2022.03.03

【派遣事務員から建機教習所の講師に転身!】未経験スタートだからこそできた、わかりやすい講習とは?女性講師・小菅恵里さんに聞きました

はじめに

建設業界も現場で活躍する女性が徐々に増えてきました。
その一人が、株式会社PCT ひたちなかICTデモサイトで「完全体験型」ICT施工講習の講師として活躍する小菅恵里さんです。話をお聞きすると、入社時は講師業務とは全く関係ない派遣事務職だったとのこと。
人前で話すことも苦手だった小菅さんが講師になれた理由や仕事のやりがい、未経験ではじめたからこそできる講習のポイントをインタビュー形式で紹介します。

プロフィール
出身:栃木県真岡市
前職業:飲食店接客業・工場勤務
趣味・休日の過ごし方:カフェ・パン屋巡り バイク整備

業界未経験。事務職から建機教習センタの講師に

― 本日はよろしくお願いします。簡単に自己紹介をお願いできますか。

小菅さん(以下、敬称略):株式会社PCT ひたちなかICTデモサイトでICT施工講師を行う小菅恵里(こすげえり)と申します。あらたまって話すとなんだか緊張しますね(笑)

記事画像

(緊張しながらも笑顔がすてきな小菅さん)

― 入社時は、事務員として働いていたそうですね。

小菅:そうなんです。もともと派遣会社を通して栃木教習所で事務員として働いていました。それから準社員に昇級するタイミングで事務員から建機講習の講師になりました。

― 業界も未経験だったとお聞きしています。

小菅:土木・建設業はまったくの未経験でした。もちろん、講師の経験もありませんし、建機を操縦したこともありませんでした (笑)。

講師に転身したきっかけは、「役に立ちたい」という想い

― 講師の仕事をやりたいと思っていましたか。

小菅:声をかけてもらうまで全く思っていませんでした。興味はあったものの、すぐに顔が赤面するぐらい人前で話すのは苦手で……。でも、せっかくチャンスをもらえるならやってみようと奮起。まったく知識がなく、不安だったので、毎日の勉強と持ち前のやる気で、日々を過ごしていたのを覚えています。

― 講師の仕事が面白いと感じ始めたきっかけはありますか?

小菅:日ごろから先輩講師の方たちと触れ合う中で、少しずつですが講師の仕事に興味を持ちました。基本的に講師は経験者がほとんどです。しかし、その反面で、講師の高齢化も問題になっていたんです。ですので、未経験ではありましたが、経験豊富な先輩方が在籍しているうちにしっかり指導してもらって、講師のスキルを身につけ、少しでも力になれたらと思ったのがきっかけですね。

未経験の私だからこそできる講習を

― 未経験で講師をはじめてみていかがでしたか。

小菅:自分が講師になるために勉強し始めたとき、一番大変だったのは講習内で飛び交う専門用語がわからないことでした。工業高校の出身でもない私は、講師の話している内容がさっぱり分からず困ったのを覚えています。専門用語がわからないと講習が理解できず、最初のうちは座学の際に、何度も眠くなりました(笑)
でも未経験の私だからこそできる講習スタイルがあると思ったのも事実です。
「これくらいは知っていて当たり前」という“わかっている前提”で講習を行うのではなく、初心者でもわかるように、噛み砕いた言葉や分かりやすい例えを使って、丁寧な講習を心がけたいと思いました。

― 丁寧な講習のポイントはありますか。

小菅:そうですね。たとえ経験者であっても、ゼロからスタートするのが当たり前、という基本を忘れないよう心がけています。
例えば建設機械にはブームやバケットといって、各部分に名称があるのですが、「ブームは腕」「バケットをバケツ」など、受講生の誰もがイメージしやすいことを一番に考えて話すようにしています。

他には、講義中はなるべくテキスト通りに進めることを意識しています。講義を盛り上げるために話を脱線させたくなる方もいるとは思うのですが。テキストから内容がそれて、話があっちこっちに飛んでしまうと、テキストを見ながら話しを聞いている受講生は分かりにくくなってしまいます。それでは本末転倒ですよね。

記事画像
いちばんのやりがいは合格して喜ぶ受講者の姿

― 未経験からのスタートは苦労の連続だったと思います。モチベーションはどこからきていましたか。

小菅:全くの未経験で不安も多く、毎日が勉強でした。でも講師になった当初は、分からないことも多く、それこそ休みの日も勉強していました。女性勤務者も少なかったので、最初は先輩にうまく相談もできなくて苦労しました。

でも、先輩講師に支えられながらひとつひとつ課題を克服していくうちに、楽しさも見えてきました。モチベーションの源泉は「受講者のみなさんに迷惑をかけてはいけない!」という使命感ですかね。今だってまだまだ勉強中の身ですが、講師である以上は教える立場なので責任も重大だと感じています。

ただ、受講生が資格試験に合格してくれた時は何よりもうれしいんですね。講習を受けてくださった方に「先生に習ってよかったです」などの言葉をもらったときは、これまでの苦労や疲れなんか吹っ飛んでしまいます。これからも、聞きやすくて、わかりやすい講習で、建設・土木業界の施工の楽しさを伝えていきたいです。

建設DXに欠かせないICT施工の講習を担当 安心して学びに来て欲しい
記事画像

― 今、小菅さんは、ICT(情報通信技術)建機を使った講師をされていますが、施工の魅力についてもお聞かせください。

小菅:ICT(情報通信技術)と聞くと難しそうに聞こえるのですが、かんたんに説明すると、最新のテクノロジーを活用して土木・建設業務をより便利に快適に、スピーディにしていきましょうということ。

例えば、敷き均しやブレードで土をならす作業など、今までは熟練職人が経験をもとに手動で建機を微調節していたものが、ICT建機であれば、ある程度練習を積めば、誰でも行えるようになります。また、ドローン(UAV)を活用すれば、これまで何日もかかっていた測量業務が、ひとりで簡単に行えるようになります。

初心者でも簡単に測量や施工ができるようになって、現場全体の生産性が上がりますし、現場で起こる労働災害リスクも大きく減らせます。ですから、ICTを上手に活用することで、多くのメリットが享受できるんですよ。

― 最後に、どのような方に講習を受講してもらいたいですか。

小菅:講習を通して、「ICT施工の利便性」「ICT建機のラクさ、楽しさ」を理解して頂くことで、「ICT施工は難しい!」といったネガティブなイメージを変えて行きたいですね。いまだに、「3K」=「汚い、きつい、危険」というイメージがつきまとう建設業界ですが、ICTを活用することで、本当に、スマートに楽しく働けるんです。

まずは、気軽な気持ちで「ひたちなかICTデモサイト」にいらっしゃっていただければと、嬉しいですね。

まとめ

ICT施工講習の講師として活躍する小菅恵里さんにお話をお聞きしました。
未経験からスタートしたからこそ、分かることがたくさんありました。
次回は、いよいよ小菅さんが講師として行なっている「ICT施工講習の訪問レポート」を紹介しますので、お楽しみに。

また、ICT施工講習に興味を持った方はこちらもお読みください!
「ICT施工講習訪問レポート」 (https://www.894651.com/column/job-skill-103/)