工場事務の仕事内容について解説!一般事務との違いや大変なところ
工場事務はオフィスワークの一つであり、いわゆる事務仕事ではありますが、職場である工場ならではの仕事をこなす必要も出てきます。一般企業の事務仕事と工場事務の仕事の違いや、工場事務の大変なところなどを解説します。
【目次】
■工場事務の仕事内容
■他の事務作業との違いは?
・一般事務との違い
・製造事務との違い
・貿易事務との違い
■工場事務に求められるスキル
・コミュニケーション能力
・パソコンスキル
・そのほかに必要なスキル
■工場事務の大変なところは?
・始業時間が工場の稼働に左右されることがある
・事務だけでなく現場の状況を把握する必要がある
・職場の交通の便が悪いこともある
■工場事務に向いている人
・コミュニケーションを取るのが好きな人
・ビジネスマナーが身についている人
・柔軟な対応ができる人
・ものづくりに興味がある人
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「工場事務」と見聞きして、具体的な仕事内容が思いつく人はどのくらいいるでしょうか。工場事務は工場内における事務仕事のことで、製造業におけるさまざまな製品の製造現場をサポートするのが役割です。一般的な企業内での事務仕事と違うのは、工場全体を見ながら仕事をしていくことです。
工場勤務の職種の一つである工場事務は、工場内の事務室でオフィスワークとして行われます。
・データ入力
・請求書・伝票など書類の作成や管理
・電話対応
・来客対応
・備品管理
・そのほか雑務(工場職員向けのお弁当の発注や、事務室の清掃など)
業務の内容自体は、工場以外で行われる事務職とそこまで大きな違いはありません。しかし工場は企業と異なり、取引先や業者といった限られた人のみが来客します。企業事務と比べると、来客数自体はあまり多くはありませんが、来客への接客業務が事務作業以外にも求められることがあります。
また、在籍しているスタッフや職員の入退社管理や、制服・健康診断の手配といったサポートも工場事務の仕事内容に含まれます。特にスタッフの入退社の手続きや、勤怠実績などのデータ入力を任されることも多いため、事務の範疇を超えて労務や総務に分類されるような仕事も任されます。製造業の仕事自体にかかわることはありませんが、工場内で所長のサポート業務を行うこともあります。
・上司や取引先、工場内スタッフとのコミュニケーションが多い
・来客対応や接客などでビジネスマナーを試されやすい
・1人で効率良く業務を行う必要がある
こうした特徴を持っているのが、工場事務の仕事です。人と接することが多く、状況や場面に応じた柔軟な対応が求められやすい反面で、パソコンスキルなどは簡単な入力さえできればOKということがほとんどです。
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同じ「事務」と名前がつく仕事でも、工場事務と一般事務では求められる内容が異なります。求人によってはこれらの仕事が区別されず「事務」としてまとめられていることもあるため、具体的に工場事務は他の事務作業とどのように異なるのか、ポイントを見ていきましょう。
一般事務は「OA事務」という呼び方をされることもある職業で、書類のファイリングや管理を行ったり、パソコンを駆使して営業関連の書類を作成したりといった内容を行います。データ入力なども仕事の一つで、顧客管理のための情報や日々の売上、会社のお金の動きなどを入力します。また、会社から発送する郵便物を定期的にまとめて発送したり、届いた郵便物を部署ごとに分けて仕分けたり届けたりする仕事も含まれます。 部署や会社の代表電話にかかってきた電話を担当者に取り次ぎ、メールの対応を行うことも一般事務の仕事です。工場事務との違いは、ルーチンワークが多く、自分から進んでアプローチする機会が少ない点です。ただし未経験でもチャレンジしやすく、さまざまなパソコンスキルも身につきやすい事務職です。
工場事務と似た意味で「製造事務」という言葉もありますが、製造事務は「製造業の事務」という意味ではなく、「製造部の事務」という意味として使われることがほとんどです。
・製造部
・生産技術部
・品質保証部
・生産管理部
・総務部
など、工場にはさまざまな部署が存在しています。この中で最もスタッフ数が多いとされているのが、現場作業を行っている製造部です。製造部では生産や出荷作業のための検査・梱包といったさまざまなプロセスが含まれており、スタッフの比率が高いことから専属の事務員が置かれることもあります。
