2020.4.6

派遣社員でも一人暮らしは可能?派遣社員の給与や、ひとり暮らしの経費について解説

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派遣社員は身分も給料も不安定というイメージを持たれがちです。そのため、派遣で一人暮らしをするのは難しいのではと不安に思う方もいるでしょう。たしかに、派遣社員は正社員のように給与や身分が安定していないかもしれません。ただ、生活にかかる経費をしっかり計算すれば、派遣社員でも一人暮らしは十分に可能です。そこで今回は、一人暮らしにかかる経費を元に、派遣社員が有意義に一人暮らしをするポイントを解説します。

1.派遣社員の給料でも一人暮らしは可能

派遣社員の給料は、職種や登録する派遣会社、また派遣先企業によってさまざまです。同じ職種で働く場合であっても、派遣社員個人の経験や技量によっても収入は変わってきます。ただし、未経験で特別なスキルがなかったとしても、派遣社員の給料は決して安いというわけではありません。厚生労働省の平成29年度労働者派遣事業報告書によれば、事務系や建設系など、すべての業務を含めた全派遣労働者の平均賃金は、8時間換算の金額で1万3831円です。これを時給に換算すると、約1729円となり、1日8時間労働で20日間勤務したとすれば、月収は約27万6620円ということになります。

もちろん、上記の金額はあくまですべての派遣労働者の平均賃金です。業種によっては、もっと低い、あるいはもっと高いこともありますし、経験やスキルに応じても賃金は変動します。ただ、時給が約1700円、月収も27万円以上ということになれば、派遣社員でもかなりの経済力があると言えるのではないでしょうか。平均の月収が27万円程度あるとすれば、経験やスキルがない人であっても、そこまで極端に収入が低くなることもないと考えられます。特に、派遣社員は正社員と違って月給制ではなく、時給制である場合がほとんどです。時給制というのは、いわば働いたら働いただけ給料に反映されるということです。

つまり、仕事の量や勤務時間、勤務日数によっては、さらなる高い収入を目指すこともできるということになります。もちろん、給料のうち、実際に手元に残る収入は税金や保険料を引いた手取り金額です。平均月収が27万円程度あるとすれば、税金や保険料を差し引いた手取り金額は20万円前後となるでしょう。ただ、20万円程度手取りがあるなら、一人暮らしをするには十分な金額だと言えます。とはいえ、余裕を持った生活をしていくためには、ある程度節約などもしていく必要があります。そのためにも、月々の収支を明確にして、一人暮らしにはどのようなお金がかかるのかといったことも詳しく知っておくことが大切です。

2.引っ越す前にかかる費用

一人暮らしをするにあたっては、まず物件を探して入居の手続きをしなければなりません。賃貸物件に住むためには、不動産会社や物件のオーナーと賃貸借契約を結ぶことになります。その際、いわゆる初期費用という名目で、いろいろなお金がかかります。たとえば、敷金や礼金、仲介手数料といったお金です。物件によっては、敷金や礼金が無料の場合もあれば、仲介手数料が半額というところもありますが、安い物件と契約したとしても、初期費用が全くかからないということは基本的にありません。

例として、家賃6万円の賃貸物件に住むことにしたとしましょう。敷金と礼金、それから仲介手数料は、主に家賃の1カ月分というのが基本となります。すべてに家賃1カ月分がかかったとすると、敷金と礼金と仲介手数料で合計18万円かかることになります。さらに、家賃は翌月分を前払いで納めるのが一般的なので、契約時に前家賃として家賃1カ月分を支払わなければなりません。その金額を加えて24万円。ここに、さらに保証料や火災保険料、鍵交換代といった雑費が加わります。保証料が家賃半分の3万円、火災保険料と鍵交換代がそれぞれ1万5000円とすれば、初期費用は合計で30万円となります。

また、新居への引っ越しにあたっては、生活用品を買い足したり買い替えたりもするため、そのぶんの費用も用意しておかなければなりません。加えて、引っ越しの際に業者に依頼して作業したとすれば、引っ越し業者に支払う費用もここに加わります。業者に支払う引っ越し代は、依頼する時期や荷物の量によっても費用相場が変わります。一人暮らしの場合、業者に作業を依頼すると、費用は3万円前後~5万円ほどになるでしょう。物件契約の際の初期費用が30万円、引っ越し費用が高くて5万円、そして生活用品の買い足しや買い替えに5万円かかったとすると、引っ越す際にかかる費用は合計で約40万円となります。

もちろん、この金額はあくまで一例であり、契約した物件や引っ越しの状況によって費用は変わります。少しでも初期費用や引っ越し代を抑えたいなら、それなりの工夫をすることも必要です。たとえば、賃貸物件のなかには、敷金や礼金をゼロにしている物件もありますし、フリーレントといって最初の数カ月間の家賃を無料にして貸し出している物件もあります。また、物件のオーナーに交渉すれば、家賃が安くなることもあり、うまくいけば初期費用も抑えることもできます。引っ越し代にしても、自分でも引っ越し作業をしたり、荷物の量を減らしたりすれば、費用を大幅に節約することができるでしょう。このように、引っ越す前にかかる費用は工夫次第で大幅に減らせることもあります。一人暮らしの最初にかかる費用を安くできれば、新生活も不安なくスタートできるので、なるべく初期費用や引っ越し代を減らせるように工夫しましょう。

