ものづくりの仕事とは?主な業種や仕事内容をご紹介。ものづくりの求人傾向ついても解説!
ものづくりは、製品を生み出し、形にする仕事です。製造系、職人系、芸術系、IT系など、さまざまな業界がものづくりに携わっています。力仕事が多いイメージをもつ方もいますが、最近では女性が活躍できる仕事も多数存在します。この記事では、ものづくりの仕事の種類や仕事内容、求められる素質や能力について解説していきます。ものづくりに興味がある人や、ものづくりへの転職を考えている方は、最後までチェックしてみてください。
【目次】
■ものづくりとはどんな仕事?
・製造系
・土木・建築系
・職人系
・芸術系
・IT系
■ものづくりの仕事内容
・研究・開発
・設計
・製造・加工
・品質管理
・マーケティング・営業
・販売・サポート
■ものづくりの仕事に関係する資格は?
・特別教育
・技能講習
・免許(民間資格/国家資格)
■ものづくりに関する求人の傾向
ものづくりとは、製品(もの)を作る仕事のことを指します。さまざまな業種がものづくりに関わっており、製造系、職人系、芸術系、IT系など多岐にわたる業界があります。
人材を育てる方針の企業が多く、企業側は意欲やポテンシャルを重視する傾向が強いのが特徴です。そのため、未経験者でも採用されるチャンスがあります。また、ものづくりの仕事は力仕事が多いイメージをもつ方もいますが、近年では検品や梱包、機械のオペレーターなど、女性も活躍できる仕事が増えています。能力や意欲に応じて女性が幅広い分野で活躍できるのが、ものづくりの魅力です。製品設計や品質管理など、細心の注意力をもつ人や計画性に富んだ方が特に重宝されています。
ものづくりについてのイメージが膨らむよう、仕事の種類を5つピックアップしました。
・製造系
・土木・建築系
・職人系
・芸術系
・IT系
順番に解説します。ものづくりの仕事を正しく理解して、仕事探しに活かしましょう。
製造系のものづくりは、さまざまな業種が含まれています。金属加工や機械設計、食品製造、木造加工、日用品製造などがその一例です。金属加工では、自動車や航空機の部品、工作機械などが製造されます。機械設計では、ロボットや生産設備などの設計が行われます。食品製造では、食品加工やパッケージングなどが業務領域です。日用品製造では、家電製品や生活用品が製造されます。日常的に目にする製品から、私たちが普段利用する機会がない製品まで、製造系のものづくりでは多くの製品を作っています。
製造業の仕事には、企画や研究、営業、生産管理などさまざまな業務が存在します。また、製品の開発や生産計画の立案、品質管理、工程管理など、製造プロセス全体を管理する仕事もあります。製造系のものづくりは、製品を創り出す過程において、自分のアイデアや専門知識を活かせる点が醍醐味です。
土木・建築系のものづくりは、建物や構造物の設計や施工に携わります。建築士や土木技術者などが関与し、建物の計画、設計、施工、監理などの業務が含まれます。建築の仕事では、住宅、商業施設、公共施設、橋、トンネルなど、さまざまなプロジェクトに携わることができます。
土木・建築系のものづくりの魅力は、自分の手で実際に建物を造り上げることができる点です。建物が完成したときには、達成感や喜びを感じられます。また、街の景観や人々の生活に直接影響を与える仕事であるため、社会貢献度の高い仕事としても魅力的です。
職人系のものづくりは、手作業で製品を作り上げる仕事を指します。例えば、陶芸家や家具職人、パティシエなどが職人系の代表的な職業です。陶芸家は、粘土を使って美しい陶器を作り出し、家具職人は木材を創造的に組み合わせて家具を製作します。また、パティシエは食材を使って美味しいケーキやスイーツを作り上げます。
職人系のものづくりの魅力は、なんといっても自分の技術と創造力を活かして独自の製品を生み出せる点です。手仕事のため、製品には職人の個性や技術が反映されます。そのため、作る製品は世界に1つだけの価値を持ちます。また、製品を通じてお客様に喜びや感動を提供することも職人系のものづくりの魅力です。
芸術系のものづくりは、クリエイティブなアイデアを出し、それを形にする仕事です。イラストレーターやデザイナーなどが芸術系に含まれます。イラストレーターは絵やグラフィックを制作し、デザイナーは広告やパッケージ、ウェブデザインなどを手がけます。
芸術系のものづくりの魅力は、自分の創造力や感性をフルに活かせる点です。社会の課題に取り組んだり、デザインを通じて人を笑顔にしたりできるのがデザイナーです。クリエイティブなアイデアを形にすることで、世の中に新しい価値を提供できます。また、芸術系のものづくりは常に新しいトレンドや技術の変化に触れられるため、自己成長の機会も豊富です。
IT系のものづくりは、コンピューターやプログラミング言語を使って製品を作り上げる仕事です。ソフトウェア開発やWebデザインなどが含まれます。IT系は一見、ものづくりとは思えないかもしれません。しかし、プログラムを作ったり、Webサイトを作ったりと、「製品を作る」点で、ものづくりといえます。
IT系のものづくりの魅力は、プログラミング言語やIT技術を駆使して革新的な製品を生み出せる点にあります。コンピューターの力を借りて、新しいサービスやIT技術を開発し、多くの人々に利益や便利さを提供できます。ITの可能性を最大化すれば、社会課題の解決もできるでしょう。また、IT業界は常に進化しており、最新の技術やトレンドに触れるチャンスが溢れています。
ものづくりには、多くの仕事が存在します。ただ製品を製造するだけが仕事ではありません。ここでは、ものづくりに関わる職種を6つ紹介します。
・研究・開発
・設計
・製造・加工
・品質管理
・マーケティング・営業
・販売・サポート
職種によって求められるスキルや素質が異なります。仕事内容とあわせて、ご紹介します。
