ワークスタイル

製造業における試験・実験の仕事内容とは?

記事メイン画像

試験・実験業務は、工場における作業のひとつです。しかし、未経験で製造業への転職をお考えの方は、「試験・実験業務ではどんな作業をするのか」「試験・評価業務ではどんな待遇で働けるのだろう?」と疑問に思っているのではないでしょうか。

本記事では、製造業における試験・実験の仕事内容についてご紹介します。あわせて、試験・実験業務の給料相場や役立つスキル、やりがいについてもまとめました。

【目次】

■試験・実験・評価の仕事とは何か

・給料相場

■試験・実験・評価の具体的な仕事内容

・試験・実験・評価計画の立案

・原材料の確認(材料試験など)

・品質チェック(安全性確認など)

・データ分析

■仕事の流れ

・実験計画の立案

・各種検証作業の実行

・分析・考察・フィードバック

■試験・実験・評価の仕事に必要な資格・スキル

・資格は必須ではない

・試験・実験・評価の仕事に向いている人

■試験・実験・評価の仕事のやりがい

・製品の安全性を担保しているという自覚がもてる

・機器の取り扱いスキルが向上する

・幅広いIT機種に触れる機会がある

・客観的な視点から開発を支えられる

■まとめ

試験・実験・評価の仕事とは何か
製造業における試験・実験・評価業務とは、工場で製造された製品の動作確認をしたり、機能がきちんと搭載・稼働しているかを評価したりする業務です。製造工程ごとに機能の検証を行い、特定した不具合や改良点などを開発者へフィードバック。こうした試験・実験・評価業務を経て、製品が作られていきます。

例えば、自動車の製造現場ではエンジンテストをはじめ強度テストや振動・騒音のテスト、操縦の安定性を見極める検査などを実施するのが一般的です。これらの工程を、部品単体から試作車を走行させるまで何度も繰り返します。また、各試験で得られたデータを専用のコンピュータで解析・シミュレーションするのも重要な作業のひとつです。

試験・実験・評価は、製造業のさまざまな現場で実施されています。自動車の製造現場をはじめ、家電製品や医薬品、化粧品、食品などの製造現場でも、試験・実験・評価は不可欠です。

例えば、家電製品の製造現場では自動車と同じく強度テストや動作テスト、振動テストなどが実施されるほか、電装品を多く使っている製品でもあるため各部品の電通テストも行われます。医薬品や化粧品、食品の製造現場で行われるのは、衛生面のチェックや成分チェックなどがあり、評価対象によって実験方法は多岐にわたっているのが特徴的です。

給料相場
試験・実験・評価業務の月収と年収の相場をご紹介します。

月収の相場


「はたらくヨロコビ」に掲載されている求人の中で、「試験・実験・評価」を含む求人の月収例は160,000円~310,000円となっています。具体的な業務と給与の例は、以下のとおりです。

ガラス製品の検査・出荷業務
・月収例:160,000円~180,000円
配電盤組立後の検査業務
・月収例:190,000円~210,000円
自動車用バッテリーの検査業務
・月収例:200,000円~220,000円
日産自動車株式会社・メーカー直接雇用のお仕事
・月収例:208,000円~300,000円
自動車バッテリーの組立・検査業務
・月収例:290,000円~310,000円
参考:はたらくヨロコビ求人検索
※2023年11月21日時点の情報

アウトソーシングが運営する求人サイト「はたらくヨロコビ」では、全国の試験・実験・評価業務の求人を掲載中です。給与をはじめ雇用形態や各種こだわり選択、フリーワード検索などから求人情報を検索できます。はたらくヨロコビで、ご自身の働き方に合った試験・実験・評価業務の求人を探してみてくださいね。

はたらくヨロコビで「試験・実験・評価」の求人を探す


年収の相場


転職会議における試験・実験・評価業務の平均年収は、以下のとおりです。それぞれ「機械」「電気/電子」「半導体」といった各分野の平均年収推移をまとめました。

記事メイン画像

参考:
転職会議:評価・テスト(機械)の年収まとめ (給料/平均年収/企業名などを集計)
転職会議:評価・テスト(電気・電子)の年収まとめ (給料/平均年収/企業名などを集計)
転職会議:評価・テスト(半導体)の年収まとめ (給料/平均年収/企業名などを集計)


「機械」「電気/電子」「半導体」ともに、年齢が上がるにつれ平均年収も上がっているのがわかります。また、半導体に携わる試験・実験・評価業務の平均年収が特に大きな上がり幅になっているのも特徴的です。


