2020.5.01

コールセンターで働くときに必要な資格は?

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コールセンターで働きたいと思ったときに気になることの1つが、求められる資格やスキルについてでしょう。受信や発信など電話をしながらパソコンに必要事項を入力したりお客様に案内をしたりするコールセンターの仕事に、どんな資格が必要なのでしょうか。この記事では、コールセンター業務で必要な資格や、持っていると役立つスキルについて説明します。

1.コールセンター業務で必要な資格とは

コールセンターの業務は、大きく「インバウンド」と「アウトバウンド」の2種類に分けられます。「インバウンド」とは、かかってくる電話を受信することです。お客様からの資料請求や注文、問い合わせ、各種手続きの依頼などに電話を受けながら対応します。自社製品を購入したお客様に使い方を説明したり、クレームを受けたりすることもあります。インバウンドのコールセンターの場合、オペレーター側から電話をかけることはほとんどありません。一方、「アウトバウンド」はコールセンターから電話を発信する業務です。見込み客や既存顧客、会員などに電話をかけて、サービスや商品の案内をしたり説明をしたりします。アンケート調査や顧客満足度調査などのために電話を発信することもあります。

「インバウンド」と「アウトバウンド」のどちらにしても、コールセンター業務に必須の資格というものはありません。コールセンターの人材募集を見てみても、「未経験歓迎」「経験不問」などという単語が目立ちます。もちろん、コールセンターの仕事をするためには、電話応対スキルやパソコンの操作、自社の商品やサービスに関する知識など、さまざまな知識やスキルが必要です。とはいえ、多くのコールセンターではしっかりとした研修を実施しており、入社してから必要な知識やスキルを身につけられるようになっています。経験や資格のない未経験者でもコールセンターの仕事は始めやすいので、興味があるならぜひ挑戦してみましょう。

2.資格を持っていることのメリット

コールセンターでの業務に必須の資格はないとはいえ、資格を持っていることにはメリットがあります。まず、入社前にコールセンターの業務と関係のある資格を取得しておけば、ぜひその仕事をしたいというやる気や熱意をアピールできます。「未経験歓迎」「経験不問」などとしているコールセンターでも、資格を持っている方は優遇してもらえるかもしれません。特に、同じような条件の応募者が多数いる場合、資格の有無は選考を決める大きな要素となりえます。

コールセンターの仕事に就いた後も、資格を持っていると有利です。資格の取得を通して必要な知識やスキルを身につけていれば、それは業務に役立ちます。1時間当たりの電話応対件数が多い、通話終了後の処理時間が短いなど、同じ時間内に他の人よりもたくさんの仕事をこなせるかもしれません。効率良く仕事をしていることが評価されれば、給料アップにもつながります。自分の持っている実力が正しく評価されるなら、コールセンターの仕事を今後も頑張っていこうというモチベーションアップにもなるでしょう。

ほかにも、資格を持っていることが昇進のきっかけとなることもあります。資格を取得する過程で得た知識を活かしていることが評価されると、アルバイトから契約社員へ、契約社員から正社員へなどというようにステップアップできる可能性もあります。雇用形態が変わる以外にも、オペレーターからチームリーダーやスーパーバイザーなど、みんなをまとめる役職への昇進が期待できるかもしれません。

3.持っていると有利な資格はある

資格が必須ではないコールセンターの仕事でも、持っていると有利な資格はいくつかあります。ここからは、事務作業・サービス・語学力という3つの観点に分けて、コールセンターでの業務に役立つ資格をそれぞれ紹介します。

3-1.事務的作業に関する資格

一定のパソコンスキルを持っていることを証明したいときに利用できる資格に、MOS検定があります。MOSとは、マイクロソフト・オフィス・スペシャリストを略したものです。MOS検定は、WordやExcelなどOfficeのパソコンスキルを証明するもので、実際のアプリケーションソフトを操作する実技が中心の試験です。MOS検定を取得しているとOfficeを効率良く使いこなすスキルが身につくため、コールセンターでパソコンを操作する事務処理能力に反映されます。就職や転職のときにも、「実用的なパソコンスキルを持っている人」として評価してもらえるでしょう。

パソコンスキルをアピールできるもう一つの資格は、日本商工会議所が実施している日商PC検定です。日商PC検定もWordやExcelのスキルを証明するもので、MOS検定よりも実際のビジネスシーンに近いスキルが求められる傾向にあります。実務に近い文書作成やデータ活用のスキルが問われ、ビジネスシーンに活かせる知識や実技を身につけられます。難易度の高い順に1級・2級・3級・ベーシックの4種類がありますが、資格としてビジネスの場で評価されるのは2級からです。ベーシックは実技試験のみですが、1級から3級は実技試験と知識問題の両方があります。

