派遣社員の履歴書の書き方は?志望動機は書いた方が良い?
就職や転職を希望する際には、応募する会社に履歴書を提出するものです。実際、大部分の方は、アルバイトや正社員として働くために、履歴書を書いた経験があるはずです。しかし、派遣社員の履歴書となると、経験がなく、書き方がよくわからないという人も多いのではないでしょうか。そこで、派遣社員の履歴書は通常のものと何が違うのかを紹介しつつ、書き方の注意点などについて解説していきます。
派遣社員が書く履歴書には2つの種類があります。1つは派遣会社に登録する際に提出する履歴書で、もう1つは派遣社員として働いていて正社員などを希望して他の企業に提出する履歴書です。この段落ではまず、前者の履歴書の書き方について説明をしていきます。
派遣会社に提出する履歴書の書き方を通常のものと比べた場合、最大の相違点といえるのが志望動機の記載の有無です。普通、志望動機といえば、履歴書の中で最も大切な項目だといっても過言ではないほどですが、派遣会社に提出する際には基本的に必要ありません。なぜなら、志望動機とは、なぜこの会社で働きたいのかを伝えるものだからです。派遣会社に登録したとしてもそこで働くわけではなく、職場はあくまでも派遣先企業なので、それを紹介する前に志望動機を尋ねても意味がないというわけです。したがって、履歴書の志望動機の欄は空白にしておくのが正解だということです。
ただし、場合によっては派遣会社のほうから、志望動機も記載するようにと指示があるケースもあります。そのときは、派遣会社で働きたい理由を書くのではなく、「この派遣会社を登録先に選んだ理由」「希望の職種とその職種に対する志望動機」の2点にポイントを絞って書くようにしましょう。
次に、職歴、実績、スキルなどのアピールポイントを記載します。これは派遣会社が、紹介する企業を選択する際の重要な情報となるため、特に詳細に書く必要があります。そもそも、アピールポイントが何もなければ、派遣会社も企業へ紹介しづらくなっていまいます。そして、紹介するにはアピールする材料は多ければ多いほどよいわけです。したがって、資格、スキル、自己PRなどはなるべく多く記載するように心がけることが大切です。最後に、自分が希望する条件を書くのを忘れないようにしましょう。これがきちんと記載されていないと、意に沿わない仕事ばかり紹介されてしまうなどといったことにもなりかねません。
派遣会社に提出するものとは異なり、派遣社員として働いていて、正社員などを希望して他の企業に提出する履歴書の内容は一般の履歴書に近いものがあります。しかし、全く同じというわけではありません。そこで、実際に記載する際に戸惑わないように、一般の履歴書の内容とは異なるポイントについて解説をしていきます。
正社員から正社員への転職の場合、履歴書には今まで勤めてきた会社の名前を記載することになります。しかし、派遣社員として働いてきた場合は派遣先の企業に加えて、今までに登録してきた派遣元、すなわち派遣会社の名前も記載する必要があります。たとえば、「平成○○年○月 株式会社Aに派遣登録」「平成○○年○月 株式会社Bに一般業務として就業」「平成××年×月 派遣期間満了」といった具合です。ただし、派遣先の数が多すぎて書ききれない場合は、「平成○○年○月 株式会社Aに派遣登録」「平成○○年○月 株式会社Bに一般業務として就業(平成××年×月まで)」といった具合に派遣先の情報を一行にまとめてしまう書き方もあります。
それから、以上の例を見てもわかる通り、派遣として働いた場合は職歴の欄に「入社」「退社」と書くのは不適切です。必ず、「就業」「派遣期間満了」と書くようにしましょう。ちなみに、派遣としての契約が満期を迎えて職場を去ったのであれば、「派遣期間満了」と書けばよいのですが、何らかの事情があり、契約期間の途中で自分から仕事を辞めた場合は異なります。そうしたケースでは自己都合退社となり、職歴のところには「一身上の都合により退職」と記載しなければなりません。いずれにしても、派遣先企業との契約期間がいつからいつまでなのかをわかりやすく書くことが大切です。