試験・実験・評価の具体的な仕事内容
試験・実験・評価の仕事内容は、以下の作業から成っています。

◯試験・実験・評価計画の立案
◯原材料の確認(材料試験など)
◯品質チェック(安全性確認など)
◯データ分析


試験・実験・評価計画の立案
計画が曖昧なまま試験・実験・評価業務を進めると製品の安全性や機能性にまで影響が及ぶため、計画の立案は重要なフェーズだといえます。「どのような意図があって試験や実験を行うのか」「どの程度の正確さで検証を行うべきか」といった指標を明確にしたうえで、どのように試験・実験・評価を進めるのか、計画を立てる必要があります。

原材料の確認(材料試験など)
原材料の確認では、試験を通して材料の性質や品質をチェックします。強度や剛性を明確にしたり、異なる材料同士を比較したりするフェーズだと考えるといいでしょう。例えば、化粧品や医薬品の製造現場では顕微鏡を用いた微生物検査やpH検査などによる原材料の確認が行われます。

品質チェック(安全性確認など)
品質チェックでは、目視検査や機能検査、モニターチェック、試運転などを通して製品の安全性を確認します。基準を満たしていない部品を検出してフィードバックしたり、機能ごとの性能を確かめたりするフェーズです。例えば、自動車の製造現場であれば走行テストや操縦テストを行い、全ての機能が仕様書どおりに稼働するか否かをチェックします。


データ分析
データ分析では、不具合の原因を特定したり、専用のコンピュータシステムや解析ツール、測定機などを使って各種シミュレーションをしたりします。特に、不具合の原因の特定とフィードバックは重要な作業です。設備の稼働状況や製造環境、製造手順など複数の要素からデータを取得し、そこから改善点を導き出します。

また、試験や実験結果に対する考察も行います。その製品に求められる基準値や過去のデータを参考に、試験結果が妥当か否かを確認するのが目的です。

仕事の流れ
具体的な業種にもよっても違いますが、試験・実験・評価業務はおおむね以下のような流れで進みます。

1.実験計画の立案
2.各種検証作業の実行
3.分析・考察・フィードバック

実験計画の立案
対象となる製品に合わせたテスト項目のピックアップし、手順書を作成。使用する機器やツールの選定、必要なテスト環境の整備など基本的なもののほか、実施期間の管理方法も立案時点で決定しておくと、スケジュールどおりに進めやすくなります。

各種検証作業の実行
単体テストや総合テストなど、計画した実験から得た結果を検証します。不具合が出た場合には分析も行い、その不具合を再現できるかどうかで原因を特定することが可能です。

分析・考察・フィードバック
試験・実験による数値・結果をもとに、チームメンバー間で分析・考察作業を開始。製品の現状や改善案などをまとめた報告書を作成し、必要に応じてオペレーターフォローや開発のアシストに入ります。


試験・実験・評価の仕事に必要な資格・スキル
試験・実験・評価の仕事をするなら、どのような資格やスキルが求められるでしょうか。必要な資格や向いている人のタイプ、資質についてご紹介します。

資格は必須ではない
試験・実験・評価の仕事へ就くにあたり、必須となる資格はありません。資格・経験不問で応募できる求人もみられるほどです。ただし、製造する品や担当する作業の内容によっては、以下のような資格やスキル・経験があるほうが、より活躍できるでしょう。

◯基本的なパソコンの操作スキル
◯自動車運転免許(自動車製造)
◯C言語を使用したコードの作成経験(家電の組み込みシステムの作成および検証)
◯化粧品検定(化粧品製造)
◯CADソフト利用経験(自動車や精密機械製造)


試験・実験・評価の仕事に向いている人
試験・実験・評価の仕事では、専門知識や技術以外の資質が求められるケースが少なくありません。試験・実験・評価の仕事に向いている方の特徴を、以下でいくつかピックアップしました。


地道な作業が苦にならない方


試験・実験・評価の仕事では、計画に沿って丁寧にテストを実践していくことが求められます。地道な作業が得意な方、手を抜かずにひとつひとつの工程をチェックできる方は、試験・実験・評価の仕事で活躍できるでしょう。

データを適切に使いこなせる方


データを正しく分析する能力、それらを適切に扱う能力が求められます。データの捏造や改ざんなどのニュースを見聞きするなかで、特に大切にされる資質でしょう。法令遵守の気持ちをもって業務にあたれる方が向いており、職種・キャリア・ポジションなどの枠を超えて、指摘すべき点をしっかりと指摘する正義感の強さも必要です。


