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製造業とは?製造業界の業種や職種を紹介。今後の動向や魅力についても解説!

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製造業とは、原材料を加工して製品を作る産業です。製造業にはさまざまな業種・職種が存在します。

製造業は、大手自動車メーカーや家電メーカーが所属する業界でもあり、日本の経済をリードする重要な業界です。どんな仕事があるのか、未経験者でも挑戦できるのかなど、製造業界に興味がある方に向けて気になる情報をまとめました。製造業界で働く魅力についても紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。


製造業とは?

製造業とは、原材料などを加工して、製品として生産する産業を指します。私たちが日常で目にする商品を作っているのが、製造業の会社です。例えば、自動車、スマートフォン、ドア、インスタント麺など、製造業の内容は多岐に渡ります。

製造業について理解を深めるために、次の2つの観点から業界の全体像を見ていきましょう。

○製造業の業種
○製造業の「職種や仕事内容」

それぞれ、例を挙げながら解説します。

製造業の業種

製造業は多種多様です。多くの人は、自動車や家電製品の製造をイメージしがちですが、身の回りのあらゆる物が製造業によって提供されています。その中でも、日本における代表的な業種は以下の5つです。

業種 特徴 向いている人 企業例
機械関連 規模が大きい 大規模な生産拠点で働きたい トヨタ自動車株式会社
株式会社日立製作所
ヤマザキマザック株式会社
電子デバイス 技術発展が著しい 最先端の技術に関わりたい パナソニック株式会社
シャープ株式会社
日本航空電子工業株式会社
科学 経営が安定している 生活雑貨や衣料に関わりたい 三井化学株式会社
旭化成株式会社
出光興産株式会社
食品・飲料 身近な製品が多い 食に興味がある 山崎製パン株式会社
株式会社明治
アサヒビール株式会社
建築 扱う金額が大きい 建築物に関わりたい 住友林業株式会社
古河林業株式会社
中国木材株式会社

それぞれの業種について、詳しく解説していきます。

機械関連

機械関連の製造業は、日本の製造業の代表的な業種です。トヨタ自動車や日立製作所など、世界でも有名な企業が多数参入しています。機械系の製造業には、BtoC向けの事業を手掛けていて私たちが日常的に目にするメーカーもあれば、BtoB向けの事業がメインで一般的に馴染みのないメーカーも存在します。日本の加工技術は世界でもトップレベルと評されることが多く、製造に使う機械を作っている工業用メーカーも見逃せません。例えば、ヤマザキマザック、ファナック、不二越、イワタツールなどが有名です。

大規模な工場を有しており、機械製品の企画・設計・生産・組み立てなどを大きな生産拠点で行います。製品の単価が高額になる傾向があるため、売上や企業の規模も大きいのが特徴です。機械系のメーカーは大きな工場で大勢の仲間と働きたい人におすすめといえるでしょう。

電子デバイス

電子デバイスの製造業は、スマートフォンやパソコンといった精密機器の製造・開発が中心です。また、それらの製品の周辺機器や部品の製造などを担当するメーカーも含まれます。特に半導体に関するメーカーは近年注目度が上がっており、世界的半導体メーカーTSMCが熊本県に生産拠点を建設すると発表されたニュースは、多くのメディアで取り上げられました。

電子デバイスの製造業は、技術発展が著しく、世界各国で競争が続いています。常に新しい技術が登場しているので、新しいものが好きな人にとっては魅力的な業界でしょう。

化学

製造業の中でも、化学反応を利用して製品・素材を扱う企業は、化学メーカーと呼ばれます。化学メーカーは、プラスチック・繊維・合成ゴムなど、生活に欠かせない原材料の製造に密接に関わっています。化学メーカーは、洋服の繊維や食品の原料など、実生活に即した分野なので、人々の生活を支えたいという方には向いている業界です。また、化学メーカーは、高い技術力を要し、新規参入が難しいという点から、経営が安定しやすいという特徴があります。

食品・飲料

食品・飲料に関わる製造業は、食品メーカーや飲料メーカーと呼ばれます。普段から街で見かけるお菓子やドリンク、ヨーグルトから加工食品まで、ジャンルは多岐に渡ります。この業種では、消費者に手に取って選んでもらうために、安全でおいしい商品の開発が求められます。世の中においしいものを提供したいと考えている人にぴったりの業界です。

また、食品・印象関連の製造業に従事すると、自分が担当した商品をスーパーやコンビニで見かけることがあるでしょう。自分が携わった商品が店頭に並んでいる姿を目にできるという点は、食品・飲料メーカーで働く大きなやりがいといえます。

