2020.5.01

物流業務とは?業務のフローや求められる人物像など

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時代が進むにつれて、インターネットのネット通販などを活用してモノを購入する人が増えてきました。それに伴い、物流業務の求人も増えてきています。そのため、物流業務に携わる仕事がしたいという人も多いのではないでしょうか。この記事では、物流業務の魅力や仕事の流れ、求められる人物像などを詳しく解説していきます。

1.物流業務とは

物流業務とは、その名の通りモノを運ぶプロセスのことです。工場で作られた商品を小売店まで運ぶまでの作業や引っ越しで家具や家電製品を新しい住居に運搬するなど、モノを運ぶのに必要な仕事はすべて物流業務となります。モノを運ぶプロセスの業務内容はさまざまで、モノを送るための包装や梱包、在庫確認などの作業から実際に購入者へ商品を届けるドライバーの仕事も物流業務になります。スマートフォンの普及により、インターネットで商品を購入する人が多くなってきたため、物流業務の仕事が増えてきました。

物流業務の仕事は、想像以上に大変で、同じ作業ばかりでつまらないといった意見を聞くことがありますが、一方でさまざまな魅力があるのです。まず、物流の仕事には、幅広い業務内容があるので、自分に合った業務を選びやすいといったメリットがあります。たとえば、商品を保管しておく場所で管理を担当するスタッフや出荷をするために仕分けを行うスタッフ、購入者のもとへ配送するスタッフなど、様々な業務内容の中から自分に合ったものを選択することが可能です。業務内容ごとに適性も異なるため、自分の性格に合った仕事を見つけやすいでしょう。

物流業務の求人は、雇用形態も幅広いので、正社員で安定して働いたり、プライベートを重視したいという人は派遣社員や契約社員として働いたりすることが可能です。さらに派遣社員の場合は、登録型派遣や無期雇用派遣などの雇用形態があるため、自分のライフスタイルに合わせて働くこともできます。物流業務の仕事は、多くの企業で必要とされているので、全国各地で多くの求人が出されているというメリットもあります。交通網が発達した現代では、商品を作ってその場で販売するというケースは珍しくなってきました。多くの企業では、工場で生産した商品を一度倉庫などで保管し、ピッキングや梱包をしてから販売先や購入者のもとへ届けるシステムをとっています。

また、Amazonや楽天などのネット通販で商品を購入する人が増えてきたため、それらを管理して配送するスタッフも必要となります。2020年現在の国内外の市場では、物流業務はなくてはならない仕事になっているので、求人が多いというメリットだけでなく、安定した需要がある業界ともいえるでしょう。さらに、物流業務の求人は、未経験でも働けることが多いため、特別な資格やスキルを持っていない人でも働くことが可能です。

2.物流業務の流れ

ここからは、一般的な物流業務の流れと、どのような仕事を行うのかを紹介していきます。工場で作られた商品は、基本的にそのまま工場内で保管するか、倉庫で保管するようになります。大量生産を行っている企業の場合は、倉庫で保管するのが一般的です。物流業務は、工場で作られた商品を倉庫で保管する仕事からはじまります。商品を倉庫で保管するときには、在庫が所定の数に一致しているのかをチェックする在庫確認を行います。

次に、受注管理という作業を行いますが、これは消費者から商品の受注があった際に、注文を受けて出荷担当者へつなぐ仕事です。受注管理では、最初に注文データを受注台帳に記録し、自社の在庫管理システムから在庫の確認を行います。消費者に提供する在庫の有無の確認がとれたら、消費者へ納期の回答をします。次に行うのが、商品を保管している倉庫から取り出し、配送先ごとに仕分けるピッキングです。ピッキングで仕分ける商品は、日用品や衣料品、家電製品など、企業によってさまざまです。

ピッキングで倉庫から消費者へ送る商品の仕分けができたら、次に行うのが流通加工です。流通加工では、売物として商品を提供するための仕上げ作業をします。業務内容は商品ごとにさまざまですが、たとえば、組立てや加工、切断といった作業を行います。企業によっては、箱詰や袋詰、詰直しといった作業も流通加工として扱われることもあります。流通加工が終わって次に行う作業が検品です。検品とは、完成した商品に不良や不具合がないかどうかをチェックする作業のことです。検品が終わり消費に不備がないか確認したら、包装や梱包を行って出荷のできる状態にします。

包装や梱包は、商品を袋や箱に入れる作業になりますが、タグつけを行なったり、包んだ箱にラベルを貼ったりすることもあります。包装が終わった時点で商品を出荷できる準備は終わりますが、いきなり出荷作業に入るわけではありません。出荷する際にも準備が必要となり、どの消費者にどれだけの商品を送るのかを仕分ける作業を行います。それが終わったら、実際に消費者に出荷します。出荷した商品は、ドライバーによって消費者のもとへ配送されます。出荷作業を行うときは、違う商品や間違った個数を送ってしまうと、消費者から再度送り返してもらわなければならないので注意が必要です。

