2020.3.25

事務職への転職を考えている人必見!一般事務と経理事務の違いとは?

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事務職は人気の高い職種です。そのため、現在の職種から事務職への転職を考えている方も多いでしょう。実は一口に事務職と言っても、一般事務と経理事務があります。転職活動をするうえで、その違いを知っておいたほうがいいでしょう。そこで、仕事内容の違いをはじめ、経理事務へ転職希望の方へ向けて資格の情報を紹介していきます。

1.業務内容や特徴の違い

まずは一般事務と経理事務に関して、それぞれの業務内容、業種の特徴について紹介します。

1-1.一般事務

一般事務は、自分自身の勤める会社の社員のサポートを行うのが仕事です。そのため、一般事務はOA事務またはアシスタントとも呼ばれているのです。業務内容としては、パソコン入力をはじめ文書作成や書類整理、電話や来客の応対などが挙げられます。そのため、会社の規模や部署によって、任される仕事内容が変わってきます。転職活動をするときは、求人情報や面接などを通じて、採用担当者に具体的にどのような業務を行うのかを確認したほうがいいでしょう。

基本的には、業務を行うために特別な資格は必要ありません。そのため、一般的なビジネスマナーさえあれば未経験であっても採用されやすく、会社に勤め始めてからエクセル・ワード・パワーポイントといったパソコンのスキルなどを身につけることも可能です。突発的な仕事はあまりなく、ほぼルーチンワークだと考えてもよいでしょう。また、残業もほぼなく、自分の力量次第で終業時刻通りに仕事を終わらせることができるため、プライベートや家庭を両立しやすいとう特徴があります。

1-2.経理事務

経理事務は、事務職兼経理職または自社の経理事務のサポートを行うのが仕事です。業務内容はお金に関することで、主に見積書作成や伝票の起票、帳簿作成などが挙げられます。お金を取り扱うことから、細かく丁寧な作業を行う必要があります。経理事務の仕事のなかで、特に忙しくなるのは月末や決算期です。そのようなときでも、慌てずに素早く仕事をすることが求められます。また、時には残業がある場合もあります。仕事に慣れてくると、会社から月次・年次決算の業務を任される場合もあるでしょう。

経理の仕事は日次・月次・年次といった定期業務があり、1年単位で基本的なスケジュールが決まっています。日次業務とは毎日の経理事務のことです。伝票の起票・記帳・整理、立て替えの経費の精算、現金の出納管理などを行います。月次業務では、その月の売上や資金の動きを把握します。主に取引先への請求・回収・支払いをはじめ、社会保険料の納付、1カ月分の経理のチェックを行うのです。年次業務では、決算書(財務諸表)の作成を行います。経理の仕事で最も重要なのが、この決算書の作成と言えるでしょう。このほか、税務申告をはじめ、株主総会用の報告書も作ります。

業務内容を見てもわかるように、経理事務は高いスキルが必要とされ、経験が評価される仕事です。そのため、採用には経験者が有利となります。また、なかには経理事務で経験を積んだあとに経理職にステップアップする方もいます。

2.やりがい・苦労の違い

ここでは、一般事務と経理事務の業務にあたってのメリット(やりがい)やデメリット(苦労)を紹介します。

2-1.一般事務

一般事務のやりがいは、人の役に立っている実感が得られることです。一般事務は社員のサポートが主な仕事となります。そのため、サポートした社員から感謝されることが多いのです。モチベーションを保ちやすい仕事と言えるでしょう。メリットとしては、効率良く仕事ができることが挙げられます。仕事の内容はルーチンワークですから、仕事をこなせばこなすほど効率良く仕事ができるようになります。

さらに、ワークライフバランスを整えやすいこともメリットして挙げられます。日々、やることが決まっているため、手際良く仕事をすれば、残業する必要もなく、時刻通りに帰宅できるでしょう。このほか、特に資格やスキルを必要としないため、未経験者でも務めることができます。初めて会社勤めをする人には最適な仕事と言えるでしょう。

一方、一般事務は一日中ほぼデスクワークの仕事で座りっぱなしのため腰に負担がかかりやすいですし、運動不足にもなるでしょう。社員に言われたことを一人で黙々とこなすため、人とのコミュニケーションは少なくなりがちです。さらに、ルーチンワークは仕事の計画を立てやすいというメリットがある半面、飽きやすいというデメリットがあります。このほか、未経験者でもできる仕事であるため、給与アップが見込みづらいというデメリットもあるのです。そのため、なかには一般事務で基礎的なビジネススキルを身につけたあとに、ほかの職種にキャリアチェンジする方もいます。

