ワークスタイル

縫製(ソーイングスタッフ)の仕事とは?作業内容や給与相場

記事メイン画像

縫製(ソーイングスタッフ)の経験がある方や縫製に興味がある未経験の方に向けて、仕事内容や給与相場、必要な能力、やりがいなどについて紹介します。
「縫製の仕事って何をするの?」「改めてソーイングスタッフに復帰したい」と言う方は、ぜひご覧ください。

縫製(ソーイングスタッフ)の仕事とは
縫製の仕事をする人を、ソーイングスタッフや縫製技術者と言います。布を縫い合わせて衣服や布製品を作成するのが仕事で、アパレルメーカーの工場や洋服店などに就職するのが一般的です。
工場で衣服の縫製をするほかに、デザイナーから指示を受けて、サンプルやオートクチュール品などを縫製することもあります。既製品を作っている工場では、1着を一人が担当するのではなく、襟や袖などのパーツごとに担当が分かれた分業制を採用しているケースも。
一口に縫製(ソーイングスタッフ)といっても、携わる業務はさまざまです。

給料相場
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査の職種別賃金額」をもとに、洋裁工とミシン縫製工の月給と時短勤務者の時給をまとめました。
ちなみに洋裁工とは、オーダーメイドやサンプルなどの少量生産を行う仕事です。対してミシン縫製工は、既製品や量産品などの大量生産を行います。
それぞれ違いがありますが、どちらも縫製に携わる仕事のため、両者の給与をピックアップしました。

洋裁工 平成25年 平成26年 平成27年
月給(正社員) 137,400円 156,200円 166,400円
年間賞与 その他特別給与額 47,900円 66,100円 164,800円
合 計 185,300円 222,300円 331,200円
時給(時短勤務) 775円 945円 942円

ミシン縫製工 平成25年 平成26年 平成27年
月給(正社員) 147,100円 147,200円 150,800円
年間賞与 その他特別給与額 93,400円 95,400円 151,300円
合 計 240,500円 242,600円 302,100円
時給(時短勤務) 783円 807円 803円

どちらの業種も、徐々に待遇面は良くなってきています。月収の相場は、240,000円~300,000円ほど。スキルや経歴によっては、更に上も目指せる仕事です。
参考:賃金構造基本統計調査の職種別賃金額

「はたらくヨロコビ」は、製造業のお仕事を多数紹介しています。未経験OKな求人もありますので、縫製のお仕事にチャレンジしたい方は、ぜひ「はたらくヨロコビ」をご活用ください。職業以外にもエリアや業界などから、希望のお仕事を探すこともできます。

お仕事の探し方は、以下をご覧ください。

「はたらくヨロコビ」でお仕事を探す



縫製の具体的な仕事内容
衣服や布製品を作る仕事とお伝えしましたが、具体的にはどのような仕事をするのでしょうか。ここでは、縫製の主な作業について紹介します。

布の裁断
デザインやパターン(型紙)に合わせて布を裁断します。型紙を布に合わせて、チャコとよばれる道具で裁断用の印を付けます。布のロスをできる限り抑えるように、型紙を配置するのもポイント。型紙と布がズレないようにするのはもちろん、印通りに裁断する技術が求められる作業です。
裁断する際には、布の繊維の方向や柄の合わせ方にも注意します。柔らかい布や厚手の布など、素材によっては特別な工夫が必要な場合もあるため、技術力だけでなく布の知識も必要です。

布を縫い合わせる
裁断した布を縫い合わせる作業です。デザイン通りに縫い合わせることで、立体的な衣服になります。主にミシンを使用するため、使い方を身につけておく必要があるでしょう。また布の素材によって縫いやすさが異なるため、種類ごとの特徴も把握して作業します。
布を縫い合わせる際には、縫い目の強度を適切に調整することが重要です。縫い目が弱すぎると製品が破れやすくなり、強すぎると布が破損する可能性があります。縫い目の間隔や歪みにも注意が必要です。
この工程では、正確な縫い目を確保するために正確な作業と熟練した技術が求められます。

ボタンやチャックなどを付ける
衣服の種類によっては、ボタンやチャックなどを付ける作業があります。
ボタンやチャックを取り付ける際には、しっかりと固定されていることが重要です。取り付けが緩いと、使用中に取れやすくなってしまいます。また、取り付ける位置がずれないように注意しなくてはいけません。
そのためボタンやチャックの種類ごとに特性を理解して、適切に取り付けるスキルが求められます。またボタンをつける場合、ボタン穴も縫製します。