解析ツールを使いこなすスキルがある方


各種解析ツールを使いこなす能力も必要です。自動車の製造現場をはじめ、電子部品や金属材料業界などでは各種耐久性テストや強度テストが実施されます。

これらには、LS-DYNAや MSC Nastranといった解析ツールを使いこなす力が不可欠。未経験から試験・実験・評価の業務へ携わりたいと考えているなら、前提として解析ツールのスキルを貪欲に吸収する意欲、根気強さが求められます。こうした意欲を備えた方は、試験・実験・評価の業務に向いているといえるでしょう。

計画性のある方


試験・実験・評価の業務では、高い計画性も求められます。テストする製品に対し、「どのような基準値を設けるべきか」「どのような流れでテストを行うか」などの計画を綿密に立てなくてはなりません。計画が曖昧だと、製品の品質にまで悪影響が及びます。計画を立てて実行することを得意としている方であれば、試験・実験・評価の業務に適性があるといえるでしょう。

高い集中力で業務にあたれる方


更に、集中力がある方も試験・実験・評価の業務に向いています。評価の考察やテスト実行の流れが雑だと製品の品質が下がり、重大な事故につながる可能性があります。

そうした事態を防ぐためにも、個々のテストを正確に、かつ丁寧に進める集中力が必要です。「集中力を保つのが得意」「持続力や根気強さがある」という方は、試験・実験・評価の仕事で活躍できるでしょう。

ただし、これらはあくまでも向いている方の傾向です。実際の仕事をこなすうちに慣れていき、必要な知識や技術を後から身につけるは十分可能。実務経験を積むなかで、試験・実験・評価の仕事に必要な思考法や視野を身につけられるしょう。

「自分には無理だ」と諦める前に、未経験から応募できる試験・実験・評価の業務に挑戦してみてはいかがでしょうか。

試験・実験・評価の仕事のやりがい
試験・実験・評価におけるやりがいを、以下でご紹介します。

製品の安全性を担保しているという自覚がもてる
試験・実験・評価の作業は、ジャンルを問わず幅広いものづくりの現場で実施されており、製品の安全性を担保する仕事だと言えます。「ものづくりの重要な工程を担っている」「便利で安全な製品を作り出すことに貢献している」といった喜びを得られるでしょう。

機器の取り扱いスキルが向上する
試験・実験・評価では、製品によってさまざまな機器を使用します。顕微鏡や画像解析ツール、電圧計など、取り扱う機器は製造物によって異なりますが、これらの専門的な知識や操作スキルを身につけられるのは大きな魅力です。機器を取り扱うスキルを身につけていく過程で、専門性が高まるっていくのも実感できるでしょう。

幅広いIT機種に触れる機会がある
発売前のIT機種や、新技術を搭載した機種に触れるチャンスも豊富です。ものづくりに関心の高い方や新技術のトレンドに敏感な方にとって、新鮮な知識を吸収するチャンスが多いのは魅力的です。技術に対するアンテナを日々磨けるのも、試験・実験・評価の業務のやりがいだといえるでしょう。

客観的な視点から開発を支えられる
ものづくりには開発者の知識や技術が不可欠です。しかし、開発者だけでものづくりを進めると「作る側」に視点が偏りがちなのも事実。そこで、試験・実験・評価の担当者が実際に製品を使う立場に立ったうえで改善点を探っていきます。

開発者とは異なる視点に立つことで、製品の思わぬ弱点や強みが見えてくるケースは少なくありません。そうした工夫が、製品の更なるブラッシュアップにもつながります。ユーザーの代弁者となって、ものづくりの根本を支えるというやりがいを感じられるでしょう。

まとめ
試験・実験・評価は、製品の品質や安全性を担保する重要な業務です。地道な作業を経て、安全で高品質な製品を送り出すというやりがいがあります。計画性や根気強さなどが求められるため条件が厳しいと思われがちですが、未経験から携われる求人も多くみられ門戸は広いと言えます。

ものづくり、製品の開発に興味のある方は、試験・実験・評価の業務に携わってみてはいかがでしょうか。試験・実験・評価の求人をお探しの際は、ぜひアウトソーシングが運営する求人サイト「はたらくヨロコビ」をご活用ください。

はたらくヨロコビとは?


「はたらくヨロコビ」は、年齢や経験、学歴を問わず活躍できる製造業のお仕事情報を多数掲載している求人サイトです。試験・実験・評価の求人はもちろん、加工や清掃、組立など製造業に関する幅広い職種の求人をご紹介しています。製造業未経験の方、ブランクがあり不安を覚えているという方も、この機会にぜひはたらくヨロコビをチェックしてみてください。

また、はたらくヨロコビの公式LINEもご用意。最新のお仕事情報や求人探しのヒントなどのコンテンツを配信しております。ぜひ、公式LINEのお友だち登録もしてみてくださいね。


公式LINEから最新の求人情報を受け取る!