棚卸の仕事内容とは?給料相場や向いている人の特徴を紹介
「求人票に書いてある棚卸はどのような仕事?」「仕事を変えたい!製造業は未経験でも働ける?」と考えていませんか。アルバイトや正社員など希望の雇用形態があるかどうかも、気になりますよね。
こちらの記事では、経営に欠かせない業務である「棚卸」について仕事内容や雇用形態、必要な資格、給料相場を解説します。棚卸の仕事に向いている人の特徴も紹介するので、当てはまるかどうかチェックしながらご覧ください。
【目次】
■棚卸とは?
・仕事内容
・雇用形態
・必要な資格やスキル
・給与相場
■棚卸3つの目的
・1.在庫数を把握するため
・2.商品や部品の品質を管理するため
・3.利益を把握するため
■一般的な棚卸の進め方
・実地棚卸
・帳簿棚卸
■棚卸がある主な職業
・製造業
・ホームセンター
・ショッピングモール
・コンビニエンスストア
・本屋
■棚卸業務に向いている人の特徴
・慎重に同じ作業を繰り返しできる人
・コミュニケーションを取るのが得意な人
・勤務が延長しても苦でなく、稼ぎたい気持ちがある人
・体力と集中力がある人
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棚卸は会社や店舗、倉庫、工場にある在庫数をチェックする仕事です。在庫を抱える業種では必須の業務であり、法律でも実施が義務付けられています。棚卸の仕事内容・雇用形態・必要な資格・給料相場について確認していきましょう。
棚卸は保有している商品や材料などの在庫を数えるほか、劣化や不良品がないか確認する作業です。一般的に在庫とはまだ販売されていない商品や製品のことを指しますが、製造業では原材料や部品といった素材、加工途中の仕掛品も在庫として扱います。
コンビニエンスストアなどの棚卸は、機器を使ってバーコードを読み取る仕事なので、重い荷物を運ぶ必要はありません。女性でも働きやすい仕事といえるでしょう。
商品を数えたあとは、置き場を掃除して製品をきれいに並べます。作業は数名から数十名で行い、初心者でも質問しやすい環境です。日勤だけでなく、営業後から明け方まで行う勤務形態もあるので、自身の生活リズムに合わせて働けますし、夜間なら給料がアップします。
棚卸には、アルバイト・派遣社員・正社員の雇用形態があり、業務内容が違います。例えば、アルバイトはコンビニエンスストアや本屋、ホームセンターなどで棚卸作業のみを行う傾向です。
一方、社員は棚卸以外の作業も任されるケースがあります。会社によって作業内容が異なりますが、荷受け作業や出荷作業、発注品の管理業務といった仕事を任される職場もあります。事前に仕事内容を確認して応募しましょう。
棚卸には、必要な資格やスキルはありません。学歴や年齢を問わずに未経験から挑戦できる仕事です。
もっていると有利になる資格には、「倉庫管理主任者」があります。倉庫を適切に管理できることを証明する資格で、倉庫業を営む会社では、1つの倉庫につき1人の倉庫管理主任者を配置することが、倉庫業法施行規則によって定められています。
一定の実務経験がある、または一般社団法人日本倉庫協会が開催する講座を受けることで資格を取得可能。試験がないので難易度は低いですが、取得していると、転職に有利であり、手当が付く場合もあります。
棚卸の仕事に必ず求められる資格ではありませんが、未経験でも取得しやすい資格なので、「強みと言えるものがなくて不安」「やる気があることをアピールしたい」「資格手当がほしい」という人は、取得を目指してみてはいかがでしょうか。
「はたらくヨロコビ」に掲載されている棚卸業務がある仕事の給与相場は、派遣社員では月収例180,000円〜210,000円、時給は約1,170円〜1,300円です。2023年度の最低賃金の全国平均は1,004円ですので、比較すると高時給といえます。また、夜勤のある職場なら、給与は更に増えるでしょう。
製造業に特化している「はたらくヨロコビ」では、土日・祝日休みである年間休日128日の求人や寮が完備されている職場の求人を扱っています。
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棚卸の目的は、主に3つあります。
○在庫の数を把握する
○商品や部品の品質を管理する
○利益を把握する
棚卸をしなければ、帳簿に記載された在庫数が間違っていても気付けません。帳簿の在庫数が間違っていると、会社の正確な利益も計算できなくなります。詳しく見ていきましょう。
棚卸は、商品や部品、材料の在庫を把握して、資産を確認するために行います。手書きやパソコンを使って手入力している職場は、記入をミスしている可能性もあるでしょう。そのため、定期的に棚卸を実施して、正しい数を把握します。