刺繍や飾り縫いなどの装飾をする
装飾が必要な衣服では、刺繍や飾り縫いといった作業を行います。そのほか、リボンやスパンコール、ビーズなどを縫い付ける場合もあるでしょう。衣服の見た目を仕上げる作業のため、より高いスキルが求められます。
装飾を施す際には、デザインに従って装飾を正確に配置することが重要です。また、装飾が製品の機能性や耐久性に影響を与えないように考えて作業します。繊細な作業であり、美しい仕上がりを実現するためには熟練した手さばきと細やかな注意が必要とされます。

でき上がった製品のアイロンがけ・検品
縫製の作業が完了したら、アイロンをかけて布のしわを伸ばして、形を整えます。その後、検品も行います。この段階では、製品の品質管理が特に重要です。ミスが無いか、デザイン通りにできているかなど、細かくチェック。
更に、縫い目の強度や糸のほつれ、装飾の位置などを確認して、製品が最終的な仕様に適合しているかどうかを検証します。針を使う仕事でもあるため、万が一を考えて針が残っていないかを確認することも大切です。


縫製(ソーイングスタッフ)に役立つ資格や向いている人
ここでは、縫製の仕事をする際に役立つ資格や向いている人について紹介します。

役立つ資格
縫製に役立つ資格には、「布はく縫製技能士」「婦人子供服製造技能士」「紳士服製造技術士」があります。いずれも国家資格で、技能検定制度の一種です。布や繊維製品の縫製に関する知識や技能を認定するもののため、取得すれば縫製(ソーイングスタッフ)の仕事に従事するうえでキャリアアップに役立ちます。すでに持っている方は、転職の際にアピールポイントとなるでしょう。

以下に、それぞれの資格の内容や難易度、試験内容などを説明します。

布はく縫製技能士


布はくとは、縦糸と横糸を交互に織り込んで作った生地のこと。布はく縫製技能士は、布はくを用いた製品の製造に必要な技能を認定する資格で、1級と2級があります。
試験は学科試験と実技試験からなり、実技試験ではワイシャツ製造作業または衛生白衣製造作業のいずれかを選択。受験資格として、1級は7年以上、2級は2年以上の実務経験が求められますが、学歴によっては短縮されます。

婦人子供服製造技能士


婦人子供服製造技能士は、婦人服と子供服の製作技能を認定する資格で、特級、1級、2級があります。
試験は学科試験と実技試験からなり、実技試験では婦人子供注文服製作作業、婦人子供既製服パターンメーキング作業、婦人子供既製服縫製作業のいずれかを選択して行います。
受験資格として、特級は1級合格後5年以上、1級は7年以上、2級は2年以上の実務経験が求められますが、学歴によっては短縮されます。

紳士服製造技能士


紳士服製造技能士は、紳士服の製作技術を認定する資格で、特級、1級、2級があります。試験は、学科試験と実技試験からなり、実技試験では紳士服製造作業、紳士既成服型紙製作作業、紳士服縫製作業のいずれかを選択して行います。
受験には実務経験が必要で、特級は1級合格後5年以上、1級は7年以上、2級は2年以上の実務経験が必要です。学歴によっては短縮される場合があります。
難易度は、布はく縫製技能士や婦人子供服製造技能士よりも高いとされており、特級と1級が難関、2級が普通と評価されています。

縫製(ソーイングスタッフ)の仕事に向いている人
縫製の仕事に必須の資格はありませんが、仕事に向いている人はいます。以下で、縫製の仕事に向いている人の特徴をまとめました。また、これらの特徴は就職してから磨くこともできます。

縫製が好き


縫製の仕事は、自分の手で布や糸を使ってさまざまなものを作れます。
服やバッグ、カーテンなど、自分の好きなものやお客様の要望に応えるものを作るのは、縫製が好きな人にとってはやりがいのある仕事です。楽しみながら縫製の技術を磨いたり知識を深めたりするため、現場で評価されやすいでしょう。

手先が器用


縫製は、手先を使って細かい作業をすることが多い仕事です。針やミシンで布を縫ったり、ボタンやファスナーを付けたり、アイロンでシワを伸ばしたりします。手先が器用な人は、縫製の仕事をスムーズにこなすことができ、仕上がりの品質も高くなるでしょう。

