歌が好きで、5歳から 「歌手」を仕事にしたかった。
ー社会人としてのデビューはいつですか?
中学2年の時にオーディションに受かって、高校1年生の15歳の時に「歌手」として社会人デビューしました。早いですね(笑)。
もともと歌が好きで、5歳の頃には歌手になろうと決めていました。小学校4年生になった頃から、オーディションを受け始めていましたね。毎月オーディション雑誌を買って、歌のコンテストを受けたり、路上ライブをしたり、いろいろなことにチャレンジしていました。
直接のデビューのきっかけになったのは「全日本アニソングランプリ」というオーデイションでグランプリをいただいたことなのですが、このオーディションは2回目の挑戦で、前年は書類審査で落ちていたんですよ。本当に悔しくて。絶対に来年もう一度受けよう!と気合を入れてオーディションに臨みました。グランプリをいただけて、ものすごくうれしかったことを覚えています。
ー「歌手」を仕事にして、良かったことは?
私は歌うことが大好きなので、ライブをやっている瞬間に幸せを感じます。自分の歌を待っててくれる人が目の前にたくさんいて、一緒に盛り上がったり、涙を流したりしてくれることが、とにかくうれしいです。
「歌手」という仕事は、やったことに対する反応がとてもわかりやすい職業だと思います。CDを出すと、ファンの方からコメントをすぐにもらえますし、「この1曲で人生が変わりました」と言っていただくこともあります。人に大きな影響を与えられる素晴らしい仕事だと思うと、仕事に対するモチベーションも上がります。
また、年々、ファンの方はもちろん、スタッフも増えてきました。最初は「歌が好き」というだけで始めた仕事ですが、関わる人の数が増えてくると、周りの人のために頑張ろう、と思えることも、この仕事の良いところですね。
ーでは逆に、つらいことや苦しいことはありますか?どうやってそれを乗り越えていますか?
関わる人が増えてくると、周囲の人たちの期待に応えたい、いろいろな人の思いを背負って歌っている、という気持ちが強くなります。そうなると、自分はいったい何のために歌っているんだろう?と自分がわからなくなる瞬間がありますね。
自分が伝えたい思いを乗せて歌いますが、突き詰めて考えすぎて、その伝えたいことがわからなくなることもあります。それで悩み続けるわけですが、乗り越えるには、歌い続けるしかありません。悩んで悩んで、必死にもがいているうちに、ある日突然解放される、ということの繰り返しです。
でも逆に、悩みや葛藤がないと、いい歌は歌えない、とも思います。葛藤があるからこそ、歌ってファンの皆さんが喜んでくれたとき、歌の楽しさや歌が持つ力を改めて感じることができます。
「進化し続けるアニソンシンガー」に ふさわしい歌手でありたい。
ー仕事をする上で、鈴木さんにとってターニングポイントになったのは?
19歳からの1年は、仕事でも私生活でも大きな変化があった年で、私にとってのターニングポイントになりました。
まず、それまで学業と仕事を両立して、週末のたびに大阪から東京に来ていたのですが、19歳の時に仕事に専念するために学業を断って、ひとりで上京してきたんです。それまで、兄が2人いたので、常に誰かが家にいるにぎやかな家庭で(笑)。ワイワイと暮らしてきたので、初めてのひとり暮らしは本当に不安でした。
仕事でも、1年でワンマンライブを20本やると目標を立てたので、体力的にも大変でしたね。
悲しいことや悔しいことが立て続けに起きていたのですが、仕事に専念するからと退路を断って上京してきてしまったので、親にも泣き言は言えませんでした。電話をしたら言ってしまいそうなので、ほぼ電話もしませんでしたね。悪い方向には行ってない、いつも良い方向に進んでいると思ってもらいたい、という意地がありました。
ですが、この1年で学んだのは、つらいことや悲しいことが起こっても、それと同じくらいのバランスでうれしいことや楽しいことが起こる、ということです。つらいことが起こっても、悲観的になる必要はない、と思えるようになりました。不安でいっぱいの1年を乗り越えられたことで、歌のためなら自分は頑張れる、だから歌手としてやっていける、という自信も付きました。
ー他に、これまで印象に残っている仕事はありますか?
日本のアニメは海外でも人気なので、私も海外に行くことが多く、そこでのファンの方たちの反応が国ごとに違って、毎回新鮮に感じています。
例えば、台湾での公演回数は特に多いのですが、ファンの方がサプライズを用意して待ってくれているんですよ。例えば、新曲を歌いだしたら、あらかじめ用意した似顔絵付きのうちわで盛り上げてくれたり、曲のイメージカラーでリングライトを揃えてくれたり、いつもビックリさせられています(笑)。
チリに行った時は、私の曲のコピーバンドをしている、というファンの方がライブに来てくれました。海外にもアニメを通して私の歌が届いていることがわかって、ジーンと感動してしまいました。
ー仕事をしていく上で、大切にしていることは?
