必要だから安定している溶接の仕事!幅広い分野で活躍できる
溶接とは、熱や圧力、電気やレーザーなどによって金属をつなぎ合わせる加工です。私たちの周りでは、船や車、電車、建設部品、電気製品などさまざまな物が溶接加工で作られています。今回は、溶接業界の動向、加工方法や職場環境などについて解説します。
溶接の歴史はとても古く、昔は火で金属を溶かしてつなぎ合わせていました。今では、火だけでなく、圧力や電気、レーザーなどを使って金属を溶かすようになっています。世の中から金属を使っている機械や製品がなくなることはないため、溶接の仕事は今後もずっと残り続けます。
近年、溶接は、ロボットを使った自動化が進んでいますが、製品によっては手作業で溶接するため、溶接工の仕事はたくさんあります。また、今後自動化が進んでも、図面の読み取り、機械の段取り、設定などは人が実施します。そのため、実際に溶接の仕事をしたことがあって、知識や技術を持っている人が求められます。
また、溶接業界は海外の人材を採用するケースも増えてきています。海外の人材に指導しなければならないため、実務の経験や資格を持っている人は広く活躍できる機会があります。
溶接はいくつも種類がありますが、大きく分けると、融接、圧接、ろう接に分けられます。融接とは、金属に熱をあたえて溶かしてつなぎ合わせる方法です。圧接は、金属に圧力をあたえてつなぎ合わせます。ろう接は接着剤のイメージです。接着剤の役割を果たす材料を溶かして金属をつなぎ合わせます。
主な溶接方法を以下の表にまとめます。
融接 | アーク溶接 | MAG、MIG、TIG、プラズマ、CO2溶接 |
レーザー溶接 | ||
電子ビーム溶接 | ||
プラズマアーク溶接 | ||
ガス溶接 | ||
圧接 | 抵抗溶接 | スポット、プロジェクション、シーム |
ろう接 | ろう付け |
溶接に関連する資格もたくさんの種類がありますが、まずはアーク溶接やガス溶接の資格を取る人が多いです。くわしくは、「溶接の資格はたくさん。どんな種類があるの?」にまとめてあります。
アーク溶接は最もメジャーな溶接方法です。アーク溶接に関する資格はいくつかあり、「アーク溶接に必要な資格は?どんな人が取るの?資格があるとできる業務って?」にまとめてあります。
TIG溶接や、レーザー溶接などは自動化がどんどん進んでいますが、ろう付けは手作業なので技術力が必要です。ろう付けの技術、知識を身につけることができる資格があります。詳しくは「銀ろう付け技能者資格って役に立つ資格?取得難易度は?どんな問題がでる?などを解説!」をご覧ください。
職場や製品によって溶接方法は違います。また、資格が必要な場合もあるので、求人情報などで確認しましょう。
溶接の仕事は、建設会社、自動車会社や修理業者、電気機器製造業など大企業から中小企業までさまざまな会社であります。自動車修理業であれば全国どこでも仕事できます。また、工業地帯であれば大手の工場で働くチャンスがあります。
溶接は、男女ともにできますが、近年は女性の活躍が注目されています。「一般社団法人 日本溶接協会」のホームページには、溶接女子会というコンテンツがあり、現場で活躍する女性を紹介しています。
職場の環境は会社によりますが、冷暖房完備、屋内で作業できます。手作業であっても、自動機の操作であっても立ち仕事が多いです。自動機であれば高い技術を求められることはあまりありません。一方、手作業では、自分の溶接技術をアピールできるチャンスです。腕のいい技術者は若くても評価されます。
溶接のチカチカしている光は直接見ると目に良くありません。保護具を必ずつけましょう。また、溶接ヒュームという粉じんが発生しますが、換気をきちんとするように法律で決められており、安全性も考慮されています。
溶接はものづくりが好きで、こだわりがある人に向いています。溶接の仕上がりは、気温や部品の形状などで変わってきます。そのため、細かい部分にまで気を使わなければなりません。出来上がりの検査も細かく見るため、もくもくと作業できる人に合っている仕事です。
力仕事というわけではないですが、立ち仕事が多いので、体をある程度動かすのが好きな人に向いています。腕力が必要というわけでなく、正確に機械を扱うことが求められており、女性も活躍できます。また、会社によっては資格手当が支給されるため、資格を取得してステップアップしたい人にも向いています。
溶接はロボットなどを使って自動化が進んでいますが、ロボットを扱う人が必要であったり、手作業の溶接もまだまだ残っていたりと今後も需要がある仕事で安定しています。
興味を持った方はまずはアーク溶接から学んでいくといいでしょう。気になる方は求人情報などを確認してみてください。
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