棚卸を行うことで不足している商品や部品がわかるうえ、反対に在庫を抱えすぎていないか確認することも可能。在庫が多い商品を見直して、人気商品を置くスペースを拡大できるメリットもあります。
棚卸は、商品や部品、材料の品質を管理する目的でも行います。商品や部品の劣化に気付かず出荷してしまうと、クレームにつながりかねません。
また、システム上では在庫があっても不良品の場合は出荷できないので、商品の用意に時間がかかり、お客様に迷惑をかけてしまいます。入荷の目処が立たずキャンセルになれば、本来得られたはずの利益も失ってしまうでしょう。
定期的な棚卸は、企業の信頼や顧客を満足させるためにも重要なのです。
棚卸には、会社の正確な利益を把握する、という目的もあります。
利益は売上-原価で計算されます。このときの原価とは「販売して売上になった商品の仕入額」であり、まだ売れていない商品(=在庫)の仕入額は含まれません。そのため、期首と期末の在庫数の差額を確認し、原価を算出するのですが、在庫数に間違いがあると、その計算にも誤りが生じてしまいます。
利益を正確に把握するためには、正確な在庫数の管理が欠かせないのです。
また、利益を把握すると前年度の売上と比較できるうえ、抱えている在庫を見直すきっかけにもなるでしょう。
棚卸を行うタイミングは、法人税法により「各事業年度末(決算期)」と決められています。
正確な在庫量を把握するため、事業年度末以外にも棚卸を行う会社もあります。例えばアパレル業界はシーズンごとに商品が大きく入れ替わるため、毎月~シーズンごとに棚卸を行う会社が多いようです。
一般的な棚卸の進め方は、以下の2種類です。
○実地棚卸:実商品を見ながら在庫を数える
○帳簿棚卸:帳簿上で仕入れから売れた商品数を引いて在庫数を確認する
実地棚卸は、目で見て在庫を数える方法であり、在庫のカウントと同時に商品に劣化や不良品がないかどうかをチェックできます。実地棚卸の進め方には、以下4つの方法があります。
○通常業務をストップして担当者全員で行う
○通常業務と並行して行う
○荷札と商品をセットで保管する
○リストを作成する
通常業務をストップして担当者全員で行う
担当者全員で棚卸するときは、通常業務を停止して工場や倉庫などにある商品の在庫を数えます。大人数でまとめて作業するため、効率よく進められるほか、帳簿の数字と在庫が合わないといったミスを発見しやすいのが利点です。
ただし、棚卸作業中は通常業務ができません。スーパーなどの小売店は営業時間を短縮したり、倉庫ではネットショッピングの配送を止めたりする必要があります。
通常業務と並行して行う
業務と並行して棚卸するときは、区画を決めて順番に作業していきます。例えば、小売店では一部のエリアを閉めたり、利用客の邪魔にならないよう気にかけたりしながら棚卸します。
営業は止めずに済みますが、完全に普段通りとはいきません。多少の影響は出てしまいますし、通常業務が優先になるため、棚卸作業に時間がかかるのがデメリットです。
荷札と商品をセットで保管する
タグ方式(棚札方式)と呼ばれ、在庫の品目・数量の確認を最初に行う方法です。確認後、品目と数量を記載した荷札(タグ)を現物に貼り付けて、全て数え終わったあとに荷札を回収。帳簿上の数字と比較し、差異がないか確認します。
現物を数えてから在庫管理表などのリストと比較するので、計上漏れしづらいのがメリットです。ただ、荷札の作成に時間がかかってしまいます。
リストを作成する
リスト方式と呼ばれる棚卸方法です。最初に在庫管理表などのリストを用意して、リストとの差異がないかを確認しながら、現物の数量を数えていきます。
純粋に数をカウントして手元のリストと照らし合わせるだけなので、タグ方式と比べるとスムーズにチェックでき、短時間で棚卸が終わります。ただ、そもそもリストに追加できていない商品があった場合、数え漏れを起こすおそれがあるので、商品が網羅されているかどうかの確認が必要です。
現物を見ながら数える実地棚卸以外に、帳簿棚卸という方法もあります。帳簿棚卸は、在庫数の変動があるたびに帳簿に記入し、帳簿上で在庫を確認する方法です。現物を数える手間がなく、人件費を抑えられる、通常業務に影響が出ない、いつでも在庫量を確認できるといったメリットがあります。
ただ、実地棚卸とは異なり現物を直接見るわけではないので、商品の状態は確認できません。また、仕入れ時のカウントミスや万引による在庫数の減少によって、帳簿上の商品数と実際の商品数に差異が生じる可能性もあります。
そのため、帳簿棚卸を行っておおよその在庫数を把握し、年に何回か実地棚卸を実施して正確な在庫数を確認するのが一般的です。
棚卸がある主な職業は、以下の通りです。
