2020.5.01

一般事務で役立つ資格って?

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どのような業種の企業にも、電話対応や書類の作成などを担当する職種である一般事務が必要になります。工場系の企業もしかりです。一般事務の仕事に就くにあたっては、何か役立つスキルや資格があるのか気になることころでしょう。ここでは一般事務に役立つスキルや資格を紹介するとともに、一般事務で優遇されやすい専門知識や能力についても解説していきます。

1.一般事務で役立つスキルは

一般事務の仕事は資料の作成や内容のチェック、電話での顧客への対応、メール応対、郵便物の仕分け、ファイリング・データ集計などさまざまです。場合によっては、請求書や納品書などの作成にも関わることがあります。また、ほとんどの企業で書類の作成や整理などはパソコンを使っておこないますので、PCスキルが、一般事務の仕事に就くにあたって役立つスキルの1つといえるでしょう。書類の作成や整理にはワープロソフトや表計算ソフトを使います。ワープロソフトではページ設定から文字のレイアウト、グラフィック機能など、覚えることが多くあります。表計算ソフトでもデータを集計した後にグラフ化やデータベース化するなどの応用的な操作も求められ、PCスキルはとても重要となります。

次に一般事務に役立つスキルとして、語学力とコミュニケーション能力もあげられます。語学力というと外国語を話せたり書けたりするというイメージが強いですが、厳密にいうとそれだけではありません。語学力とは言語を学び習得する能力全般を指しますので、日本語に対しても用いられる言葉なのです。書類の作成には日本語の単語や文章が必須となります。もちろん、外国語を習得しているという意味での語学力も役立つスキルといえます。顧客や従業員に外国人がいる企業が増えてきているからです。一般事務は顧客とのやり取りや、書類を作成するにあたり周りとのコミュニケーションが必要となりますので、そのスキルも役立ちます。

一般事務は納品書や請求書などにも関わることがありますので、経理に関する知識も役立ちます。特にものを作る工場などの製造業系の職場では商品の取引が多くなりますので、原価の仕組みなどがわかる経理の知識があると役に立ちます。

2.一般事務に資格は必要なのか

オフィスワークのなかで、基本的な職種ともいわれる一般事務。パソコンを使ってのデータ入力や書類の作成、整理などに携わりますので一見すると特別な資格が必須だと思われがちです。しかし、一般事務として働くには特別な資格が必須という訳ではありません。ただ、事務業務に役立つ資格を持っていると、優遇されることが多いです。一般事務は資格が必要ないため求人でも「未経験者歓迎」などとされる場合も多く、人気の職種となっています。競争率が激しくなると同じ未経験者の人でも何か事務業務に役立つ資格を持っていると、就職や転職活動に有利にはたらきます。

例えば、企業側の目線でみると事務職の人材を募集して応募者の数が多くなると、最初に選ぶ基準が事務職としての経験です。事務職は人気の職種のため、1度就職するとなかなか退職しない場合が多くなっています。長年勤めて退職する人が多いため、企業側は事務職の人材を募集するときは即戦力となる人を必要とします。したがって、企業が一般事務を募集し応募数が多い場合は、事務職としての経験を重視するのです。

次に経験が同じ場合は、人柄や自社の事務職に役立つ資格を持っていることが採用する基準になります。資格は経験と同じようにスキルを証明してくれるからです。また、すでに事務職に従事している人が新たに事務に役立つ資格を取ることも、会社から優遇されることにつながります。

3.一般事務で持っていると良い資格

一般事務で持っていると良い資格はさまざまありますが、ここでは代表的な6つを解説していきます。1つ目はMOSです。MOSはマイクロオフィススペシャリストの略語で、パソコンのワープロソフトや表計算ソフトであるWordやExcelの利用スキルを証明する資格です。この試験に合格すると認定証を得られ、パソコンのスキルを客観的に証明できます。世界的に実施されている試験で認定書も世界共通ですので、合格すると世界で通用します。MOSには一般レベル試験と上級レベル試験があり合格率はともに公表されていませんが、特に難関という訳ではありません。受験資格は特になく、費用は約1万円から1万3000円となり試験は全国一斉試験が毎月1回から2回、各会場で受験可能な随時の試験もおこなわれています。

2つ目の資格は秘書検定です。秘書検定は社会に出て働くための基本的な常識やマナー、知識を試験にしたもので表情や態度、振る舞いや言葉遣いなどの人柄の要素なども問われます。一般事務においては秘書的な業務はありませんが、社内だけではなく顧客への対応もおこないますので、社会人としての一般常識を身につける上では必要な資格だといえるでしょう。秘書検定には3級から始まり2級・準1級・1級と4種類の試験があります。難易度は級位が上がるにつれて合格率が下がり、難しくなっていく傾向です。受験資格は特になく、費用は約3000円から9000円となり年に3回ほど実施されています。

