コールセンターでクレームは受ける?クレームの種類や対応方法を解説!
工場を持つ製造業でもコールセンターが設置されていることは少なくありません。お客様からの質問、意見などを受け付けるために重要な部署だといえます。ただ、コールセンターにはクレームが来ることもあり、働く方は不安でしょう。この記事では、製造業向けのクレームでよくある内容やパターン、対処法などを解説していきます。
基本的にはコールセンターで働く以上、クレームはあると想定しておくことが肝心です。特に、顧客数の多い業種、契約プランが複雑な商品・サービスなどはクレーム対象になりやすいといえます。一方で、それほどクレームがかかってこないコールセンターも珍しくありません。企業向けに設置されたコールセンターなどではビジネスマナーを尊重している方からの電話が多くなるので、不満や疑問があってもクレームという形になりにくいからです。
「もしも攻撃的なクレームを受けてしまったらどうしよう」と考える方もいるでしょう。確かに、「クレーマー」と呼ばれるタイプのお客様からの電話は、ときとして陰湿になることもありえます。どれほど丁寧に対応しても揚げ足をとられ、批判を浴びせられてしまうのです。また、技術的な不満をぶつけられるなど、特殊な内容になれば一般のオペレーターで答えられるものではありません。ただ、これらの過激であったり変則的であったりするクレームは上長につなぐことも可能です。オペレーターに求められているのはあくまで、マニュアルの範囲内でお客様に受け答える業務です。
オペレーターとして冷静にコールセンターで働き続けるには、お客様のパターンを知っておくことです。よくあるクレームを押さえておけば、実際にかかってきても感情的にならず対処できます。以下、クレームの代表例を挙げていきます。
商品やサービス内容についての不満がクレームになるのは非常に多いパターンです。たとえば、パッケージの表記と中身が違ったとして怒りを感じるのは当然の心理です。最初から商品が壊れていたり、宣伝に誇張が含まれていたりしたときも抗議につながりやすくなります。そのほか、食品で起こりえるのが「産地偽装」「容量の間違い」などです。伝えられていた賞味期限よりも早く食品が傷んだ場合などもクレームは起こりえます。
経営陣や工場に落ち度はなかったものの、商品やサービスを提供する販売店で問題が生じたパターンです。その中でも、接客態度についてのクレームは絶えません。「敬語がなっていない」「強引に商品を勧められた」などのトラブルは各地で起こっています。また、社員やアルバイトの素行不良を目撃して、コールセンターにかけてくるお客様もいます。なお、このパターンでは、販売店側が無意識に行っていた対応が批判されることも少なくありません。「忙しくてお客様に呼び止められたのに待たせてしまった」などのいたし方ない状況でも、相手の怒りを買ってしまうこともあります。
企業としては健全に商品・サービスを提供し、接客態度にも問題がなかったにもかかわらず、クレームが発生することはあります。たとえば、お客様が商品を取り違えただけなのに「全然使用できない」と怒ってくるなどのケースです。また、店員から十分な説明がなされていたのに、その内容をお客様が忘れていてクレームとして連絡してくることもあります。こちらに非がない内容でクレームを投げかけてきて、損害賠償をだましとろうとするお客様もゼロではありません。コールセンターはお客様の真意を見抜いたうえで、ときには毅然とした対応も求められます。お客様を疑うわけではないものの、事実確認を怠らないようにしましょう。
クレームをかけてくる方の心理はさまざまです。相手の気持ちを理解しておかないと、無駄な時間と労力が割かれてしまうこともあります。ここからは、お客様の求めていることをいくつか挙げていきます。
多くのお客様は純粋に問題を解決したいだけです。このパターンでは「箱の中身が違った。取り返してほしい」など、着地点が明白です。コールセンター側も比較的対応しやすいお客様だといえます。
「どうしてそのようなことになったのか」という返答が欲しいお客様もいます。たとえば、店頭でスタッフからぞんざいな扱いを受けたとして、社員研修や業務マニュアルはどうなっているのかと疑問を抱いているのです。ただ、答え方次第で余計にお客様の怒りを増幅させることもあるので注意が必要です。
お客様が、それほど大問題に見えない事態について激怒してくるとき、日常生活のストレスが原因となっていることもあります。家庭や仕事でストレスがたまる経験をしているため、クレームという形でストレス解消が行われるのです。
一人暮らしの高齢者など、寂しさを抱えている方に多いパターンです。クレーム自体が重要なのではなく、自分が誰かから相手にされている、受け入れられているという状況を作りたいのだと考えられます。