集中力に自信がある


縫製は、細かい部分にも注意を払わなければならないため、集中力が必要です。布の裁断や縫い目の位置、サイズ、形などは、間違えると作品の品質や見た目に影響が出ることもあります。集中力に自信がある人は、縫製の仕事を正確に行えるため、ミスや修正も少ないでしょう。

協調性がある


縫製の職場では、スタッフやお客様とコミュニケーションを取るため、協調性がある人に向いています。スタッフとは、作業の進捗や問題、改善点などを共有したり、分担して助け合ったりします。
お客様とは、注文や要望、納期、料金などを確認したり、相談したりといったことが必要です。協調性がある人はチームワークを大事にするため、仕事を円滑に進められるのはもちろん、周囲と信頼関係を築けます。

細かいことに気が付ける


縫製の仕事は、細かいことに気が付ける人に向いています。布の素材や色、柄やデザインなどが、作品の雰囲気や印象に影響することを注意しなければなりません。糸の種類や太さ、縫い方や縫い跡などが、作品の耐久性に影響することも気にかける必要があるためです。
作業後のチェックや検品においても、細部に目を配れる能力が活かせます。


縫製の仕事のやりがい
縫製の仕事にはどのようなやりがいがあるのかを紹介します。

ものづくりに関われる
縫製(ソーイングスタッフ)の仕事は、自分の手で布や糸を使ってさまざまなものを作るものづくりに携われます。衣服やバッグなど、自分の好きなものやお客様の要望に応えるものを作ることができるので、ものづくりの楽しさや喜びを感じられるでしょう。
自分が作ったものが人々の生活に役立ったり、喜ばれたりすることも、やりがいのひとつです。

スキルが身につく
技術を磨き、知識を深めることで、縫製に関する幅広いスキルが身に付きます。布の裁断から縫製、仕上げに至る過程では、針やミシン、アイロンなどを使って製品を作ります。
それらの使い方や織物に関する知識、更には服飾のデザインセンスも磨けるでしょう。そうしたスキルは自身のキャリアアップやキャリアチェンジにつなげられるのはもちろん、趣味にも活かせます。

自分に自信をもつことができる
縫製(ソーイングスタッフ)の仕事は、自分の頑張りや技術力の向上が目に見えてわかる仕事です。できることが増える、速度が上がるなどの変化から自分の成長を実感して、自信をもてるでしょう。
また自分が作った製品が人々に評価されたり、感謝されたりすることも、魅力です。評価されることで自信が付くと、更に仕事へやりがいを見出せます。


まとめ
縫製(ソーイングスタッフ)の仕事は、単に指示に沿って布を縫い合わせるだけではありません。デザイン通りに作る繊細さやでき上がりの品質担保、着る人の安全のための検品と、要所ごとに欠かせない役割があります。
また、ものづくりを通して自身のスキルが磨かれて行く楽しさとやりがいも感じられるでしょう。デザイナーやパタンナーの意図を汲み取り、スタッフと連携しながら、お客様が満足する衣服を届ける仕事を通して、コミュニケーション力も鍛えられます。
どのような作業を任されるかは就職する先によって異なりますが、自身が身につけたスキルを発揮しながら働けるのが魅力でしょう。

縫製(ソーイングスタッフ)の仕事に興味がある・新しく製造のお仕事を探したいとお考えの方は、求人情報サイト「はたらくヨロコビ」を活用してみませんか。「はたらくヨロコビ」は、製造業に特化している求人情報サイトです。

未経験の方やお仕事から離れていた方に向けた求人、紹介予定派遣の求人も充実しています。洋裁工やミシン縫製工といった仕事に興味のある人、製造業界にチャレンジしてみたいと考えている人は、製造業の求人サイトの「はたらくヨロコビ」へ!

「はたらくヨロコビ」で求人情報をチェックする


「はたらくヨロコビ」は、未経験者でも働けるお仕事や女性が活躍できるお仕事など、多種多様な求人を取り扱っています。
公式LINEでは、希望条件からおすすめの求人をお知らせします。好条件の新着お仕事の情報を配信中です。気になる人は、ぜひ公式LINEに登録してみてくださいね。

はたらくヨロコビの求人情報をLINEでチェックする!