製造部専属の製造事務は、データ入力や書類整理・コピーといった庶務に加えて、作業者からのリクエストに応えるために突発的にエクセル関数を用いたファイルを作るといった仕事も生じます。工場事務と違い、工場全体ではなく製造部に特化した事務作業が仕事内容です。
貿易事務は事務職の中では少し特殊な立ち位置で、輸入・輸出に際してのリスクを可能な限り抑えるための事務作業を行います。輸出入時には、海外との商品・サービスの取引で代金支払いが上手くいかなかったり、長距離の輸送が必要だったりなどさまざまなリスクが伴います。こうしたトラブルの予防と対策のため、さまざまな条件を書類として残し、正確な手順でやり取りするのが貿易事務の役割です。
出荷・輸送・通関などの手配を行ったり、出荷・納入管理を行ったりなど専門的な作業が必要になり、外国語のスキルも必要になります。
事務職の求人には経験不問・スキル不問としている工場も多くありますが、実際に工場事務として働くうえで持っていたほうが有利なスキルもあります。工場事務で求められやすいスキルを確認してみましょう。
工場事務は自分に割り振られた事務仕事だけではなく、工場全体の状況を把握して動く必要があります。そのため工場内のほかのスタッフとのやり取りが不可欠であり、コミュニケーションスキルが求められることがあります。初対面の相手でも穏やかに話をできることはもちろん、年齢や性別に関わらず多様な人と接する機会が多いため、人見知りしづらい人のほうが有利です。
また、工場内スタッフだけではなく、外部から一定の来客が訪れ、その対応としてコミュニケーションをとるシーンも少なくありません。工場事務は外部との窓口対応の役割も持っているため、どんな人とでも積極的に話せるコミュニケーションスキルに加えて、ビジネスマナーも試されます。対面で話をする機会だけではなく、電話やメールでのやり取りも苦にならない人が求められています。
工場内であっても、事務仕事にはデータ入力などの庶務がつきものです。必要なデータを必要なソフトにスムーズに入力できるだけの、最低限のパソコンスキルが必要です。特に工場事務で多く使うことの多いエクセルやワードなど、マイクロソフトオフィス製品についてスキルがあるとなお有利でしょう。
工場事務では一般的な事務作業に加えて、突発的にエクセルなどのソフトを使って表計算処理をするなどの場面も出てきます。工場事務の求人には「資格不問」としている企業も多くありますが、「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)」の資格を持っていると就職にも有利に働きますよ。タイピングのスピードや表計算への理解も、面接時や履歴書でアピールできると採用の可能性を高められるでしょう。
求人で明確に区別されておらず、工場事務として貿易事務や生産管理業務などの仕事を任されることもあります。貿易事務の場合は、輸出・輸入に関連する「貿易書類」の知識が必要になります。貨物の引渡しに必要な書類や、輸出する貨物の個数・質量などを記載した書類など、輸出入にはさまざまな書類が必要になるのです。
また、海外の協力工場とのやり取りがある場合などには、貿易事務でなくても英語力が求められることもあります。生産管理事務に携わる場合には、生産システムの役割や機能を理解していることが望ましいでしょう。
オフィスワークは人気の仕事の一つですが、工場事務は一般企業の事務仕事とは異なる特徴がいくつもあります。その中でも大変だと感じられやすい、仕事内容のポイントを見ていきましょう。
工場の場合、一般企業や他の職種と比べて始業時間が早くなる傾向があります。早起きが苦にならない人にとっては特に苦痛にもなりませんが、始業時間があまりに早いと家を出る時間も考慮して、睡眠・起床時間が大きく左右されるでしょう。特に早起きが苦手な人にとっては、出勤時につらさを感じるかもしれません。
また、工場の稼働状況に合わせて始業時間が変化することもあります。早く始まればその分だけ終業時間も早まりますが、始業・終業のリズムが一定ではないため、生活リズムがずれやすいことに苦痛を感じる人もいるでしょう。特に24時間稼働している工場での勤務では、機械トラブルや繁忙期などによって始業時間が変更になることも珍しくありません。
一般事務とは違い、工場事務では単なるルーチンワークではなく、現場の状況を把握して動く必要があります。つまりタスク管理スキルが求められる仕事であり、自分にまかされた事務作業と並行して工場そのものの現場に目を配らなくてはなりません。必要に応じて実際に現場に赴くこともあり、外部からの来客があれば窓口対応を求められます。
