数
激突され	8
はさまれ・巻き込まれ	7
転倒	6
墜落・転落	4
激突	4
飛来・落下	3
崩壊・倒壊	1
交通事故（道路）	1
計	34

参考：職場のあんぜんサイト 労働災害統計

この調査によると、フォークリフトの操作中に最も多い事故は「激突され」「はさまれ・巻き込まれ」そして「転倒」です。荷物を積んでいる状態で視界が遮られていたり、作業環境が狭い場所だったりすると、フォークリフトの周りで作業をしている従業員の存在に気づかないことがあります。更に、スピードの出し過ぎや急な方向転換も事故の原因です。

また、フォークリフトには最大荷重が決まっており、重さに偏りがないように載積するよう定められています。荷物の積みすぎや不安定な載積は、フォークリフトの転倒を引き起こしかねません。車体の転倒はオペレーターにとって非常に危険な事故であり、重傷や死亡につながることもあります。

フォークリフトの事故は、従業員の負傷や死亡、物資の破損、設備の損傷といった直接的な損害だけでなく、作業の遅延や生産性の低下などの間接的な影響も引き起こします。事故を未然に防ぐためにも、フォークリフトを安全に操作するための適切な教育と訓練が必要不可欠です。


これまでフォークリフトで行うお仕事についてご紹介してきました。「フォークリフトを使うお仕事の給料相場はどれくらいなの？」と気になる方もいるかもしれません。

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〇月収例 330,220円～
建設機械の組立・加工
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〇月収例 230,000円～250,000円
トラック・バス用タイヤの運搬・加工
〇月収例 290,000円～310,000円
自動車部品の梱包や荷下ろし作業
〇月収例 230,000円～250,000円

「はたらくヨロコビ」で扱っているフォークリフトのお仕事の月収例は平均215,000円～235,000円。ちなみに、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」にて、フォークリフト同様に建設現場で使用される「クレーン運転工」の賃金は以下の通りです。

所定内給与額（月額）	平成25年	平成26年	平成27年
クレーン運転工	275,600円／月	288,900円／月	291,700円／月

参考：賃金構造基本統計調査の職種別賃金額
クレーン運転工の賃金のため一概にはいえませんが、残業代や資格手当などを含めると更に高くなるため、給料相場は平均より高めといっていいでしょう。お仕事の内容や勤務形態にもよりますが、「はたらくヨロコビ」でも、給与の高い案件も数多く取り揃えています！

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フォークリフトは常に安全に配慮して正確に作業を進めることが求められるため、人によって向き・不向きが分かれます。フォークリフトを使った仕事に向いている方の特徴は、以下の5つです。

○運転が好き
○注意力がある
○安全に配慮できる
○段取りを組むのが得意
○協調性がある

フォークリフトオペレーターは、フォークリフトで狭い通路を通ったり車庫入れをしたりと、テクニカルな操縦を求められることも多いため、運転や機械の操作が好きな方にとってはやりがいのある作業といえます。長時間フォークリフトを操縦することもあり、作業環境が屋外だと寒さや暑さに耐える必要もあるため、機械の運転に苦手意識があると長続きしないでしょう。一方、新しい操作方法を学びたい、正確に操作したいという意欲が高く、新しい挑戦を楽しめる方にはぴったりです。

フォークリフトの操縦は、注意深く気を配れる方に向いているお仕事です。運搬する荷物は重量・サイズや扱い方が異なり、中には少しの衝撃で傷やへこみがついてしまう繊細な荷物もあります。また、フォークリフトの操縦は危険を伴う作業です。注意散漫な状態でフォークリフトを操作してしまうと、オペレーター本人だけでなく、周囲で作業をしている従業員を巻き込んで事故を起こしてしまう可能性があります。荷物を安全かつ破損なく運ぶには、細かな点まで注意を払い、几帳面に作業を進める正確さが欠かせません。

フォークリフトオペレーターは、安全に対する意識を常に高くもつことが求められます。重たい物や大量の荷物を扱うため、わずかな操作ミスや気のゆるみが大事故につながる可能性があるからです。慣れていても作業前の点検をきちんと行い、焦ることなく周囲の状況を確認しながら、制限速度を守って運搬しなければなりません。そのため、フォークリフトの操作は、常に安全な操作を意識し、周囲の安全に対しても気を配りながら安全規則の順守ができる人物に向いています。

どのような仕事においても段取りは求められますが、フォークリフトオペレーターにとって、段取りは特に必要なスキルといえます。安全に荷物を運ぶのが重要である一方で、作業の遅れが輸送計画に影響を及ぼすことがあるからです。また、同じ作業スペースで働く人たちの作業を邪魔することなく、荷物の出し入れのタイミングを見計らうことも求められます。連続して運ばれてくる荷物を冷静に管理し、作業に優先順位をつけて迅速にこなす能力は、フォークリフトオペレーターにとって非常に価値があります。

荷役作業では、他の従業員との連携が不可欠です。複数で作業を行う場合、フォークリフトオペレーターは作業指揮者の指示に従って操作や荷役作業を行う必要があるため、適切なコミュニケーションを取れるかどうかで作業の効率が変わってきます。

特に、トラックのドライバーとの連携は重要です。トラックドライバーと良好なコミュニケーションを取ることでお互いの考えや希望を明確にでき、仕事がやりやすくなります。黙々と作業をすることも多い職種ではありますが、協調性やコミュニケーションスキルはフォークリフトオペレーターにとって重要な資質といえます。


フォークリフトの運転は、単純な機械の操作以上のスキルが要求されます。常に危険が伴う作業になるため、適切な教育や講習を受けて資格を得ることが不可欠です。実際、フォークリフトによる事故は珍しくなく、はさまれ・巻き込まれや転倒などの労災事故が毎年のように起こっています。

フォークリフトのオペレーターとして働くには、多少の向き・不向きも影響します。事故を未然に防ぐための安全配慮はもちろんですが、時間がない中で集中して荷下ろしをするスピードも求められます。荷役作業をスムーズに進めるには、他の従業員やトラックドライバーとコミュニケーションを取って良好な関係を築くことも必要になってくるでしょう。

一方で、フォークリフトの受験資格は18歳以上であることのみです。性別・年齢を問わず挑戦でき、給料相場もやや高めなので、これからフォークリフトオペレーターを目指してみたいと考える方もいるのではないでしょうか。

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