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製造事務の仕事内容や給与相場・おすすめの資格を紹介

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製造の仕事といえば、ものづくりをするために工場で働くことをイメージする方が多いかもしれません。ですが、製造スタッフがスムーズに仕事を行うために、仕事を支える製造事務という仕事が存在します。製造事務の仕事は力仕事ではないため、女性が活躍しやすいのが特徴です。
ここでは、製造事務の仕事内容や給与、向いている方ややりがいなどについてご紹介。「一般事務とは何が違うの?」「製造事務って具体的に何をするの?」といった疑問をおもちの方は、ぜひご覧ください。

製造事務の仕事内容
製造事務の仕事は、一般的な事務職と大きく変わりはありません。データ入力や在庫管理表の更新、製品の発注業務などを、Excelや専用のシステムを使用して行います。受注業務では注文内容を確認のうえ、自社の各所に伝達します。繁忙期に運搬の手伝いを求められることがありますが、加工機の操作をするケースは稀でしょう。
一般事務と異なるのは、オフィスではなく製造工場に勤めることです。そのため、生産管理とよばれる製品の生産スケジュールやオペレーションなどに携わり、滞りなく製造が行えるようにサポートする仕事が含まれることがあります。また、接客対応が少ない傾向にあるのも、一般事務とは異なる点です。
このように製造事務は、工場全体のスムーズな運営を支える重要な役割をもつ立場として活躍できる仕事といえます。

製造事務の給与相場
製造事務の給与について、時給・月収・年収の3つに分けてリサーチしました。ここではそれぞれの相場をご紹介します。

時給の相場
厚生労働省の「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(令和6年度適用)」によると、生産関連事務従事者の時給(基準値)は1,145円となっています。

参照:賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)

上記の金額に加え、スキルや勤続年数によって金額が上がって行きます。20年勤めた場合の試算は時給2,076円です。

月収の例
ここでは、「はたらくヨロコビ」の求人情報をもとに、月収例を紹介します。

半導体製造に関する事務作業
○月収例 270,000円~290,000円
生産関連事務作業
○月収例 200,000円~220,000円
海外拠点スタッフとの英文対応あり
○月収例 230,000円~250,000円
電子部品の製造に関わる事務業務
○月収例 210,000円~230,000円

勤める製造現場や対応する内容にもよりますが、「はたらくヨロコビ」では200,000円~300,000円ほどが月収の相場です。時給にすると1,080円~1,600円ほどとなりますが、スキルや経験を積むことで時給を上げることも可能です。

「はたらくヨロコビ」では、今回紹介した月収例以外にも製造事務のお仕事の求人を掲載しています。お給料だけでなく、勤務場所や時間などから、あなたにピッタリなお仕事を探してみてくださいね。

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年収の相場
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、令和4年における製造事務の月の給与は以下の表のようになっています。
下記をもとに年収を考えると、男女の平均は3,813,000円、男性は4,291,800円、女性は3,126,600円です。
※事業規模ごとの給与総額を合計して平均を出し、12をかけて算出
企業規模 10人以上 1,000人以上 100~999人 10~99人
項目 平均年齢 給与の総額(千円) 年間賞与その他特別給与額(千円) 平均年齢 給与の総額(千円) 年間賞与その他特別給与額(千円) 平均年齢 給与の総額(千円) 年間賞与その他特別給与額(千円) 平均年齢 給与の総額(千円) 年間賞与その他特別給与額(千円)
男女 44.3 316.4 1005.7 44.3 367.5 1380.3 43.8 308.1 1003.1 45.2 279.0 617.2
45.3 359.7 1212.1 44.5 402.3 1550.9 45.1 349.7 1192.5 47.0 318.9 753.3
42.9 257.0 722.1 44.0 290.6 1002.5 42.0 253.6 755.6 43.5 241.0 487.8