同じ派遣社員でもこれまで登録してきた派遣元や勤務してきた派遣先の数によって、履歴書の書き方は変わってくるので注意が必要です。まず、派遣元が一社の場合は基本通り書けば問題はありません。つまり、「平成○○年○月 株式会社○○に派遣登録」といった具合に、職歴欄の一番上に派遣元の情報を書き、その下に就業した順番で派遣先会社の情報を書いていくわけです。
それに対して、たとえば、3社の派遣会社に登録し、それぞれの派遣会社で1社ずつ派遣先を紹介してもらったといった具合に、派遣元が複数の場合は書き方が変わってきます。そういったケースでは、登録が早かった順に、「派遣元Aの登録年月日」「派遣元A から紹介された企業の就業年月日」「満期終了年月日」「派遣元Bの登録年月日」「派遣元Bから紹介された企業の就業年月日」「満期終了年月日」といった要領で記載していきます。
また、3社の派遣会社に登録し、それぞれの派遣会社で3社ずつ派遣先を紹介してもらったというように、派遣元も派遣先も複数の場合は多すぎて履歴書に書ききれなくなるかもしれません。そういう場合はどうすればよいのかというと、登録が早かった順に派遣元の情報を書き、同じ欄に派遣先の情報も集約して書きます。要するに、「平成○○年○月 株式会社○○に派遣登録(派遣先A、B、C)」というふうに短縮してしまうわけです。また、次の行には「平成××年×月満期終了」と記載します。そして、さらに次の行には新たに登録した派遣会社の情報を書き、以下はその繰り返しです。
ちなみに、複数の派遣元に登録したものの、派遣先を紹介してもらったのは1社だけという場合は、紹介してもらった派遣元と派遣先の情報のみを記載し、それ以外の派遣元の情報を書く必要はありません。それは、派遣元に登録しているだけでは職歴とはいえないからです。
派遣社員として働く場合、派遣会社から履歴書のほかに職務履歴書の提出を求められるケースがあります。しかし、履歴書と職務履歴書では一体何が違うのか疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。簡単に説明すると、履歴書とは氏名、年齢、住所をはじめとして、その人の基本情報を得るためのものです。それに対して、職務履歴書というのは各職務に対してどのようなスキルがあって何ができるのかといった具合に、仕事に関する具体的な能力を知るためのものということになります。
したがって、相手に自分の人となりを知ってもらうためにも、履歴書には正社員としての職歴がある場合はそれを優先して書くのが基本です。それに対して、職務履歴書はこれから働いてもらう仕事に対する具体的な能力を知るためのものなので、派遣の仕事をするための履歴書であれば派遣としての職歴を多く書くのが適切だといえるでしょう。
一昔前まで、履歴書は手書きが有利だといわれていました。なぜなら、筆跡によって人柄が推測できると考えられていたからです。また、PC入力の文字は機械的で冷たいイメージを持たれがちでした。しかし、現在ではどちらでも構わないという企業がほとんどです。したがって、どちらを選択しても、それで有利になったり、不利になったりすることはあまりないといえます。ただ、IT系の派遣先企業などの場合は、「パソコンが使えないのだろうか?」と不安を抱かせないためにもPC入力で作成したほうが無難です。
さらに、派遣先の履歴は部署名まで書くべきかどうかで悩んでいる方がいるかもしれませんが、これは書いたほうがよいでしょう。なぜなら、職歴に関してはなるべく具体的な情報があったほうが、派遣先企業への推薦がスムーズになるからです。最後に、単発の派遣業務を書くべきかという問題があります。これも同じように、相手に少しでも詳しい情報を提供する意味ですべて書くのが正解です。もし、多すぎて書ききれないという場合は、「各種単発業務○○、××」といった具合に、簡潔にまとめる工夫をしてみましょう。
派遣社員の履歴書の書き方には独自のルールがあり、それをしっかりと理解しておくことが大切です。しかし、調べてもよくわからないということもときにはあるものです。そういう場合は工場系求人サイトである「はたらくヨロコビ.com」の利用をおすすめします。はたらくヨロコビ.comはお仕事を紹介するだけでなく、就職のプロに悩みを相談することも可能です。一度、利用を検討してみてはいかがでしょうか。