建築

建築関連の製造業では、建設物の資材の製造から建築・施工まで、スケールの大きな仕事ができるのが特徴です。近年はリフォームの需要が高まっており、新築以外のニーズも高まっています。建物を利用する人のニーズに合わせて、安全性の高い資材を製造したり、再利用できる素材を開発するなど、建物を建てる前のフェーズでも製造業は重要な役割を担っています。

自分が携わった建設物を見られるのは、建設業ならではのやりがいです。また、建設物に関わるプロジェクトは数千万円から数百億円と、非常に高額な予算が動きます。そのため建設関連の製造業は、街づくりに興味がある人やスケールの大きな仕事に興味がある人におすすめです。

製造業の「職種や仕事内容」

製造業にはさまざまな職種や仕事があり、職種によって仕事内容は異なります。また、製造業の基本はモノづくりですが、開発や設計、営業や仕入れなど、モノづくりに直接的には関わりのない仕事も存在します。ここでは、モノづくりに直接的に関わりのある職種を5つピックアップしました。

職種 仕事内容 魅力
加工 設計書に沿って加工する 製造業のメイン工程
組立 加工されたパーツを組み立てる 体力が不要な場合が多い
塗装 製品の色塗りやサビ防止加工 完成品に近い工程を担当できる
検査 出荷前の製品の品質チェック・テスト 女性でも活躍しやすい
梱包 製品をパッケージに詰める 未経験者でも挑戦しやすい
加工

加工は、原材料や素材を製品にするために欠かせない工程です。鍛造、旋盤、研磨、カット、加熱など、業界によって仕事内容は異なります。例えば、自動車部品の加工であれば、ボンネットをプレスしたり部品同士を溶接したりします。食品であれば、食材を切断したり焼いたりする下処理を行います。加工業務に携わる場合は、工場や生産拠点に勤務するのが一般的です。

組立

組み立ては、上流工程で生産された部品を組み立てる仕事です。設計図や仕様書に沿って、パーツを組み合わせていきます。大きな部品や重たい部品を扱う場合は体力が必要ですが、電子部品や精密機器など、体力がなくても担当できる組み立て業務もあります。微妙な調整が求められる業務や機械を扱うスキルが必要な業務もあり、難易度の高い仕事になるほど報酬のアップが見込めます。

塗装

塗装は、製品に色を付けていく工程です。色を塗る作業以外にも、サビ防止加工や磨き作業といった作業も含まれます。塗装の段階では、製品は最終工程に近い形になっていることが多く、「製造業に携わっている」という実感が湧く工程ともいえるでしょう。

塗装工程は、経験や技術が求められる職種です。最近は手作業ではなくロボットが塗装を担当することが増えましたが、細かな部品は手作業で丁寧に塗装をしている企業も多く、正確な色の配合をしたり塗料をムラなく塗ったりするには経験が求められます。そのため、未経験から挑戦する場合は、いきなり塗装を任せるのではなく、まずはアシスタント的な役割を担当してやり方を覚えることもあります。

検査

検査は、チェックリストに沿って製品のサイズや品質が基準を満たしているか調べる工程です。担当する製品によっては、高精度の測定器やセンサーを使って品質をチェックします。近年では、機械によって検査する企業も増えています。身体を動かす業務というよりは、集中して測定器を操作するスキルが求められるため、体力に自信がない方でも活躍しやすい職種です。

梱包

梱包は、完成した製品や品物をパッケージに詰めて、出荷できる状態にする工程です。梱包作業には、ピッキング、検品、梱包、仕分け、ラベル貼りなど、作業が複数発生します。梱包資材の選び方や手順はマニュアル化されている場合がほとんどで、丁寧かつ迅速に作業手順に沿って作業する能力が求められます。

梱包には特に資格は必要ありません。会社によっては正社員だけでなく派遣従業員やアルバイトが活躍している場合もあります。そのため、未経験でも挑戦しやすい仕事です。

製造業の動向

製造業界は現在、さまざまな変化と課題に直面しています。製造業界に就職する際には、以下の3つの動向を理解しておくことがポイントです。

○原材料の値上がり
○部品や素材が不足している
○DXの重要性が高まる

製造業で知っておきたい各動向について、順番に解説します。

原材料の値上がり

近年の製造業界では、原材料の値上がりが深刻な問題となっています。鉄鋼・プラスチック・石油などの主要な原材料の価格が急上昇し、生産コストに大きな影響を与えています。これは、需要と供給のバランスの変化や国際的な経済情勢の影響によるものです。特に、石油やレアメタルといった製造業と密接に関わる原材料は高騰が続いており、完成品の販売価格にも影響が出てきています。