15歳でデビューしたとき、「進化し続けるアニソンシンガー」というキャッチコピーを付けてもらいました。このキャッチコピーにふさわしい歌手でありたい、との思いはずっと持ち続けていて、常に変わり続ける姿をお見せすることを、大切にしています。
デビューした15歳の頃とは、環境も、考えることも、どんどん変わってきていますが、それを押さえつけることなく、変わっていく自分自身を出していきたいと思っています。
ーもし、歌手から「転職」するとしたら、どんな職業になりたいと思いますか?
転職ですか!?うーん、5歳からこの仕事に就く!と決めて、今もその気持ちはまったく変わっていないので、転職するイメージができないですね。「歌手になってなかったら、何になりたかったですか?」というような質問を受けることもあるのですが、それもまったく思い浮かばないくらい、歌手という仕事が好きです。
デビュー10周年の来年は、 武道館ライブが目標。
ー2020年に声帯結節の手術をされていますが、手術前と後で変わったことはありますか?
手術前は、4年ほど声帯結節を持ったまま歌っていたので、1日歌うと、1週間くらいベストの声が戻ってこないこともあり、思うように仕事ができない状況でした。だから、手術をしたら、仕事の状況がガラッと変わりましたね。やりたい仕事があれば、躊躇なく「やります!」と言えることが、すごくうれしいです。
ただ、仕事をセーブせずにできるようになった分、追われて仕事をするのはやめよう、と心がけています。ただひたすら仕事をこなすだけ、という状況にならないように、しっかり準備できるかどうかを考えながら仕事を受けるようにしています。たくさん歌えるようになったからこそ、気をつけたいです。
ー今後、やってみたい仕事はありますか?
他のシンガーのレコーディングをディレクションしてみたいです!
私はレコーディングが好きなんですよ。レコーディングでは私自身も自分の思いを話すのですが、スタッフと一緒に意見を出し合いながら、いろいろと実験をするかのようにひとつの作品を作り上げていくプロセスが好きなんです。いつも歌う側として参加しているので、歌を客観的に聞いてあれこれと意見を言う立場になりたいです(笑)。
あと、来年にデビュー10周年を迎えるのですが、10周年の年には武道館でライブをやりたいという目標を掲げています。武道館という景色を見てみたいですし、応援してくれている方たちへ恩返しをしたい。9年目の今年は、そのための準備をしっかりやる年にしたいです。
ーでは逆に、今後の仕事に不安を感じることはありますか?
この仕事は、本当に競争社会だと思います。最近では、声優さんでもアニソンを歌う人が多くなりましたし、上手な人もたくさんいます。そもそも声もとっても良いですし(笑)。
そんな中で、自分はどう勝負していくのか?どうすれば生き残っていけるのか?と考えますが、不安というよりも考えることが楽しいですね。歌手以上に自分に向いている仕事はないと思っているので、必死に食らいついていきますよ。やっぱり歌うことが好きなので、大変なことも不安なこともありますが、根本的には楽しくやっています。ここまで好きなことを見つけられた私は、すごく恵まれていると思います。
自分を好きになれることが、働く喜び
ー鈴木さんにとって、働く喜びとは?
私は、家でダラダラしている自分より、働いている自分が好きです。特にライブで歌っているときの自分は、すべてから解放されていて、すごく好き。だから、私にとっての「はたらくヨロコビ」とは、自分を好きになれること、でしょうか。好きな自分になれることが、喜びです。
ーありがとうございました!最後に、転職を考えている人にメッセージをお願いします。
親やスタッフなど、人生の先輩の姿を見ていると、人生の中で働く時間はとても長いと感じています。だからこそ、働いている自分を好きでいることは、とても大事なことだと思います。
もし、今の環境で働いている自分をあまり好きになれないなら、環境を変えるために転職をすることは、自分をもっと好きになるための選択肢のひとつだと思います。どの道を選んでも、そこで頑張れば、後から自分でその選択を「正解だった」と振り返ることができますよね。環境を変えたほうが良いと思ったら、その気持ちに素直になって、新たな場で頑張ろうと決めることは、素敵なことだと思います。
私も歌うことが好き!という気持ちに素直に、これからも仕事をしていきます。一緒に頑張っていきましょう!
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鈴木 このみすずき このみ
アニソンシンガー
1996年11月5日生まれ、大阪府出身。
2011年、第5回全日本アニソングランプリ決勝大会でグランプリを獲得し、翌2012年に「CHOIR JAIL」で15歳でデビュー。
TVアニメ「ノーゲーム・ノーライフ」オープニングテーマ「This game」、TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」のオープニングテーマ「Redo」など多くのTVアニメ主題歌を担当。
2018年4月~放送のTVアニメ「LOST SONG」では、声優田村ゆかりとW主演声優を務め、オープニング主題歌「歌えばそこに君がいるから」も歌唱。
2016年より4年連続Asia Tourも開催。上海、シンセン、香港、台湾、フィリピンにてワンマンライブを行う。
2020年夏クール放送のTVアニメ「デカダンス」のオープニングテーマ「Theater of Life」、TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」2nd seasonオープニングテーマ「Realize」、TVアニメ「恋とプロデューサー~EVOL×LOVE~」のエンディングテーマ「舞い降りてきた雪」のトリプルタイアップを獲得し鈴木このみ初のシングル3ヵ月連続リリースを行う。