3つ目はビジネス文書検定です。この試験は実務技能検定協会がおこなっている民間資格で、ビジネスの場面で通用する文書の書き方の技能や能力を試す試験となります。一般事務の仕事はものを書くことが多くなりますので、役に立つ試験といえるでしょう。ビジネス文書検定は1級から3級まで難易度別に試験があり、難易度が1番低いのは3級となります。受験資格は特になく誰でも受けることができ、年に2回おこなわれます。費用は3級が2800円で2級が4100円、1級が5800円です。

4つ目の一般事務で持っていると良い資格は、文書情報管理士という資格です。この資格は公益社団法人の日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認定している資格試験となります。オフィスで取り扱う文書類や伝票類をパソコンなどの画面で処理するための技能や知識を試す試験で、それに関連する法律や規格などの知識も試されます。一般事務の仕事がパソコンでおこなわれることが多くなっていますので、役立つ資格です。2級から1級、上級と3つの試験があり、夏と冬の年2回開催されます。2級は誰でも受けられますが、1級は2級合格者、上級は1級合格者のみとなり級が上がるにつれて難易度が増します。費用は級位に関係なく1万1000円です。

5つ目は日商PC検定です。この試験は日本商工会議所がおこなうPC(パソコン)検定となります。ビジネスシーンにおける文書作成やデータ分析など、パソコンを使う能力と知識が問われる試験です。多くの企業でパソコンを導入しているなか、一般事務でも重要な資格となるでしょう。試験はBasicから3級・2級・1級と4種類ありBasicは実技のみの試験です。Basicと3級は入門的な資格となり、級位が上がるにつれて難易度が増していきます。1級の試験は年に2回しか開催されませんが、2級や3級はパソコン教室などで受けられます。費用はBasicが4120円で3級と2級が7200円。1級は1万290円となります。

6つ目の資格は日商簿記です。この資格は企業の会計活動を記録したり計算したりすることで、経営成績や財務状態を明らかにするための技能や知識を問われる試験で、いわゆる経理に関する資格です。一般事務には多くの場合、必要のない資格かもしれません。しかし、配属された部署などによっては経理に近い仕事を任されることもあり得ますので、持っていると役立ちます。試験の種類は原価計算初級から始まり簿記初級、3級・2級・1級と5種類あり、級位が上がるにつれて難易度が増す試験です。日程は原価計算初級と簿記初級は随時おこなわれ3級と2級が年に3回、1級は年に2回となります。費用は原価計算初級と簿記初級が2200円で3級が2850円。2級が4720円で1級が7850円となります。受験資格は特にありません。

4.優遇されやすい専門知識、能力

一般事務として働く際には持っていると優遇されやすい専門知識や能力もあり、主に次の4となります。まずはTOEICです。TOEICはTest of English for International Communicationの略語で、ビジネスの場や日常生活での英文や会話といった英語能力を測る試験です。この試験にはリーディングとリスニングの2種類があります。スコア形式で企業によっては外国人の従業員や顧客を抱えていることもありますので、TOEICのスコアが高い人材は優遇されやすくなります。2つ目は宅地建物取引士です。国家資格である宅地建物取引士、通称宅建は土地や建物の売買に関する知識を測る試験となります。この試験をパスし資格を得ると不動産取引法務の専門家として働けます。一般事務の場合は、主に不動産関係の企業において優遇されやすいでしょう。

3つ目は社会保険労務士です。この資格は社会保険労士法に基づいた国家資格で、厚生労働省の法律系の資格となります。主に、企業の中の人事に関する専門家となり労働や社会保険に関するさまざまな問題や、年金に関する相談などに応じています。例えば、人事雇用などの労務に関する相談や指導をおこなったり社会保険料の算定基礎届の作成をしたり、年金に伴う老齢や障害などの給付代行の相談に応じたりします。一般事務としては、主に法律系の事務所や企業などに優遇されやすい資格です。4つ目は司書です。司書は図書館法によって国家資格に定められている資格となります。主に図書館において読書案内や貸し出し、資料の選定をします。

司書の役割は大きく2つあり、1つは図書館にある資料の管理や蔵書を知り尽くし利用者の目的に応じて資料を提案して、利用者と資料をつなぎます。2つ目の役割は読書活動の促しです。図書館資料の専門家として人と本をつなぎます。司書は主に図書館での勤務に役立つ資格ではありますが、一般企業でも図書をあつかう企業や資料の管理などを専門とする企業には優遇されやすいかもしれません。

一般事務では資格は必須ではない!でも持っていると役立つ資格は多い

一般事務の仕事に就くには、特に資格は必要ありません。しかし、人気のある職種のため経験が重要となり、経験がない場合はパソコンに関するスキルやMOS、秘書検定などのさまざまな資格が役に立ちます。資格を持たないよりは持っている方が有利となりますので、一般事務として働きたい場合は、できる限り資格を取得することをおすすめします。一般事務はどんな人がむいている?気になる方はあわせてこちらもご覧ください。「一般事務・データ入力はどんな人がむいている?正社員にはなれる?

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