研究・開発の職種では、製品の開発を担当します。主な仕事は、新たな技術の開発や研究などです。創造性、問題解決能力、プロジェクト管理能力などが求められます。特定の分野における研究実績や開発経験がある人はその経験をアピールしやすいポジションです。新しいアイデアを出したり、技術的な課題に取り組んだり、1つ課題に粘り強く向き合える人が向いています。
設計は、製品の形状や仕様を決めるポジションです。デザインセンス、論理的思考、細部への注意力などが求められ、製品の仕様に関わります。担当する製品にもよりますが、設計を担当するには、デザインソフトの知識や、材料・加工技術への理解が必要です。
クリエイティブな仕事に興味がある人や、製品をより魅力的にする作業が好きな人に向いています。一方で、コスト面での調整やコストカットのための挑戦も必要になるため、クリエイティブでありつつ論理的な側面も必要です。
製造・加工の仕事は、ものづくりのメインとなる工程です。製品の加工や、材料から製品を製造するなど、実際の製品を作ります。危険な作業を伴う場合があるため、注意力や忍耐性などが求められる仕事です。資格を必要としない職場もありますが、将来的なキャリアアップを考えると、以下のような能力が求められます。
・機械の調整・段取り工程
・加工に関する知識・経験
・機械の操作・オペレーション能力
製造の仕事は、コツコツ作業に取り組みたい人や、実際の製品を作り上げる経験がしたい人に向いています。
品質管理は、製品の品質を管理して、品質向上に取り組む仕事です。不良率、クレーム率、エラー率などの数値の改善が求められます。問題解決力やコミュニケーション能力が高い人に向いている仕事です。生産現場の理解や、設計の理解、検品業務の理解など、製造における幅広い経験が必要とされます。
品質管理に向いているのは、製品の品質を向上することに興味がある人です。特に、自分が興味のある製品の場合は、より情熱をもって業務に取り組めるでしょう。
マーケティング・営業の仕事では、製品の販売促進や営業活動を担当します。市場のニーズを理解し、製品を顧客に提案することで、販売やビジネスの成果を上げるのが目的です。求められる素質としては、コミュニケーション能力やマーケット分析力、交渉力が挙げられます。このポジションでは資格が必要とされるケースは少ないですが、資料を作るうえでパソコン操作に慣れておく必要があります。また、市場調査や競合分析の手法について学習が必要です。
自社の製品を多くの人に届けるには、優秀な営業が欠かせません。ものづくりでは、製造と同じくらい販売が重要です。技術や経験がない人でも、営業職としてものづくりに貢献できるチャンスもあります。
販売・サポートの仕事では、製品の販売や顧客のアフターサポートを担当します。主な業務は、顧客とのコミュニケーションを通じて製品の価値を伝え、顧客満足度を高めることです。コミュニケーションスキルや問題解決力が求められます。また、顧客からの質問に回答できるように、製品知識を正しく理解する必要があります。
販売・サポート業務に向いている人は、人に何かを教えたり、顧客の悩みを解決したりする業務に興味がある人です。人の役に立ちたいと考えている人にとっては、魅力的な仕事の1つと言えます。
ものづくりの仕事に関係する資格は、大きく3つの資格に分けられます。特別教育、技能講習、免許(国家資格・民間資格)の3つです。
資格の種類 | 説明 | 例 |
---|---|---|
特別教育 | 危険性・有害を伴う業務に従事する者に対して、その業務に必要な知識や技能を習得させるための教育 |
クレーン運転特別教育
アーク溶接特別教育など |
技能講習 | 危険性・有害を伴う業務の、作業主任者などに従事するために必要な技能講習 |
玉掛け技能講習
フォークリフト運転技能講習 など |
免許 | 民間資格は民間団体が認定する。国家資格は国が認定する。一定の実務経験を必要とする免許もある |
危険物取扱者試験
電気主任技術者試験 など |
業界や業種によって必要な資格は異なるため、ここでは一例を紹介します。興味のある業務や業界があれば、どんな資格があるか調べてみましょう。
特別教育は、危険・有害を伴う業務に従事する方に対して、その業務に必要な知識や技能を習得させるための教育です。受講後は修了証が発行されるか、特別教育の実施記録が保管されます。特別教育には、クレーン運転特別教育やアーク溶接特別教育などがあります。
技能講習は、特定の危険性や有害を伴う業務において、労働者の指揮をする主任者や就業制限業務に従事する者が受けるものです。講習を修了すると、技能講習修了証明書が発行されます。玉掛け技能講習やフォークリフト運転技能講習などがその一例です。
特別教育も技能講習も、どちらも危険性や有害を伴う業務をする方が対象です。違う点は、特別教育は労働者に必要な教育で、技能講習は労働者の指揮を執る、作業主任者が受ける講習であることです。
具体的には、技能講習の対象は労働者の指揮等を行う作業主任者(労働安全衛生法第14条)および就業制限業務に従事する者(労働安全衛生法第61条)です。また、技能講習は、登録教習機関が実施しています。特別教育と混合しないように、注意しましょう。
免許は民間資格と国家資格の2つがあります。民間資格は民間団体が認定するものであり、国家資格は国が認定するものです。試験を受けて合格した方には「免許証」が交付されます。例えば、危険物取扱者試験や電気主任技術者試験などです。
ものづくりに関する求人には、未経験でもチャレンジしやすい傾向が見られます。特に、製造業では現場での研修やOJTを通じて技術を習得できる機会があるため、多くの企業で未経験でも応募可能です。また、製造業では学歴よりも実務経験や技術スキルを重視する傾向があります。経験者は、実務での成果をアピールすることで戦力になる人材として価値をアピールできます。
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