3.一人暮らしに必要なお金内訳

一人暮らしを始めれば、さまざまな名目でお金がかかることになります。まず、月々の家賃です。家賃は住んでいる地域によって大きく変動します。東京近郊は特に家賃相場が高く、収入を圧迫することもあるだけに、適正家賃といわれる収入の3分の1程度の家賃に抑えることが基本です。次に水道光熱費です。水道光熱費とは、電気代や水道代、ガス代といったライフラインにかかる費用です。家賃と同じように、水道光熱費も収入における大きなウェートを占める費用と言えます。2016年に行われた総務省の家計調査によれば、一人暮らしの電気代、水道代、ガス代を含めた水道光熱費の月額費用は1万1028円です。

スマホやインターネット料金も、一人暮らしに必要なお金です。特にスマホは生活に欠かせないアイテムとなっているため、スマホの通信費だけでも大きな金額になることがあります。1カ月あたりの平均的なスマホの通信費は6416円です。スマホの通信費はプランを変更したり、自宅にインターネット回線を接続したりすることで節約できます。スマホの使用頻度が高い人は、インターネット回線を通したほうが通信費を安くできる場合もあります。

また、一人暮らしの生活には食費も不可欠なお金です。食費の1カ月あたりの平均額は3万9808円となっています。食費を節約するためには、外食を減らしてなるべく自炊することです。生活スタイルによっても変わってきますが、やはりアルコールをあまり飲まない人のほうが食費は少ない傾向にあります。つまり、食費節約のポイントは、自炊と禁酒が鍵を握るということです。

そのほか、交際費や美容代、洋服代といった費用も、生活をするうえでは発生します。会社に勤めていれば、忘年会や新年会などに出席することもあります。付き合いを断ることもできるでしょうが、仕事のためにやむを得ず参加しなければいけないことも多いものです。人によって大きく変わる名目の費用ですが、交際費の月額平均費用は1万5292円となっています。美容代や洋服代は、身だしなみを整えるための費用です。人によっては無頓着で、何年も服を買わない方もいますが、特に女性は美容代や洋服代にもお金をかけることが多く、平均金額は5554円です。

上記に挙げた主要品目に当てはまらない、日用品の購入費用や医療費などは、雑費として計上されます。日用品をこまめに買い替えていると、雑費で意外と家計が圧迫されてしまうこともあります。日用品はまとめ買いするなどして、なるべく節約するのが一人暮らしのコツです。

3-1.1人暮らしの例①

性別:男性
年齢:24歳
月収:25万円

月収が25万円ある場合、税金と保険料を引いて手取り収入は約20万円といったところ。家賃は収入の約3分の1程度が好ましいといわれているため、6~7万円あたりの物件が狙い目となるでしょう。しかし、都内で6~7万円の良い物件を探すのは意外と簡単ではありません。部屋のグレードを高めたいなら、郊外の物件を探してみるのもひとつの手段です。ただし、自宅が職場から遠くなれば、交通費はそのぶんだけかさみます。会社で交通費が支給されないなら、家賃は多少高くても通勤時間が短くて済むエリアにある物件もアリでしょう。

3-2.1人暮らしの例②

性別:男性
年齢:35歳
月収30万円

30万円の月収があれば、生活にもそれなりの余裕が出てきます。物件も都心に近いエリアで、比較的広い家に住むことも可能でしょう。ただし、収入に余裕があったとしても、節約を意識しない生活をしていれば、支出も相応に大きなものとなってしまいます。特に男性の場合、女性に比べて食事は外食が中心ということも多く、余裕があるとつい自分で作るのを怠ってしまいがちです。食費やアルコール費用に、5万円や6万円、ないしそれ以上使っているようだと、家賃の高いところに住んでいれば日々の生活を圧迫することにもなりかねません。また、年齢が上がってきたら、貯蓄にもある程度はお金を回しておきたいところ。食費だけではなく、家賃や交際費なども含めて節約も考えた生活が不可欠です。

4.少しずつ貯金をしていくのも大切

派遣社員は一人暮らしをするのに十分な収入を得ることができますが、正社員に比べて身分が不安定なことも事実です。そのため、派遣社員として高い収入を得ていたとしても、一人暮らしをするなら少しずつ貯金をしていくことも大切です。貯金をしていれば、いざというときでも焦らずに対応していくことができます。

一人で生活している場合、何かがあっても自分で解決しなければなりません。収入に大きな変化があれば、住居を変えなければいけないこともあるでしょう。住み替えとなれば、一人暮らしを始めたときと同様、初期費用や引っ越し代がかかります。つまり、いざというときに貯金がないと、身動きが取れなくなってしまうこともあるということです。

とはいえ、いざ貯金しようと考えても、漠然と節約しようとするだけではなかなかお金は貯まっていってくれません。ですから、本格的に貯金するつもりなら、毎月いくら貯めるのか、また生活費の何を節約するのか、明確に決めて挑戦していったほうが効率的です。収入に余裕がある場合でも、少しずつ貯金しておけば、日々の生活も安心感を持って暮らしていけるようになります。一人暮らしだからこそ、将来のことも考えて少しずつ貯金していきましょう。

一人暮らしはお金がかかる!収支のバランスを意識して生活しよう

一人暮らしには何かとお金がかかるものです。もちろん、派遣社員の収入があれば、安定した一人暮らし生活を送ることも十分可能ではあります。しかし、家賃や水道光熱費、通信費や交際費など、節約することを考えず奔放に暮らしていれば、収支のバランスはすぐに崩れてしまうでしょう。派遣社員として働いているからこそ、将来的なことも考えて、収支のバランスを意識しながら一人暮らし生活を送りましょう。

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