○製造業
○ホームセンター
○ショッピングモール
○コンビニエンスストア
○本屋
各業種の棚卸について特徴を紹介します。
製造業の棚卸は、製品だけでなく、原材料や部品、製造途中の仕掛品も在庫として捉え、数量や品質をチェックして記録します。製造ラインを停止している夜間や休業日に行うケースが多く、限られた時間内に作業を終えるには集中力が必要です。
事前に材料や部品の保管場所を把握しておき、整理整頓しておくほか、カウント方法を工夫すると効率的に棚卸を進められます。
ホームセンターは、大きな木材から小さなネジまで大小さまざまの在庫があり、商品数や店の規模によって棚卸にかかる時間が大きく変動します。
そのため、棚卸の日は営業時間を短縮したり、休業したりするお店も。棚卸後は、売り場を整理してパッケージが見えるように商品を並べていきます。
ショッピングモールの棚卸は、日用品や雑貨、衣類などさまざまなジャンルの商品を扱います。チェックする商品数が多いので、大人数で作業します。主に閉店後から翌日の開店前までに行われることが多いですが、ショッピングモールの規模が大きい場合は、翌日の営業開始時間を遅らせるケースも。
また、ショッピングモールのなかでも、アパレル関係の店舗では商品が大きく入れ替わるシーズンごとに棚卸が行われるのが特徴です。
コンビニエンスストアの棚卸は、棚に陳列されている商品やバックヤードの在庫をチェックします。
作業時は端末でバーコードを読み取り、商品の数量を入力します。読み取った情報は在庫を管理する機器に反映されるため、品目を入力する必要がなく、商品知識がない方でも問題ありません。
また、コンビニエンスストアは見慣れた商品が多いため、未経験でも取り組みやすいのが特徴です。大きくて重い商品が少ないので、体力に自信のない方にも向いています。
作業後は、食料品であれば賞味期限が近い商品を手前に置き、商品名が見えるように配置するなど棚卸後の見た目も気にかけます。
本屋の棚卸は、書籍の数をチェックする仕事です。書店の規模によって棚卸にかかる時間は変わります。棚の上段にある本のバーコードを読み取るときは、手を伸ばして作業を続けるため、腕の疲れを感じやすいかもしれません。
また、営業時間中に棚卸するときは、本を探す利用客の邪魔にならないように配慮が求められます。周囲を気にかけながら数え間違えの内容に作業する集中力が必要です。
棚卸の仕事が向いている人の特徴は、以下の通りです。
○慎重に同じ作業を繰り返しできる人
○コミュニケーションを取るのが得意な人
○勤務が延長しても苦でなく、稼ぎたい気持ちがある人
○体力と集中力がある人
順番に解説していきます。
慎重に同じ作業を繰り返しできる人は、細かな仕事が多い棚卸業務に向いています。棚卸は利益に影響するため、商品や部品、材料を正確に数えなければいけません。小さな部品を1つずつ取り出して、品質を確認しながら数えるので、慎重に行動できる人が求められます。
また、休業日や閉店後など限られた時間で棚卸を完遂しなければならない業種もありますから、飽きずにもくもくと作業を続けられる人がよいでしょう。
円滑なコミュニケーションを取るのが得意な人は、棚卸の仕事に向いています。棚卸には、年齢や性別は関係ありません。そのため、年齢や性別はもちろん、これまでのキャリアや学歴もさまざまな人が働いており、更に繁忙期には従業員が増えます。
アルバイトの場合は働く仲間は毎回変わりますし、未経験の人もいるので、誰とでも円滑なコミュニケーションを取れる人なら、報告や確認をスムーズに行えるでしょう。
勤務時間が延長しても苦でない、むしろ残業代を稼ぎたい人は、棚卸の仕事に向いています。在庫が多く、カウントに手間がかかる製品の棚卸は、勤務時間が延長する傾向です。ただ、ダブルワークでは、時間が読めずに働きにくいかもしれません。
閉店後に棚卸する企業は、明け方まで業務が続きますが、夜勤は日勤より時給が上がるので効率よく稼ぎたい人にはうってつけです。
体力と集中力がある人も、同じ作業を繰り返す棚卸の仕事に向いています。何時間も細かい部品を数えますし、広い倉庫やバックヤードでの作業は移動量が増えるでしょう。閉店後から明け方まで働く夜勤は、明るい時間に睡眠をとるので、慣れないと体を休められず、体調を崩すおそれがあります。
また、広い倉庫内は冷暖房の効きづらい場所もありますから、上着や手袋などを使って体温を調節する工夫が必要です。棚卸は、体力と根気強くカウントする集中力が求められる仕事といえます。
事業に欠かせない棚卸の仕事は、未経験でも始めやすいので転職を考えている人にぴったりです。
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