参照:賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種

この表のデータから、全体的に女性よりも男性の給与が高い傾向にあります。男女の格差があるのは、一般的に女性が非正規雇用(パート・アルバイトなど)で働いている割合が多いためと考えられます。男女の賃金格差も問題視されていることから、政府は「同一労働同一賃金」のガイドラインを策定。多くの企業で、同一労働同一賃金の取り組みが進められています。
今後、給与面の男女や雇用形態による差は縮まっていくと考えられるでしょう。

製造事務が行う業務
製造事務とは、工場で生産管理や工程管理をサポートする事務職です。具体的には、以下のような業務を行います。

データの入力
生産状況や在庫状況などのデータをパソコンに入力して管理します。データの入力は、工場の生産性や品質を把握するために欠かせない業務です。入力したデータは、生産計画や発注の基準になったり、問題が発生したときの原因究明に役立ったりします。データ入力は、専用のソフトウェアやエクセルなどを使って行うため、それらを扱える人は重宝されます。

電話・受付対応
取引先やスタッフからの電話や来客に対し、必要な情報を伝え、問い合わせに対応する業務です。取引先からの注文や納期の確認、スタッフからの休暇申請や勤怠連絡、来客者の案内や応対などがあります。電話・受付対応は、工場のイメージや信頼を左右するため、ビジネスマナーを守り、丁寧で迅速な対応が求められます。

在籍スタッフの入退社管理・制服、健康診断の手配
工場で働くスタッフの入退社や勤怠の管理、制服や健康診断の手配も重要な仕事です。加えて、スタッフの採用や退職の手続き、勤怠や給与の計算、労働保険や社会保険の手続きなども行います。工場の安全や衛生を保つため、制服の発注や交換、健康診断の予約や結果の管理なども担当します。

書類作成・管理
生産計画や発注書、請求書などの書類を作成することに加え、書類やデータの整理・保管も製造事務の仕事です。生産計画とは、工場の生産目標やスケジュールを決めるためのものです。発注書は、原材料や部品などを注文する際に作成され、請求書は、取引先に製品やサービス料金の支払いを求める書類を指します。各種の書類は、工場の運営に欠かせないため、正確な記述や適切な管理が求められます。

経費および請求書の処理
経費および請求書の処理は、工場の財務に関わる重要な業務です。一部の工場には専門の財務部門がありますが、事業規模によっては人事労務や事務と兼任する場合もあります。
経費の処理は、領収書やレシートなどを添付し、精算を行うことです。経費とは工場の運営にかかる費用を指し、水道光熱費や備品費などが含まれます。一方、請求書の処理とは、取引先や工場からの支払いを処理する業務です。経費および請求書の処理には、経費精算システムや会計ソフトなどが使用されます。

製造事務に役立つ資格と向いている方の特徴
ここまで、製造事務の仕事内容をお伝えしましたが、次に気になるのが役立つ資格や適性ではないでしょうか。ここでは、製造事務の仕事をする前に知っておきたいおすすめの資格と向いている方の特徴について紹介します。

役立つ資格
製造事務の仕事をする際に必須の資格はありません。ですが、「生産管理オペレーション」「生産管理プランニング」といった、製造現場に関連する資格をもっておくと、就職や転職の際に役立ちます。

生産管理オペレーション


生産管理オペレーションとは、製造業の仕事の中でも生産管理を担うのに必要なスキルを認定する資格です。試験を実施しているのは中央職業能力開発協会で、「生産管理」という資格の中の一部として実施され、2・3級があります。
試験の範囲は、「作業管理・工程管理・設備管理」「資材在庫管理・運搬物流管理」「品質管理」「原価管理」「納期管理」「安全衛生管理」「環境管理」です。

生産管理プランニング


生産管理オペレーションと同様に中央職業能力開発協会が実施している資格です。生産管理の中でも「生産システムの設計・計画」について、高い能力と深い知識をもっていることを示します。生産管理プランニングは、「ビジネス・キャリア検定資格」というカテゴリーの中の一つに区分されます。
試験の範囲は、「生産システム・生産計画」「製品企画・設計管理」「品質管理」など、生産システムの設計・計画業務に従事している方を対象とした内容です。

