製造業に欠かせない!プレス加工の資格を紹介。
板金とよばれる薄い金属の板を金型に挟んで成形する「プレス加工」と呼ばれる加工方法があります。多くのプレス加工で作られた部品が自動車のフレームや家電製品のフレームに使われています。日本の製造業では、プレス加工に数多くの人が従事しています。そんなプレス加工とはどんな仕事なのか?向いている人や必要な資格があるのか?を解説していきます。
プレス加工は、金型を使い板状の金属を挟んで圧力を加え加工する方法です。板金の外形をカットしたり、穴をあけたり、折り曲げたりして目的の形を作っていきます。丸くカーブを付けることも可能です。
自動車のフレームをイメージすると分かりやすいでしょう。ボンネットは、平らではなく凸凹していたり、カーブしていたりしますよね。もともとは平らな金属の板を金型で挟み、立体的に加工しています。
プレス加工では、金属の板を変形させるため大きな力がかかります。例えば、自動車のボンネットやボディなどは数千トンの力をかけて板金を金型で挟みこみ加工します。
一方で、スマートフォンの内部に使うような小さな部品にもプレス加工が使われています。
このように、大きなものから小さなものまでさまざまなものがプレス加工で作られており、プレス加工の部品が使われていないものを探すのが難しいほどです。そのため、プレス加工をする仕事は、日本国内に数多くあり需要が高い仕事といえます。
プレス加工の仕事は、自分でプレス加工機を動かすことで板金が目の前で製品になっていくため、モノづくりが好きな人に向いているでしょう。また、プレス加工は板金を機械にセットする作業もあります。小さな部品であれば軽いですが、大きな部品になると重さもあるため、多少の力が必要です。そのため、適度に体を動かすことができる体力のある人にも向いている仕事といえるのではないでしょうか。
出来上がった部品の寸法を測定するため、細かい作業が伴うこともあります。お客様にいい品をお届けする責任とやりがいのある仕事です。
プレス加工に関する資格として「プレス機械作業主任者」「金属プレス加工技能士」「工場板金技能士」があります。
プレス機械作業主任者は国家資格の一つです。プレス加工機はとても強い力で金属板を挟み込むため危険を伴うことから、5台以上のプレス加工機を持っている工場では必ず一人以上の有資格者をおかなければいけません。プレス機械作業主任者は事故や労働災害を防ぐために現場を管理する立場です。そのため安全に対する正しい知識を得ることができる資格でもあります。
金属プレス加工技能士とは、プレス加工に関する知識と技術を身に着けているとみなされる国家資格です。プレス加工の仕事をするために必須の資格ではありませんが、多くの企業が資格取得を推奨しています。専門的な知識を得ることができるため、プレス加工の仕事に興味がある人は取得にチャレンジするとよいでしょう。
工場板金技能士は、自動車や家電などの製造業で扱う板金の加工方法について専門的な知識と技術を学ぶことができる国家資格です。工場板金加工の仕事に必須となる資格ではありませんが、多くの技術者が取得にチャレンジしています。実技試験では実際に板金の加工を行うため、実用的な資格といえるでしょう。
プレス加工の仕事に関わっていくうえで、各資格を持っているメリットをいくつか紹介します。
プレス機械作業主任者は、5台以上のプレス機がある工場には有資格者の設置が義務付けられているため、工場での需要が高い資格といえるでしょう。転職にも有利です。受験資格として実務経験が必要なので、管理を行うだけでなく、プレス加工に関する知識も持っているとみなされます。詳しくは、「プレス機械作業主任者は工場に求められる資格」の記事で紹介しています。
金属プレス加工技能士は、プレス加工の専門家とみなされる資格です。特級、1級、2級に分かれており、1級、2級ではプレス加工の理論や加工機の使い方を学ぶことができます。特級では、管理職に必須な内容を学ぶため昇格へのアピールにも使えるでしょう。
工場板金技能士は、製造業の工場で板金関連の仕事をするのに役に立つ資格です。プレス加工だけでなく、いろいろな板金の加工方法について学ぶことができ、転職や昇格に有利になるでしょう。詳しくは、「工場で大活躍!工場板金技能士とはどんな資格?」の記事にあります。
プレス加工の仕事内容と関連する3つの資格を紹介しました。
「プレス機械作業主任者」は、工場に有資格者の設置が義務付けられているため持っていると非常に強い資格です。「金属プレス加工技能士」はプレス加工のプロといえる資格で、「工場板金技能士」は板金加工全般について学べる資格です。どの資格も、転職や、昇格に活かせるでしょう。
モノづくりが好きな人はぜひチャレンジしてみてください。
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