NC旋盤オペレーターに向いている人ってどんな人？NC旋盤オペレーターになるには

NC旋盤を操作するNC旋盤オペレーターは製造業における花形職業の一つ。では、NC旋盤オペレーターは具体的にはどんな仕事をしているのでしょうか。また、NC旋盤オペレーターに向いているのはどんな人なのでしょうか。
NC旋盤オペレーターになりたい方向けに、このページではNCオペレーターをめぐるあれこれについて解説します。

そもそも旋盤とは、回転する主軸に取り付けた素材にバイトとよばれる刃を押し当てて、表面を削り取り除去加工するための機械です。旋盤のうち、作業者が手動でバイトや主軸を操作するものを「汎用旋盤」、数値制御装置（NC装置）が自動で制御するもの「NC旋盤」と呼びます。
NC旋盤はコンピューターで制御できることから、CNS（Computerized Numerical Control）旋盤とよばれることもあります。

NC旋盤を使うことで、自動加工や加工精度の向上が期待できます。ここからは具体的にはどんなことができるのかをご紹介します。

プログラムによる自動加工

NC旋盤はあらかじめ定められたプログラムにそって、自動で素材を加工します。そのため、一人のスタッフが同時に複数のNC旋盤を担当したり、ほかの作業をしながらNC旋盤を動かしたりできます。

0.001mm単位の加工が可能

NC旋盤では予めプログラムにそって加工を行うため、機種によっては0.001mm単位の精度での加工も可能です。そのため、汎用旋盤では難しい加工もNC旋盤を使えば楽々と加工できます。

均一な加工精度を保てる

作業者が手動でバイトや主軸を操作する汎用旋盤の場合、加工の精度は作業者の腕次第です。しかしNC旋盤なら、0.001mm単位の精度の加工ができます。そのため、一度プログラムをセットすれば同じ品質の製品を大量生産することが可能です。

NC旋盤によく似た機械にマシニングセンタがあります。マシニングセンタもプログラムに沿って自動で素材を加工するための機械であり、MCと省略されることもあって、NC旋盤と混同されがちです。しかし、NC旋盤とマシニングセンタには明確な違いがいくつかあります。
一番大きな違いとしては、マシニングセンタは「自動工具交換装置（ATC）」とよばれる工具を自動で切り替えるための装置を持っているのに対し、NC旋盤はこの装置を持っていないことです。そのため、NC旋盤では工具を切り替えるたびに動作をいちいち止める必要がありますが、マシニングセンタは複数の工具による加工を連続して行うことができます。
また、NC旋盤とマシニングセンタでは加工方法や回転させるものが異なります。NC旋盤は回転する「素材」に刃を当てて加工をするのに対し、マシニングセンタは回転する「刃」を素材に当てて加工します。
ちなみに、NC旋盤とマシニングセンタを合体させた「複合加工機」も存在します。複合加工機を使うと、マシニングセンタとNC旋盤を使い分けることなく複雑な加工を一台で対応できます。

NCフライス盤もNC旋盤と混同されることが多い機械です。NCフライス盤もNC旋盤やマシニングセンタと同様にプログラミングにそって自動で素材を加工します。
一言でいえば、NCフライス盤は自動工具交換装置（ATC）の付いていないマシニングセンタであり、マシニングセンタと同様、回転する刃を素材に当てながら素材を加工する「フライス加工」をするための装置です。

NC旋盤を操作する作業員のことをNC旋盤オペレーターと呼びますが、製造業に特化した求人サイトはたらくヨロコビではNC旋盤オペレーターの求人を豊富に扱っています。はたらくヨロコビの公式LINEを友だち登録すれば、最新の求人情報を自動で受けることができるため、NC旋盤オペレーターになりたい！という方はこの機会に是非登録してみてくださいね。