2-2.経理事務

経理事務は高いスキルと経験が求められるため、仕事を通して専門知識を身につけることが可能です。自分の成長を実感できることは、やりがいにつながり、仕事に対するモチベーションもアップするでしょう。お金を取り扱うという業務上、正確性の求められる仕事であるため、やり終わったあとは達成感を味わえます。特に、決算期など忙しい時期を乗り切ったあとの達成感は高いでしょう。また、経理事務は未経験者よりも経験者が重視される仕事のため、キャリアアップもしやすいと言えるでしょう。どのような仕事でも経理は必要となるため、求人数も多く転職もしやすいと言えるでしょう。

このようなやりがいやデメリットもある半面、苦労もあります。まず、お金を扱う仕事のためミスが許されず、細かい作業が中心となります。そのため、常に気持ちが張り詰め、プレッシャーに弱い方はストレスが溜まりがちです。さらに、仕事をこなすためには高いスキルを身につける必要があります。このほか、一般事務と同じくデスクワークが中心であることもデメリットです。座りっぱなしのため腰への負担も大きく、運動不足になりがちなのです。仕事の合間にストレッチなどを取り入れ、疲れを軽減させる工夫が必要でしょう。

3.お給料の違い

一般事務と経理事務の給料は、どのようになっているのでしょうか。ここでは、平成30年度にハローワークで受理した、無期かつフルタイムの求人に係る求人賃金(月給)の上限額と下限額の中間値の平均を時給換算(月額×12÷52÷40)した額を参考に紹介していきます。

3-1.一般事務

一般事務の給料は時給換算で1154円、月給換算で約20万円となります。低くも高くもなく一般的な金額と言えるでしょう。勤務年数が上がると月給も増え、勤続20年の場合は月給約36万3000円です。

3-2.経理事務

経理事務の給料は時給換算で1321円、月給換算で約22万9000円になります。勤務年数が上がると月給も増え、勤続年数20年の場合は月給約39万5000円です。一般事務の給料と比べるとスタート時点から給料が高く、さらに勤めている年数が増えれば増えるほどその差は広がっていく傾向にあります。

4.他職や一般事務から経理事務への転職は可能か?

経理事務は給料面などの待遇が良いため、転職したいと希望する方が多い職種です。また、経理はどこの会社にも必要な業務のため、転職市場において求人数は多く、常にある状態です。ただし、業務上高いスキルが必要とされるため、経験者が優遇される傾向にあります。未経験者から経理事務に転職するのはむずかしいと言えるかもしれません。

だからと言って「未経験者には経理事務の仕事はできない」というようなことはありません。たとえば、派遣社員として経理アシスタントの経験を積み、スキルを身につけるといった方法があります。正社員と比べ、派遣社員は未経験者でも採用されやすいのです。一般事務として働きながら経理事務へのキャリアチェンジに有利な資格を取るといった方法もあります。

経理事務への転職に有利な資格としては、日商簿記検定3級以上やFASS検定があります。日商簿記検定は経理能力を証明する資格の代表格です。経理関連の職種はもちろんのこと、さまざまな職種の方にも通用する資格です。取得しておくと高い評価が得られるでしょう。試験方法は筆記試験で、試験区分は1級から3級まであり、どの級も正解率70%以上で合格となります。3級の合格率は約40%です。受検料は3級2800円、2級4630円、1級7710円で受検資格は特にありません。

試験日程は2級と3級の場合は6月の第2日曜日、11月の第3日曜日、2月の第4日曜日と年に3回、1級の場合は6月の第2日曜日、11月の第3日曜日と年に2回です。回数が少ないため、受検のためのスケジュール調整が大変です。ただし、3級と2級、2級と1級はダブル受検も可能で、試験会場も大学や高校、中学など全国で約500カ所と多くなっています。

一方、FASS検定は2005年11月にスタートした新しい資格です。経済産業省が整理した「経理・財務サービススキルスタンダード」を基にして、実務能力がどのぐらいあるのかを測定します。従来の日商簿記検定にはない実務能力を測定できるという点が高く評価されています。そのため、経理事務への求人市場でも高い評価を受けているのです。試験方法はコンピュータによる四肢択一形式で、TOEICのように級ではなくスコアで評価されます。そのため、少量でも勉強した成果がわかりやすいといった特徴があります。勉強へのモチベーションを保ちやすいと言えるでしょう。

また、受検資格は特にありません。受検検定料は10800円で、検定料が高いことがデメリットです。しかし、上期試験は5月1日から7月31日まで、下期試験は11月1日から1月31日までと長く、期間中いつでも受検できるというメリットがあります。さらに、受検日の3日前まで予約可能であるため、仕事やプライベートなどで忙しい方に最適です。

情報をそろえて賢い転職を

一般事務と経理事務は似たような職種と言えますが、業務内容や求められるスキルを考えると、全く別の職業であると捉えたほうが良いでしょう。そのため、自分のキャリア志向や持っている特性を踏まえて、どちらの職種が合っているのかを見極める必要があります。後悔しないように、よく検討してから職種を選ぶようにしましょう。

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