2級・3級どちらの試験も、選択式での解答となっており、試験範囲をしっかりと理解しておく必要があります。受験資格は設けられていないため、知識がある方は高い等級から受験することも可能です。ですが、業界未経験の方は製造業における生産管理の基礎知識を学べるBASIC級から受験するのがおすすめです。

MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)


MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)は、Microsoft Office製品のスキルを認定する国際的な資格です。主に、Word、Excel、PowerPointなどのMicrosoft Officeアプリケーションに関する高度な知識とスキル習得を証明できます。試験内容は、実務で頻繁に使用される機能や機能の応用、データ管理、レポート作成などです。

製造事務の仕事では、データ管理や分析の業務を行うため、MOS資格は大変役立ちます。MOSの資格を有することで、生産データの効率的な処理や分析、プレゼンテーション作成などをスムーズに行えます。また、高度な機能を活用することで、製造プロセスの改善や効率化に役立てることも可能です。

製造事務の仕事に向いている方
製造事務の仕事に向いているのは、以下のような方です。しかし、実務をこなしながら身に付けられるスキルや能力でもあるため、製造事務として働いてみたい、という気持ちが大切です。

モノづくりが好き


製造業で働くため、モノづくりが好きな方に向いています。製造事務は、商品の製造プロセスに関わる仕事なので、モノづくりに興味や関心がある方は、よりやりがいをもって働けるでしょう。また、製品の品質やコスト、納期などに責任をもち、お客様に満足してもらえるように努めようと考えるため、生産管理の仕事も真摯に取り組めます。

集中力に自信がある


製造事務は、オフィスワークが主な仕事なので、パソコンや書類に向かって一定の時間集中して作業できる方に向いています。合間に製造スタッフとのやり取りが挟まっても、切り替えをしっかり行い、集中力を切らさずに仕事を進められる能力があると尚いいでしょう。細かい数字やデータを扱うことも多いので、正確さやスピードも求められます。

PCスキルがある


製造事務は、ExcelやWordといったOffice製品を使える基本的なPCスキルが求められます。これらを使用したことが無い場合は、触れておくのがおすすめです。また、生産管理や受発注管理などを行う専用のシステムやソフトを使うこともあります。PCスキルのある方は、そのような独自のシステムへも馴染みやすいでしょう。

協調性やコミュニケーション能力に長けている


製造事務は、製造部門や営業部門、外部の取引先など、さまざまな方と連携して仕事を進めます。そのため、協調性やコミュニケーション能力があると、円滑に業務ができ、信頼関係も築きやすくなるでしょう。人と話すのが好き、誰かの役に立ちたい、といった方は、前向きに仕事に取り組めます。

製造事務のやりがい
製造現場の支える事務の仕事には、どのようなやりがいがあるのか紹介します。

間接的にものづくりに関われる
製造事務は、製品の生産におけるさまざまな業務を担う職種です。製造事務は、製造プロセスの全体像を理解しやすい立場のため、役割を活かした生産効率や品質の向上に貢献できます。また、製造現場と事務部門の双方と連携し、チームワークやコミュニケーションを活性化させることも可能です。更に、生産プロセスに関する課題への取り組みや対策を講じることにより、自身の成長も実感できるでしょう。実際にモノづくりをする業種ではありませんが、製造の現場を支えるやりがいがあります。

製造に関する知識が深まる
製造事務は、製造現場とのコミュニケーションが欠かせません。製造スタッフとのやり取りを通して、製品の特徴や工程の詳細を知ることができます。業界ならではの知識も得られるでしょう。知る楽しさがあることは、製造事務のやりがいにつながります。場合によっては、新たな製品のアイデアが生まれ、採用されるかもしれません。

まとめ
製造事務の仕事は、一般事務と大きく作業内容は変わりませんが、ものづくりに携われる魅力ある仕事です。業界ならではの知識が身に付くため、一般事務とはまた違うやりがいが見い出せます。
基本的なPCスキルとビジネススキルがあれば挑戦できることから、未経験者やお仕事からしばらく離れていた方にもおすすめの仕事です。

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