2021.03.02

更新が必要な国家資格は?失効、再交付とならないためのポイントを解説します

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はじめに

スキルをアップや仕事のために、国家資格を持っている人もたくさんいます。さまざまなメリットがある国家資格ですが、種類によっては定期的な更新が必要なものもあります。資格をとってから数年たっている場合や、子育てなどのために退職したものの、資格を活かして復職しようとしている場合には、資格の更新が必要かもしれません。
今回は、更新が必要な国家資格の種類や更新方法、更新しないとどうなってしまうのかなどを解説します。

国家資格って更新必要?更新しないとどうなってしまう?
自動車免許と同じように更新が必要な資格もある

国家資格には更新が必要なものがあります。例えば、みなさんがよく知っている「普通自動車第一種免許(自動車免許)」はその代表です。5年や3年ごとに更新が必要で、更新しなければ免許失効となり、車の運転ができなくなってしまいます。もし失効してしまい再交付期間を過ぎてしまうと、もう一度免許を取りなおさないといけません。このように、更新が必要な資格は必要に応じてきちんと更新しないと、業務を行えなかったり、再取得が必要になるなどの制約や手間が発生してしまいます。そのため、持っている資格に更新が必要かどうかを知っておくことは大切です。

気づかないうちに失効してしまうと法律違反になることも

製造業で働いている人にも、資格を持っている人がたくさんいます。製造業の工場ではフォークリフトや玉掛け、クレーンなどの資格を持っている人が多いです。自動車整備士や電気工事士、電気主任技術者、機械保全技能士などの技術的な資格を持っている人もいるでしょう。気づかないうちに失効してしまった場合、無資格で仕事をしてしまい、大きな問題になってしまうかもしれません。気をつけましょう。

自動車整備士は資格更新不要!ただし自動車検査員は必要!
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自動車整備士は1級、2級、3級がありますが、どの級も更新する必要はありません。そのため、子育てなどのために仕事から離れている期間があっても資格を失うことはありません。復職するときにも、資格を活かして再就職できます。
しかしスキルや知識を維持するためには勉強も大切です。いったん身に着けたスキルは、すぐになくなってしまうことはありませんが、就職活動を行うときには、必要なことを思い出すためにも勉強しておくといいでしょう。
一方で自動車検査員は資格の更新が必要です。自動車検査員は1級、2級の自動車整備士が取得できる資格で、車検の最終判断などを行うために必要な資格です。自動車検査員の資格を持っている人は、定期的に講習を受け、資格を更新しなければいけません。

第一種電気工事士は資格更新が必要!
第一種電気工事士は5年ごとの更新

第一種電気工事士は5年ごとに講習を受け、資格を更新しなければいけません。更新の期間は電気工事法によって決められており、もし更新できなかったときには資格を返さなければいけません。資格がない状態で仕事をすることはできず、もし無資格で作業すると法律違反になってしまいます。会社で働いている場合には、更新のタイミングになると会社からアナウンスしてもらえる場合もありますが、できるだけ自分で期限をチェックして講習を受講するようにしましょう。
講習は全国各地で受けられます。各地域の会場や日程を確認しましょう。講習の申し込み締め切りは講習日の2週間前までのところが多いので、余裕をもって申し込みたいですね。申し込みはインターネットや郵送でできます。

やむを得ない場合には期限が過ぎていても更新できる

例えば、仕事で長い間海外へ出張に行っていたなど、やむを得ない理由で受講できない場合は、期限を過ぎても講習を受講できます。
同じ電気工事士であっても、第二種電気工事士は資格の更新は必要ありません。一度取得すればその後ずっと有効な資格です。

その他の資格の更新
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名称 更新必要かどうか
普通自動車 普通自動車第一種運転免許 3年または5年ごとに更新
普通自動車第二種運転免許
フォークリフト フォークリフト運転技能講習 不要
フォークリフト特別教育
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育
振動工具 チェーンソー以外の振動工具取扱作業者に対する
安全衛生教育
不要
フルハーネス フルハーネス型墜落制止用器具特別教育 不要
粉じん 粉じん作業特別教育 不要
自由研削砥石 自由研削用といしの取替え又は取替え時の
試運転の業務に係る特別教育
不要
ローラー運転 ローラーの運転の業務に係る特別教育 不要
電検 第一種電気主任技術者免状 不要
第二種電気主任技術者免状
第三種電気主任技術者免状
電気工事 第一種電気工事士免状 5年ごとに講習を受講
第二種電気工事士免状 不要
衛生管理者 第一種衛生管理者免許 不要
第二種衛生管理者免許
危険物取扱者 甲種危険物取扱者免状 10年ごとに写真の書換え
丙種危険物取扱者免状
乙種第一類危険物取扱者免状
乙種第二類危険物取扱者免状
乙種第三類危険物取扱者免状
乙種第四類危険物取扱者免状
乙種第五類危険物取扱者免状
乙種第六類危険物取扱者免状
ボイラー技士 特級ボイラー技士免許 不要
一級ボイラー技士免許
二級ボイラー技士免許
クレーン クレーン・デリック運転士免許 不要
建築板金 1級建築板金技能検定試験 不要
2級建築板金技能検定試験
3級建築板金技能検定試験
工場板金 特級工場板金技能検定試験 不要
1級工場板金技能検定試験
2級工場板金技能検定試験
3級工場板金技能検定試験
プレス機械作業 プレス機械作業主任者技能講習 不要
玉掛け 玉掛け技能講習 不要
溶接 アーク溶接等の業務に係る特別教育 不要
ガス溶接技能講習
ガス溶接作業主任者免許
特別ボイラー溶接士免許 2年ごとに更新必要
普通ボイラー溶接士免許
まとめ

国家資格は取得した後に更新が必要な資格もあることを紹介しました。更新までの期間が長いと、更新のタイミングを忘れてしまうこともあるかもしれません。一覧表を確認して、忘れずに更新しましょう。