部品や素材が不足している

部品や素材の供給不足も、製造業界が直面している課題です。これは、世界的な物流の混乱や生産ラインの停止、地域的な自然災害などが原因です。特に、半導体や電子部品などの一部部品は深刻な不足が報告されています。これらの部品を確保し、製品の品質と供給の安定を維持するために世界中で技術競争が起こっています。

DXの重要性が高まる

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、製造業界において近年重要な役割を果たしています。製造プロセスの自動化、IoT(モノのインターネット)の活用、ビッグデータ解析など、デジタル技術の活用が製造業の効率化に大きく貢献しています。この理由はさまざまですが、背景として特筆すべきは深刻な働き手不足やロボティクスの台頭の影響です。デジタルトランスフォーメーション(DX)は、製造業界において近年重要な役割を果たしています。製造プロセスの自動化、IoT(モノのインターネット)の活用、ビッグデータ解析など、デジタル技術の活用が製造業の効率化に大きく貢献しています。この理由はさまざまですが、背景として特筆すべきは深刻な働き手不足やロボティクスの台頭の影響です。

デジタルの活用が進む中で、製造業においても新しい職種が登場しています。必要とされる人材の技術や能力も多様化しており、製造業に興味のある人にとっては、新たな挑戦を始めるのにぴったりなタイミングといえるでしょう。

製造業界の魅力とは?

製造業は、日本の経済における重要な産業の1つであり、世界に誇る有名企業が多数集まっています。そんな製造業には、どのような魅力があるのでしょうか。ここからは、製造業が持つ以下4つの魅力について紹介します。

○経験・学歴不問の仕事もある
○労働環境が整っている
○残業が少ない
○高収入が狙えることもある

製造業で働く魅力について、順番に見てみましょう。

経験・学歴不問の仕事もある

製造業界では、経験や学歴に関係なく採用される仕事が存在します。多くの企業が新人教育や人材育成に力を入れており、未経験者が少しでも早く活躍できるように、研修プログラムやマニュアルが整っている企業が多いのも特徴です。未経験者でもチャンスを得やすい環境なので、学歴や経験がない人でも、興味があったら挑戦できる業界といえます。

労働環境が整っている

製造業界は、労働環境の整備に尽力している業界でもあります。従業員が仕事とプライベートのバランスが取りやすくなるよう、現場ではシフト制が採用されており、労働時間の管理や適切な休憩時間の確保が厳密にルール化されている企業も多いのが特徴です。

さらに、一部の企業では資格取得にかかる費用の補助や、寮や社宅の完備、各種手当などの福利厚生にも力を入れています。資格を取得すると報酬がもらえたり、勤務場所の近くに社員寮が用意されていたりと、長く働くための環境が充実しています。

製造業において、労働環境の整備が進んでいる点は大きな魅力といえるでしょう。

残業が少ない

製造業界では、一般的に残業が少ない傾向があります。すべての企業で残業が少ないわけではありませんが、経団連の「2020年 労働時間等実態調査」では、製造業・非製造業を問わず時間外労働時間は年々減少傾向が続いてきました。特に製造業は非製造業と比べて、時間外労働の時間が短いという結果が出ています。

製造業の残業時間が少なくなる理由の1つとして、生産計画と紐づいた労働スケジュールが挙げられます。製造業は生産計画や工程管理者の指示に基づいて進行するため、事前に作業時間の目安がわかります。生産計画と照らし合わせた管理が行わるため、スケジュール通りに進行していれば残業は基本的には発生しません。もちろん、状況によっては残業が発生する場合もありますが、一般的には働きやすい労働時間を確保できるでしょう。ただし、企業ごとに異なるため、製造業界で仕事を探す場合は、求人情報や企業の口コミなどを調べる必要はあります。

高収入が狙えることもある

製造業での仕事は、高収入が期待できます。厚生労働省の調査によると、製造業の平均年収は約34万円でした。賞与も含めた年収はおよそ504万円です。これは、生活関連サービス業や娯楽業といった業界よりも高い水準です。

また、製造業では手当や資格取得によって収入の増加が期待できます。工業で必要とされる資格を保有している従業員は、基本給に加えて資格手当を支給する企業が多いからです。また、時間外手当や深夜手当が充実している企業も少なくありません。深夜シフトに積極的に入れば、高収入が目指せます。

製造業は、日本にとって欠かせない業種でありつつ、未経験者でも挑戦できるのが魅力です。これから製造業界で働いてみたい人は、ぜひ「はたらくヨロコビ」をチェックしてみてください。「はたらくヨロコビ」では、未経験者向け・女性向けなど、数多くの求人情報を紹介しているので、条件に合った仕事がきっと見つかります。まずは公式LINEから、最新情報をチェックしてみましょう。
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