2021.03.23

需要が安定している組み立て、組み付けの仕事!さまざまな企業で働ける

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はじめに

私たちの身の回りのさまざまなものは工場で作られています。工場ではたくさんの作業者が製品の組み立て、組み付けをしています。私たちがよく使うスマートフォンやテレビ、自動車や家電製品など、例をあげたらきりがありません。今回は、工場の組み立て、組み付けの仕事内容や方式、役に立つ資格などを紹介します。

自動車、家電など多くの企業で組み立ての仕事がある
組み立てと組み付けの違い

組み立てとは、部品を組み合わせて、機械を構成するユニットや部品などを作ることです。組み付けとは、組み立てたユニットや部品を本体に付けることです。自動車を例にすると、ドア部の外装や内装、ボタンなどを付けることを組み立て、そのドアを車体に付けることを組み付けといいます。

組み立て、組み付けの仕事をする企業

組み立て、組み付けをする代表的な業種を紹介します。

精密機器メーカー スマホ、パソコン、カメラ、医療機器、半導体など 比較的小さい
電気機器メーカー 家電、コピー機、プリンタなど 部品数が多いがそこまで大きくない
自動車メーカー 自動車、トラックなど 部品数が多く、大きい。機械を使って組み立て、組み付けをすることもある。
産業機械メーカー 工作機械、農業用機械など 大型。機械を使って組み立て、組み付けをする。
組み立て作業は軽いものと重いもので雰囲気が違う
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組み立て、組み付けの仕事は、どのような製品をあつかうかによって内容が少し違います。

精密機器、電気機器

精密機器、電気機器は、スマホやパソコン、カメラや半導体などのように小さくて、一つ一つの部品が軽いです。大量に生産するためライン生産方式が用いられる場合が多いです。ネジ締めやシール材の貼り付けなどの細かい作業も行います。また、電子基板を組み立てる場合には、はんだを使うこともあります。
半導体などのとても小さな部品の組み立てをする際には、専用の機械が自動で組み立てることになり、作業者は機械の操作をします。
ほこりが入ってしまうと機能しなくなってしまう部品を組み立てるときは、作業者はクリーンルームで仕事をします。
男女ともに働いていて、会社によっては女性のほうが比率が高い職場もあります。

自動車、産業機械

自動車、産業機械は大きくて重い製品が多くなります。製品を構成する部品一つ一つが大きいため持ち運んだりするのに力が必要で、複数人で組み立てることもめずらしくありません。重い部品を持ち上げたりするとケガをするリスクがあるので、ロボットや補助機械で部品を持ち上げたりもします。そのような場合は、固定のためのボルト締めなどを作業者が行います。

2つの組み立て方式。ライン生産とセル生産

工場での生産方法は、主にライン生産方式とセル生産方式があります。それぞれ特徴を紹介します。

ライン生産方式

ライン生産方式は、製品の組み立てを複数の作業者が流れ作業で行います。ベルトコンベアや、移動ステージなどで組み立て前の製品が各作業者に届けられます。作業者は、自分の担当する場所だけ組み立て、組み付けをします。そして、次の工程に流します。
ライン生産方式は大量生産に向いています。ライン生産方式のメリットは、生産コストを下げられることです。流れ作業で組み立てていくので効率が良く、短時間で多くの製品を生産できます。一方で、単調な作業の繰り返しになるため従業員のモチベーションが低下したり、飽きてしまうなどのデメリットがあります。

セル生産方式

セル生産方式は、U字型や円形型に組まれた設備や棚の中に製品を置いて、一人または少数の作業者が完成まで組み立てていく方法です。一人の作業者が担当する部品数が多くなるので、作業手順を覚えにくい場合があります。そのため、手順を説明するモニターを設置したり、次に組み立てる部品の箱が光ったりするなど、作業者の補助をする工夫がされています。
セル生産方式は、受注生産などの少量多品種の製品に向いています。メリットは、作業の種類が多いので作業者の飽きがこない、技術力がアップする、製品の中身を見て構造を知れるなどです。デメリットは、一人一人の作業量が多くなるので教育に時間がかかることや、途中で辞められると次の人が作業できるようになるまで、ほかの人がカバーしないといけないことなどです。

資格でスキルアップを狙え!組み立ての仕事に役立つ資格
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組み立て、組み付けの仕事は未経験で特別な資格を持っていなくてもできます。ですが、ステップアップ、スキルアップのために関連する資格を持っておいて損はないでしょう。いくつか関連する資格を紹介します。

〇電気機器組立て技能士
技能検定の一つで、特級、1級、2級、3級があります。モーターや発電機、変圧器などの産業用機器の組み立て方法、検査方法、構成などを学べます。

〇機械保全技能士
技能検定の一つで、特級、1級、2級、3級があります。機械が正常な動作を維持するためのメンテナンスの知識を学べます。工場には組み立てに使う機械もあるので、資格を持っているとメンテナンスを任されるなど、ステップアップに繋がります。

〇機械検査技能士
機械部品の検査方法、ノギス、マイクロメーターなどの測定器の使用方法を学べます。組み立てをする工場には検査の仕事もあるので、仕事の幅を広げることに繋がるでしょう。

〇フォークリフト
フォークリフトの資格は、直接組み立てに役に立つわけありません。ですが、工場では部品やユニットを運ぶ仕事があり、資格を持っていると任されることもあります。

まとめ

組み立て、組み付けの仕事はさまざまな業界で必要とされています。製造業が盛んな日本では安定して長く働けるでしょう。業界によって多少の雰囲気の違いがあり、電気機器、精密機器では細かな作業が多く、自動車、産業機械は機械を使って大きな製品を組み立てます。どちらの業界も求人はあるので、みなさんの興味に合わせて業界を選んでいくといいでしょう。