自然の素材を相手にする仕事!木材、木製品業界について解説!
木は人間がかかわってきた材料として、最も古い材料のひとつです。プラスチックや金属があるなかで、木は今でも私たちの身の回りに多くあり、それにかかわる業種もさまざまなものがあります。
今回の記事では、木材、木製品業界での仕事について紹介します。
木材、木製品業界は自然の素材である木を使って、さまざまな製品を作る業界です。まず、山から伐採してきたり、海外から輸入してきた材木を加工し、寸法がそろった使いやすい形状に仕上げます。この加工のことを製材といいます。こうした従来の木材に加え、近年では森林の間引きなどで出た廃材や木材のくずなどを使った新素材も誕生しています。
経済産業省の発表している2019年度の工業統計を見ると、木材、木製品(家具業界を含む)の売り上げ規模は1.1兆円ほどです。近年は減少傾向が続いています。後継者がいなかったり、中国や東南アジアといった国からの輸入品の品質が向上したことで、国内業界が影響を受けているのです。
日本の住宅には、高温多湿な気候や地震などにも強いことが求められます。このため現代でもそれらに対応できる木材が多用されており、これからもなくなることはありません。さらにプラスチックや金属にはない、自然のぬくもりをプレミアムな価値として活かした家具や小物も多くあります。
山林を多くかかえる日本ならではの環境や、高度な技術による品質の高い製品によって、木材、木製品業界は今後も必要とされる業界です。
木材を扱う職種にはいろいろなものがあります。代表的なものとしては、製材業、建築資材製造業、家具製造業などがあります。
製材業では、材木を大きな帯ノコなどを使って、使いやすい板などに製材を行います。近年では、大きな工場に集約される流れにあります。また、合板(薄くした木材を木目がそれぞれ直角になるように貼りあわせ、そりにくくした板材)や集成材(ムク材にある節や割れを取り除き、それらをつなぎ合わせて作った木材)を作る職種もあります。
木製品の代表ともいえる家具は、大量生産を行っている大きなメーカーと、手作りなどを売りにした中小メーカーに分かれます。
大きなメーカーは、大がかりでコンピュータ制御も使った加工機などを使用して、効率よくまとまった数の製品を作ります。ラインともいえる形式で、決められた工程を中心に担当することも多いです。
中小メーカーは、品質やデザイン性を重んじた製品を小型の木工機械(昇降盤やかんな盤など)や手道具(のみやかんななど)を使って作ります。全ての工程を一人で担当することもあります。加工だけではなく、接着や塗装、出荷といった業務もあります。
製材業などは、森林資源の近くや輸入された材木が持ち込まれる港の近くで事業を行っていることが多いです。大きな材木を扱うこともあり、以前は安全面や体力面でハードルが高いイメージもありましたが、最近では自動化などが進んで改善してきています。
木製品製造業などは、森林資源の近くはもちろん、全国にあります。大きなメーカーの場合は、自動化なども進んでおり、安全面でも考慮されている職場が多いです。中小メーカーの場合は、デザインや質感が重んじられることもあり、女性も多く活躍しています。
ただ、木工機械は使いかたを誤るとケガにつながる危険も高いです。安全に関する知識を身につけるため、あらかじめ職業訓練校で学んだり、職場でしっかり教えてもらったりすることが大切です。
会社によっては、寮や退職金制度などを用意しているところもあります。求人を調べてみるといいでしょう。
木材、木製品業界は職種も幅広く、さまざまな人が働いており、多くの女性も活躍しています。なかでも木製品製造業は、高いデザイン性や質感を重んじた製品づくりに携わることもできます。DIYなどをやったことがあり、自然の素材である木と向き合うことが好きな人には向いています。
製材業や家具メーカーなどでは、大きな材木などを扱うこともあり、フォークリフトやクレーン、玉掛けの免許を持っていると歓迎されます。また木工機械に関する資格として、機械木工技能士や家具製作技能士などもあり、それらを取得するチャンスもあります。
職業訓練校には木工コースを開いているところもあります。手道具の使いかたや研ぎかた、木工機械の安全な使いかたなどを教えてくれます。この業界に興味がある方は相談してみるのもいいでしょう。
木材、木製品業界での仕事の種類や向いている人、職場環境などについて見てきました。
木を相手にした職業は、これから大きく増えることはないものの、私たちの身の回りの生活を支える仕事として残っていくと考えられます。
自然の素材と向き合って、こつこつ仕事をしてみたい方は、検討してみませんか?
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