NC旋盤オペレーターの仕事はNC旋盤を使って素材を加工することです。具体的には、次の手順で作業を進めます。

まず図面を見て、どんな順番で加工を進めればいいのか確認します。
例えば、右側か左側、どちらから加工するといいのか。また、1工程目と2工程目では、それぞれ素材のどのあたりを掴めばいいのか。図面を見て、加工の手順を正しくイメージ決められるようになるまでには、多くの経験が必要です。
また、必要な工具は揃っているかどうかもこの段階で確認します。

素材や加工内容に合わせて適当な爪をNC旋盤本体のチャックに取り付けます。爪には大きく分けて2種類あり、素材の形状に合わせて成形できる柔らかい「生爪」と、素材の形に合わせて形成できないかわりに摩耗しにくい「硬爪」があります。基本的に生爪は仕上げに、硬爪は荒加工に使われます。
生爪を使って加工を行う場合、素材の形状のあう形の爪があるかどうか確認し、無ければ新しい爪を成形します。爪を取り付けるさいにはセレーションを掃除し、取り付け位置のズレが無いか、ボルトの閉め忘れがないかなどを念入りに確認します。爪の固定が不十分な場合、チャックの回転中に爪が飛び出し大事故につながる恐れがあります。

加工で使う工具を取り付けます。ノーズR補正という加工の補正はこの段階で行います。

切粉を掃除してから、爪で材料を挟みます。柔らかい素材を生爪で挟む場合、爪が傷つかないようにアルミなどで保護します。

加工用のプログラムをセットします。プログラムのセットが終わったら、どこかに間違いがないか、念入りに確認します。一か所でもプログラムが間違っていると、部品や製品を正しく作ることができません。

プログラムの確認が済んだら、いよいよ加工です。工具が機械にぶつからないように、慎重に加工します。

製造業界における花形のNC旋盤オペレーターですが、NC旋盤オペレーターになるうえで特別な経験、学歴は必要ありません。実際、多くの工場では未経験者を積極的に採用しています。
しかし、誰にでも向き不向きがあります。どんな人でもNC旋盤オペレーターとして活躍できるわけではありません。では、NC旋盤オペレーターに向いている人はどんな特徴を持っているのでしょうか。

ネジやボルトといった部品や製品を加工し作り上げるNC旋盤オペレーター。設計図通りの製品を作るためにはどうプログラムすればいいのか試行錯誤を重ねながら調整する作業は、ものづくりが好きな方であれば楽しみながら取り組めるでしょう。

NC旋盤オペレーターは製品や部品の仕上がりをミリ単位で修正するために、プログラムを緻密に調整します。
そのため、細かい作業が好きな方は、NC旋盤オペレーターに向いています。反対に、細かいことにこだわることが苦手な方はNC旋盤オペレーターには向いていないかもしれません。

工場の外でNC旋盤を見かける機会はほぼありません。そのため、機械が好きな方であれば、NC旋盤という珍しい機械を操作し、そのメカニズムを学び、長く使えるようにメンテナンスをすること自体にやりがいを感じられるでしょう。
また、NC旋盤が作るものの多くはネジやボルトといった別の機械の部品です。機械が好きな方なら「この部品はこの機械になるんだから、ここはもっとこうしたほうがいいだろう」と機転を利かせながら働くことができるはずです。

NC旋盤を含め、工作機械で行う加工ほとんどが切ったり削ったりする除去加工であり、ほんの一か所でも間違えるともう元に戻すことはできません。 そのため、設計図や仕様書通りにものを作れたときに喜びを感じるような完璧主義の人は、NC旋盤オペレーターに向いているといえます。

製造業ではチームワークが重要です。素材を運搬する人や、NC旋盤オペレーターが作ったものを更に加工したり組み立てたりする人がいればこそ、NC旋盤オペレーターという仕事は成り立ちます。そのため、NC旋盤オペレーターには協調性が必要です。 また、製造業の現場には、思わぬ事故のリスクがたくさん多くあります。現場の安全性を確保する上ためにも、周りの人が気持ちよく働けるように気遣える人は向いています。