3-2.サービスに関する資格

コールセンターの中でも、接客業務をするときに役立つ資格の一つはコンタクトセンター検定です。2010年から始まったこの新しい検定は「コン検」とも呼ばれていて、お客様対応をするスタッフを対象としています。コンタクトセンターについての基礎知識のほか、コンタクトセンターでのルールやマナー、お客様対応に必要な知識やスキルなどが問われます。コールセンターの現場で役立つ実践的な内容が中心となっているのが特徴です。試験はオペレーションレベルとプロフェッショナルレベルの2つに分かれていて、さらに各レベルに3種類ずつの資格があり、受験するレベルは自由に選べます。

電話対応に関するスキルを証明したいなら、電話対応技能検定(もしもし検定)が良いでしょう。2009年にスタートした検定で、合格するためには電話応対やビジネスマナー、臨機応変に応対するコミュニケーションスキルなどが必要です。試験は、入門編の4級から指導者級のS級まで5段階あります。

CSスペシャリスト検定は、顧客満足度(Customer Satisfaction)の理論や実践技術の習得を測る日本で唯一の民間資格です。ベーシック・プロフェッショナル・スペシャリストという3つのレベルがあり、飛び級制度もあります。すべてのレベルで実技問題が電話で実施されるほか、プロフェッショナルとスペシャリストレベルでは口述問題も出題されます。

ビジネスマナー検定は、財団法人実務技能検定協会が主催する検定試験です。ビジネスマンとして適切な判断や行動ができるかどうかを問う試験で、ビジネス社会の基本的なルールを身につけていることの証明になります。試験は筆記試験のみで実技試験はなく、「理論」と「実技」という2つの領域のそれぞれで60%以上得点すると合格になります。1~3級の3つがあり、どの級からでも受験可能です。

ビジネスシーンにおける電話応対スキルを認定するものには、ビジネス電話検定があります。この検定では、ビジネスの場での電話での言葉遣いや話し方などの習得度合いを測れます。知識A級・知識B級・実践級の3種類があり、実践級は知識A級の合格者のみ受験可能です。合格率は高く難易度は低いと言われているので、まずは1つ資格を取っておきたいという場合は候補に入れてみましょう。

最後に紹介するのは、秘書技能検定です。コールセンター業務と秘書の業務はかけ離れているように思えるかもしれませんが、丁寧な応対や相手への気配りが必要であるという共通点があります。ビジネスシーンでの対応力や判断力も問われるので、コールセンターで働くうえで役立つことでしょう。秘書技能検定は1~3級と準1級の4種類があり、準1級と1級は筆記試験に加えて面接試験もあります。

3-3.語学力に関する資格

コールセンターの現場では、ビジネスレベルの英語を話せる人材が求められることもあります。日本語を母国語としない方が電話をかけてきたときや、外国人を主な顧客とする企業のコールセンターなどでは、語学力のある人が必要とされます。一定のレベルの英語力を証明するのに使える資格は、知名度の高いTOEICです。TOEICが他の資格検定と大きく異なるのは、合格か不合格かという結果ではないことです。結果は点数で示され、ビジネスシーンでは一般企業で600点台以上が必要とされています。海外部門や外資系企業なら、800点台以上が必要です。

4.資格がなくてもあると良いスキル

コールセンターの業務では、資格以外にも身につけておくと良いスキルがあります。たとえば、基本的なビジネスマナーはお客様対応をするうえで欠かせません。電話の受け方やかけ方、名乗り方、保留の仕方など電話を使ったビジネスマナーはもちろん、明るい声で話すことや会社の代表という意識を持つことなどが必要です。きちんとしたマナーを習得したうえでコールセンター業務に携われば、お客様をむやみに不快な気持ちにさせてしまうことは避けられます。

文書作成や資料の閲覧、業務連絡などをパソコンで行うことの多いコールセンターでは、基本的なパソコン操作スキルは必須です。もちろん、入社してから研修を通して徐々に身につけていくことも可能ですが、もともとパソコン操作スキルがあるならそれだけ早く仕事に慣れることができます。タイピング(文字入力)が素早くできると作業時間や処理時間は短くなり、その分1日のうちにこなせる業務量はアップします。

オペレーターからキャリアアップを目指しているなら、マネジメント力を身につけることも意識しましょう。チームのリーダーやスーパーバイザーになると、チーム内の各オペレーターのスキルやメンタルなどを管理し、適切なフィードバックをする必要があります。マネジメント力が高ければ、各オペレーターが最大限の能力を発揮できるよう環境を整えつつ、チームとしての成果につなげることができます。

未経験でも積極的にチャレンジしてみよう!

コールセンターの業務では、パソコンスキルや電話応対スキルなどさまざまな能力が求められます。コールセンターで働くのに役立つスキルを身につけていることをアピールしたいなら、事前に資格を習得しておくのもよいでしょう。とはいえ、多くのコールセンターでは無資格の方や未経験の方も歓迎されており、必須の資格は特にありません。研修もあり働きながら成長していける職場なので、興味がある方は積極的に挑戦してみましょう。

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