世界でもトップのプレス加工技術!プレス製品は世の中のさまざまな場所で大活躍
私たちの身の回りには、家電製品や電子機器、自動車といったさまざまな製品が大量にあります。同じ形の商品が大量に売られているのも、めずらしくありません。同じ形のものを作る技術の一つに「プレス加工」という方法があります。
今回の記事では、プレス加工の仕事内容や、プレス加工が行われる環境、プレス加工に向いている人などについてくわしく解説します。
プレス加工は機械で材料に高い圧力をかけて、材料の形を曲げたり、切ったり、絞ったりし、機械のパーツや製品そのものを作る仕事です。材料は金属の板がメインですが、繊維や紙、プラスチックなどさまざまです。
プレス加工の特徴は、複雑な形状であっても、速く、高い精度で加工できる点です。そのため、プレス加工はパソコンの外装や金属製のポストなど、私たちの身の回りのさまざまな場所に使われています。
プレス加工は世界中で行われていますが、日本のプレス加工は世界最高峰の技術をもっています。高いプレス加工技術で生み出された品質の高い部品が、自動車や家電製品などの高い品質を支えています。
プレス加工は金属や繊維などの材料を加工し、決められた形に成型する仕事です。その工程は大きく3つに分けられます。
1つ目の作業は材料を金型にセットすることです。単発のプレス加工では人手で材料をセットします。2つ目の作業はプレス機械を動かす作業です。スイッチを両手で押して、材料に圧力をかけて加工します。3つ目が仕上げ加工です。一般的には研磨を行い、表面をきれいにします。工場によっては、塗装やメッキ処理まで行うケースもあります。
プレス加工で作られる部品はさまざまな製品に使用されています。プレス加工で作られる部品も、数mを超えるサイズのものから数mmほどの小さな部品まで幅広くあります。
数mを超える部品には、自動車のパーツがあげられます。自動車の車体や車のドアなど、なめらかで複雑な曲面をもった部品がプレス加工により作られています。家庭の中では、冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの本体のカバーや内部の骨組みもプレス加工で作られています。
一方で交通カードのICチップや、カメラの小型部品などもプレス加工で製造しています。直径1mm以下の針金や、薄さ0.02mmといった髪の毛の太さより薄い金属をプレス加工することさえあるのです。
プレス工場に限りませんが、工場では安全第一です。プレス加工では何トンもの力が発生する機械を使用するため、少しの不注意が大けがにつながってしまいます。また大きな部品を作る場合には、材料も重くなりますので、もしも材料を足の上に落としてしまったら大変です。このようなけがをしないためにも、機械の安全設計や安全靴の着用など、ハード面、ソフト面、両方から安全対策が行われています。
作業環境は基本的に屋内です。冷暖房が完備されていることが多く、快適に働けます。一方でプレス加工は大きな力をかけて金属を変形させるため、大きな音がする場合もあります。耳せんをしながら作業する現場もあります。騒音が苦手な人は、大きな部品を作る現場では注意が必要かもしれません。
プレス加工は、金型に素材をセットしボタンを押す作業内容のため、未経験でもはじめやすい仕事です。そのため男女性別問わず、プレス機械の経験がない人や製造業の勤務がはじめてという人でも安心して取り組めます。
さらに、初心者には、先輩からの教育やマニュアルも完備されており、安心して働けます。また、他の作業員と連携して仕事をする場面は少ないので、一人で黙々と作業したい人には向いています。
プレス加工に難しい作業はありません。未経験でも男女問わず活躍できる仕事です。
プレス加工は、単純な作業の繰り返しであっても、緊張感をもちながら取り組める人に向いています。少しの気のゆるみがけがにつながるため、集中力が欠かせません。そのため、飽きっぽい人には少しつらい仕事になってしまうかもしれません。
自動車の部品や車体など大きなパーツを扱う現場では、材料を持ち運ぶ筋力も必要です。しかし、電子部品やカメラのパーツなど小物部品を扱う工場は、重い材料を運ぶことも少ないため、力作業に自信のない方や女性も活躍しやすくなります。
また、ものづくりが好きな人もプレス加工の職場に向いています。プレス機を操作してみたい、機械が好きな人は楽しみながら働けます。
プレスの金型交換は、プレス金型取替作業者やプレス機械作業主任者といった資格が必要です。これらの資格をもっていると仕事の幅が広がります。さらに、金属プレス加工技能士は、プレス加工の専門家とみなされ、工場では大きな戦力として期待されるでしょう。
プレス加工の仕事内容や仕事の環境、プレス加工の仕事に向いている人、などについて解説してきました。
プレス加工は自動車や家電をはじめ電子機器や精密機械など身の回りの機械を作るためには欠かせない技術です。そのため今後も安定した需要が見込まれます。日本のものづくりを支えるプレス加工に挑戦してみてはいかがでしょうか?