NC旋盤オペレーターは男性が多いと思われがちな職業ですが、電動の交換器を使用し、重いものを持ち上げたり運んだりといった作業が減っており、女性でも働きやすい仕事です。また、最近では女性が働きやすい環境づくりに取り組む企業も増えており、そのかいあってか、NC旋盤オペレーターとして活躍する女性の数も少しずつ増えてきています。

NC旋盤オペレーターを目指す人におすすめの資格には、「機械加工技能士（数値制御旋盤）」があります。

機械加工技能士（数値制御旋盤）とは、工作機械を使って金属部品を加工するための知識や技能を評価する資格です。国家試験の一つであり、特級・1級・2級・3級に分かれていて、筆記試験と実技試験が行われます。また、選択科目として数値制御旋盤作業やフライス盤作業などから一つ選び受験する必要があります。

なお、3級を除いて、受験資格が定められており、それぞれ、
〇特級：1級合格後5年以上の実務経験
〇1級：7年以上の実務経験
〇2級：2年以上の実務経験
〇3級：実務経験不要
となっています。
機械加工技能士（数値制御旋盤）は、NC旋盤オペレーターとしての技術力を示すためにぴったりの試験です。取得したオペレーターに手当を支給する企業や工場も多く、NC旋盤オペレーターであればぜひ受験したい資格といえます。
特級～2級まで実務経験が必要ですが、3級であれば実務経験がなくても受験できます。NC旋盤オペレーターが気になっている人は3級から挑戦するのもいいでしょう。

機械加工技能士（数値制御旋盤）の特級は、取得までに最短でも12年かかります。ベテランオペレーターしか挑むことができない特別な試験であり、合格率も年によっては10％程度と非常に低くなっています。
NC旋盤オペレーターになったばかりの方は、まずは、3級の取得が目標となります。次いで、仕事に慣れてきたら2級、一人前に仕事がこなせるようになったら1級、のように、経験にあわせて、自分なりのペースで焦らず上位級を目指します。

NC旋盤オペレーターの具体的な仕事内容や給与相場は、工場の規模や生産している製品の種類によってさまざまです。
ここでは製造業に特化した求人サイト「はたらくヨロコビ」に掲載されているNC旋盤オペレーターの求人を例として取り上げながら、NC旋盤オペレーターの給与相場と具体的な仕事内容について見ていきます。
NC旋盤オペレーターの仕事を探している方は、是非参考にしてみてくださいね。

はたらくヨロコビに掲載されているNC旋盤オペレーターの求人の給与相場は、平均で
〇月収20万～31万
となっています。

地域別にいくつか例をあげると、
群馬県太田市の半導体製造工場の場合、
〇月収24万～26万（年間休日122日）
岐阜県美濃加茂市の工作機械組み立て工場の場合、
〇月収25万～27万（年間休日120日）
徳島県板野郡藍住町の自動車関連部品工場の場合、
〇月収22万～24万（年間休日120日）
となっています。

NC旋盤オペレーターはの具体的な仕事内容はそれぞれの工場ごとに違います。しかし、どんな工場であれNC旋盤を扱って素材することには変わりありません。先ほどピックアップした例をもう一度取り上げると、
〇群馬県太田市の半導体製造工場であれば、半導体製造過程でのNC旋盤による加工
〇岐阜県美濃加茂市の工作機械組み立て工場の場合、工作機械の組み立て工程でのNC旋盤による加工
〇徳島県板野郡藍住町の自動車関連部品工場の場合、自動車部品の製造過程でのNC旋盤による加工
が主な仕事内容となります。

多くの工場では、未経験歓迎となっています。既に触れたように、初心者でも安心して働くことができるのはNC旋盤オペレーターの大きな特徴です。また、従業員の男女比率がそれぞれ5:5となっている工場も多く、女性が活躍しやすい様子が伺えます。寮や社員食堂完備など、福利厚生が充実した求人の数が多いのもNC旋盤オペレーターの特徴です。

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