「嫌な思いをしたのだから、相応の補償を受ける権利がある」という考え方です。エスカレートした場合には、金銭やクーポンなどを求めてくる可能性も出てきます。
いわゆる「クレーマー」と呼ばれるタイプに多い心理です。彼らはクレームを通して補償を求めているわけではありません。ただ、「お客様」という立場から、会社側を一方的に罵倒できる時間を楽しんでいるのです。また、相手に謝罪される気持ちよさを味わいたいと考えているクレーマーもいます。このような方々はクレームそのものが目的なので、何度も同様の電話を繰り返す傾向があります。
お客様に対応していると、要求がどんどん過激になっていくこともあります。慣れていないと相手に威圧されてされてしまい、言いなりになる可能性も出てきます。以下、コールセンターでよく相手から言われる台詞を挙げていきます。
オペレーターは基本的にマニュアル通りの対応をするので、お客様との会話が平行線を辿ることも少なくありません。また、オペレーターには大きな決定権がないため、「確認します」「お待ちください」と言うしかない場面も生まれます。そのようなとき、一部のお客様は上層部と話すことを要求してきます。
不満を解消する方法として、お金や特別なサービスを求めてくる方もいます。彼らは最初から補償目当てで電話をかけてくることもあります。一方で、オペレーターとの会話がこじれて怒りのあまり補償を言い出すケースも珍しくありません。感情的なお客様に対しても、オペレーターは取り乱さず話すことが大事です。
強い怒りを抱えているお客様の多くは謝罪を要求します。ただ、素直に謝っても「誠意が足りない」「どうせマニュアル通りだろう」と返してくることもあります。そもそも、原因が自社にあるか判明していない時点で謝るのも得策とはいえません。どれほど要求されても、事実を確認するまでは謝罪を口にしないよう心がけましょう。
話が長引くと、お客様が口走るようになる台詞です。自分の要求が通らない状況下で、「他の対応を示せ」とあおっているのです。ただ、正当な証拠や根拠もないのにこの台詞を出すのは、「もう相手を説得できない」とあきらめているからでもあります。これ以上話し合っても、事態はほとんど前進しません。対応を切り上げることを考え始めるのもひとつの選択肢です。
コールセンターで働くには、クレーム対応のコツを押さえておきましょう。以下のポイントを意識するとお客様を刺激せず、円満に事態を解決しやすくなります。
お客様がクレームをかけてくるのは、「話を聞いてほしい」という心理が働いている場合もあります。どれほど相手が理不尽に思えても、まずは話を聞きましょう。とりあえず言いたいことを吐き出してもらえれば、怒りが静まる可能性も出てきます。途中でさえぎるのも厳禁です。
オペレーターが感情的になると、お客様の火に油を注いでしまうも同然です。お客様は商品やサービスに不満をぶつけているのであり、オペレーター個人と喧嘩をしたいのではありません。そう自分に言い聞かせて冷静さを保ちましょう。
お客様の言葉を気にしていると、ストレスはたまっていくばかりです。そして、いつの日かお客様相手に爆発する恐れも生まれます。「仕事だから」「どうせ赤の他人だから」と割り切り、嫌な言葉は思い出さないようにします。
言葉尻がきついお客様に良い印象を持つのは難しいでしょう。ただ、相手を悪質なクレーマーだと決めつけてかかった場合、問題の本質が見えにくくなります。言い方が厳しいだけで、お客様の抱えている悩みが切実な場合もあるのです。オペレーターは言葉の本質を探るよう心がけます。
お客様を興奮させないためには、言葉遣いが肝心です。敬語を完璧に使いこなすほか、些細な言い回しで隙を作らないようにしましょう。「よろしいですか」を「よろしかったですか」と言うだけで、批判してくるお客様がいないとも限りません。また、丁寧語や謙譲語を間違えないよう、復習しておくことも大切です。
相手に言われるがまま謝罪をしていると、どんどん企業側の立場を悪くしてしまいます。そして、お客様は「これなら要求も通るだろう」と考え、クレームをエスカレートさせていくのです。不必要な謝罪はしないことが重要です。場合によっては「ご迷惑をおかけいたしております」などの表現に留めておき、確認が取れるまで謝らずにおきましょう。
コールセンターで働くからには、クレームがかかってくるのは避けにくいといえます。しかし、お客様の心理状態、原因を踏まえて話をすれば冷静に対処しやすくなります。また、業種によってはクレームの少ないコールセンターも珍しくありません。「はたらくヨロコビ.com」では全国のコールセンターの求人情報も検索可能です。自分に合う職場を選ぶ際に利用しましょう。
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