3.物流業界の課題と問題点

物流業界が抱える問題として、人手不足が深刻化していることがあげられます。2020年現在では、多くの職業で人手不足が問題になっていますが、物流業界は特に人手が足りていないといってよいでしょう。これには、需要が急増しているにも関わらず、労働人口が減少しているという背景があります。国内では、2010年頃からインターネットを使用して商品を購入する人が増えたため、物流サービスの需要が急増しましたが、その裏では深刻なドライバー不足が問題になりました。国土交通省などもこの問題に対して、対策を立てていますが、日本国内全体で労働人口が減少しているので、十分な人材の確保は難しいともいわれているのです。

ですから、物流業界では業務全体の効率化を行なったり、自動搬送ロボットなどの最新テクノロジーを導入したりして人手不足問題の解決にあたっています。物流業界が抱える課題点としては、長時間労働があげられます。物流関係の仕事は、2010年代から2020年現在にかけて増えていますが、人手不足の影響で1人あたりの作業量が多くなっている現状です。そのため、職場によっては長時間労働(残業)をしなければ就業時間内に作業が終わらないケースもあります。

物流業務の仕事は軽作業として分類されることが多く、特別なスキルや知識がなくても働くことが可能になっているので、年収は一般的なサラリーマンの平均よりも低い傾向となっています。また、人手不足やネット通販の普及により、仕事が急激に多くなったということもあり低賃金で不満を抱えている人もいる状況です。先ほども説明しましたように、物流業務はピッキングや検品、梱包など、さまざまな業務を行いますが、作業工程ごとに担当者が変わるケースが多いため、作業の無駄やミスが多くなりがちといった問題もあります。

作業が非効率的になってしまうケースもあります。1人あたりの作業量が多くなっている現状の中、こういった問題をいかにして解決していくかが物流業界の課題といえるでしょう。

4.物流業務で求められる人物像

物流業務で求人が多い、検品や仕分け業務、出荷作業員などは特別なスキルや資格がなくても働けるケースが多いです。そのため、高収入を得たいなどといった希望がなければ、採用条件にそれほど高いスキルは求められません。

しかし、物流業務での作業は同じ作業を行うことが多いため、企業は飽きずに淡々と仕事ができる人材を求めています。また、物流業務でミスをしてしまうと、購入者へ確実に商品が届けられなかったり、在庫数が合わなくなってしまったりします。どの企業でもミスを極力少なくする工夫をしていますが、実際に作業を行うスタッフの集中力がとても重要です。ですから、同じ作業を1日中行っても、集中力を切らさずに仕事ができる人が物流業務に向いているといえるでしょう。

物流業務では、検品や仕分け、出荷作業といった求人が多いですが、資格がないとできない仕事だったり、体力を必要とする業務も多くあります。物流業務は、一般的なサラリーマンの平均年収よりも低い傾向にありますが、こういった限られた人しかできない仕事は高収入になっているケースが多いです。たとえば、重い荷物を運ぶ物流業務などでは、体力を必要とします。高収入を得たい人で体力に自信がある人は、重い荷物を運ぶ仕事を狙うのもよいでしょう。

物流業務では、倉庫に荷物を運ぶためにフォークリフトを活用したり、実際に消費者のもとに商品を配送する際には自動車やトラックを使用したりします。そのため、フォークリフトが操縦できる人や自動車やトラックを運転できる人材の求人が全国各地に数多くあります。フォークリフトを操縦できる免許や普通自動車免許、中型のトラック免許などを所有していると、転職がしやすくなるだけでなく、高収入を期待することも可能です。

国際間の商品の取引を行う貿易も物流業務に分類されますが、海外の取引先と関わるため、語学力や貿易に関する専門的な知識が必要とされます。そのため、特別なスキルや資格がなくても働ける軽作業と比較すると高収入です。時代が進むにつれて、国と国との間の商業取引が盛んになってきているので、貿易取引に関わる仕事も増えてきています。語学力や貿易に関する専門的な知識があると、企業にとって数少ない貴重な人材になるため、転職活動に有利になるでしょう。

自分に合った仕事が見つけやすい物流業界で働いてみよう!

物流業界の仕事はさまざまで、検品や仕分け、梱包といった業務は特別なスキルや資格がなくても行うことが可能です。フォークリフトや普通自動車を運転できる免許を持っていたり、貿易に関する専門的な知識があったりすると、転職しやすくなるだけでなく、高収入を期待することができます。転職先に迷っている人は、自分に合った仕事が見つけやすい物流業界で働いてみてはいかがでしょうか。

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