繁忙期には事務作業から離れて、機械の洗浄や梱包、荷物運びといった軽作業を任されることもあるため、臨機応変に動くことが苦手な人には大変な仕事かもしれません。毎日いろいろな人と会話をして必要な対応を考える必要もあり、人とのコミュニケーションが苦手な人にも向いていない仕事と言えるでしょう。
工場には大きな敷地が必要なうえ、稼働中の煙や音などを周辺環境に配慮する必要があることから、郊外の広い土地に建てられるケースがほとんどです。そのため駅から離れていたり、車が必要な立地だったりと交通の便が悪いことが珍しくありません。工場近辺に住んでいる人や、車を持っている人にとっては壁にはなりませんが、離れた場所に住んでいる人だと通勤だけで大変な思いをするでしょう。
特に工場は始業時間が早くなることが多いため、通勤手段を考えると予想以上に早起きする必要もあります。求人を探す際には、工場の最寄り駅やアクセス方法をチェックするといいでしょう。
工場事務は一般事務とは異なる特徴が多く、人によって向き・不向きがあります。工場事務の仕事に向いているのは、以下のような特徴を持っている人です。
工場事務の仕事では、工場内スタッフはもちろん、外部からの来客などさまざまな人とコミュニケーションを交わす場面が多くあります。そのため人とコミュニケーションを取るのが好きな人や、人見知りをしづらい人だと仕事も苦痛に感じることは少ないでしょう。むしろコミュニケーションが得意な人ほど周りと情報や意見をたくさん交換し、よりスムーズに工場事務の仕事をこなしていけるはずです。
特に工場では繁忙期や稼働中の機械トラブルがつきものですから、タイミングに合わせて臨機応変に立ち回ることが必要です。イレギュラーな対応を迫られることもありますが、コミュニケーションの得意な人であれば周りの人と相談し合って柔軟に対処できるでしょう。上司や部下、先輩・後輩、取引先の方など…どんな人にでも親切に対応できる人は工場事務に向いています。
単なる事務作業の繰り返しではなく、電話応対や来客対応など、さまざまな人と接する機会が多くあります。工場の窓口としての役割を任されるわけですから、相手に失礼のないビジネスマナーが必要な場面は少なくありません。敬語の使い方や電話での応対方法、メールの書き方など……一般的とされるビジネスマナーを持っている人のほうがスムーズに仕事をこなせるでしょう。
工場事務を含め多くの事務職では「経験不問」という条件も見られますが、事務職や営業職などの経験を持っている人のほうが優遇される可能性があります。人気の高い工場の事務職であればあるほど、外部の人と接する機会が多いためビジネスマナーが不可欠です。
工場事務の仕事は、一般事務と違って単調なルーチンワークの繰り返しではありません。自分の事務作業をこなしながら、周りの状況を見ていつでも柔軟な対応を考え、実行する必要があります。忙しいときには工場内の簡単な作業を任せられることもありますから、事務作業以外の仕事もするつもりで柔軟な対応力を持っている人は工場事務に向いているでしょう。
さまざまな業務を効率よく進めることが好き、もしくは得意という人であれば、活躍できるシーンも多くあります。在庫管理や発注処理といった事務作業も、常に工場内の状況を考えながらこなす必要があるため、俯瞰的な視点を持って立ち回れる人に向いています。ごみの分別や工場備品の管理といった、デスクワーク以外のイレギュラー対応も工場事務にはよくあることです。
工場事務は製造業をサポートする重要な仕事ですから、ものづくりや製造業に興味がある人にとって、大きなやりがいを感じられます。工場で働く一員として、間接的ではありますがものづくりに携わることができるため、一般事務とは違う発見や楽しさを得られるでしょう。一般企業でのオフィスワークではなく、クリエイティブな仕事に携わってみたいと考える人に向いています。
工場見学が好きな人や、ものづくりに関心を持っている人はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。直接工場内作業に加わることはありませんが、工場で働くスタッフや職人たちをサポートする形で、製造業界を支える手ごたえが感じられるでしょう。
工場事務の求人は、勤める工場によって内容や募集要項が大きく異なります。もし工場事務の仕事に興味がある人は、求人情報をしっかりチェックしてみましょう。もちろん製造業での仕事は工場事務以外にもたくさん求められています。製造業の就職に興味がある人は、若手や女性も活躍できる求人が充実の「はたらくヨロコビ」をチェックしてみてください。
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