ワークスタイル

履歴書の書き方とマナーの基本

履歴書をいざ書こうとすると、どのように記載するべきか迷ってしまうもの。履歴書は自分の基本情報を採用担当者に伝える書類です。採用担当者は、履歴書を通して応募者の人となりを把握し、自社に欲しい人材かどうかを判断します。どれほどやる気があっても、間違った書き方をしてしまうと、なかなか面接まで進めないこともあります。今回は、履歴書の基本的な書き方や自己アピールの書き方についてご紹介します。

【目次】

■履歴書の書き方

・日付

・証明写真

・氏名・住所

・連絡先欄

・学歴

■職歴

・免許・資格

・志望動機

・自己PR

・特技・趣味

・本人希望欄

■履歴書の基本マナーを押さえよう

・黒のボールペンか万年筆で書く

・修正せずに書き直す

・年号は統一する

・省略をしない

■履歴書を書く際の注意点は?

・書き終わったら見直しをする

・空欄を作らない

・使いまわさない

・完成したらコピーを取る

■送付状の書き方

■封筒の書き方

■履歴書を提出する際のマナー

・郵送する場合

・メールやフォームで送る場合

・持参する場合

■経験がなくてもチャレンジしやすい業種は?

・旅行業・アパレル・飲食業界

・製造業界

■まとめ


履歴書の書き方

履歴書は、就職活動で企業に自分をアピールするための大切な書類です。まずは、履歴書の基本的な書き方を押さえておきましょう。なお、厚生労働省は公平な選考をするための履歴書を公表しており、これが基本的なテンプレートとなります。形式に迷ったら、厚生労働省が公表しているテンプレートをダウンロードして書くところから始めてみましょう。

新たな履歴書の様式例の作成について|厚生労働省

応募企業から履歴書の指定がなければ、ほかのテンプレートを選んでも問題ありません。これまで多くの経験を積んできた中途採用者であれば、職歴欄をたっぷり取ることで自分の経歴をしっかりと伝えられます。職歴が浅い第二新卒なら、職歴の代わりに志望動機・自己PR・特技欄を広げてもいいでしょう。自分のキャリアに合ったテンプレートを選ぶことで、採用担当者へより効果的なアピールができます。

下記では、履歴書の各項目の基本的な書き方についてご紹介します。

日付

郵送の場合は「投函日」、持参する場合は面接当日の日付を記載します。昭和・平成・令和などの「元号」で記載するのが一般的ですが、重要なのは履歴書全体で統一されていることです。日付の書き方が統一されていれば、西暦でも問題ありません。生年月日の(満〇〇歳)については、記入日時点の年齢を記載しましょう。

証明写真

履歴書に貼る証明写真は、原則として3ヶ月以内に撮影した写真を使います。証明写真のサイズは2.4cm×3cm、または3cm×4cmが一般的で、3~6ヶ月以内に撮影した写真を使うのが望ましいでしょう。期限にルールはないですが、証明写真は本人であることを証明するものであると同時に、自分の印象を伝えるという役割もあります。写真と本人の印象が違いすぎると、面接官に不信感を抱かれてしまう可能性もあります。

写真撮影の方法に指定はありません。写真スタジオに依頼したり、証明写真機やスマートフォンで撮影したりと、さまざまな方法が選べます。写真でより好印象を与えたい場合には、プロに依頼するスタジオ撮影が無難でしょう。

氏名・住所

氏名を書くときには、姓と名前の間にスペースを入れると読みやすくなります。住所は都道府県から正確に書きましょう。マンション名も省略せずに、正式名称で書いてください。履歴書に「ふりがな」とあればひらがなで、「フリガナ」ならカタカナで記載しましょう。

連絡先欄

連絡先欄には、電話番号やメールアドレスを記載します。固定電話の欄があって、固定電話がない場合は「なし」と記載します。読み間違いがないように、ブロック体で丁寧に記します。O(オー)や0(ゼロ)、1や7といった見間違いが起きやすい記号があれば、見分けがつくような記載方法をするか、そこだけにふりがなを振ってもいいでしょう。

メールアドレスは、学生なら学校から支給されたアドレスを、社会人ならフリーメールを使いましょう。添付ファイルを開封する際、スマホだと閲覧できない・ダウンロードできないといった問題が起きやすいので、パソコンからも開けるメールアドレスを使うのが無難です。また、メールを通じて採用担当者と何度かやり取りをするので、就職・転職用に新しくフリーメールを作成するか、頻繁にチェックするアドレスを使ってください。

学歴

学歴・職歴欄の1行目中央に「学歴」と記載し、その下に学校名と入学・卒業いずれかを記載します。新卒であれば、「中学校卒業」から記載するのが一般的ですが、転職の場合は義務教育を書く必要はありません。

学校名は省略せず、「〇〇県立〇〇高等学校 入学」「〇〇大学□□学部△△学科 卒業」というように、正式名称で記入します。まだ学校を卒業していない場合は「卒業見込み」と書きます。年・月については、履歴書全体で和暦・西暦表記のいずれかに統一しましょう。

学歴を書き終えたら、1行下に右寄せで「以上」と記入します。

職歴

書き始めの最初の行に「職歴」と記載します。原則は、在籍期間が短くても全ての入社・退職について書きましょう。空白期間(ブランク)があれば、その時期に何をしていたかについても、1行に収まる程度に軽く触れておきます。育児・介護・病気療養といったやむを得ない事情による空白期間であれば、自己PR欄や備考欄を使って、「現在はどういう状況か」「就業に影響が出る可能性はあるか」について触れることで、企業側も入社後のサポートをしやすくなるでしょう。

正社員として働いた期間があるなら、正社員としての職歴を優先してスペースを割きます。派遣社員の場合は、派遣元・派遣先の両方を書きましょう。年・月については、履歴書全体で和暦・西暦表記のいずれかに統一します。仕事をしながら転職活動をしている最中であれば、現在の職場に「在職中」や「現在に至る」と記載します。

職歴を書き終えたら、1行下に右寄せで「以上」と記入します。

免許・資格

免許・資格の取得年月と正式名称を記載します。実務に活かせるものは必ず記載しましょう。
まずは免許から記載します。業務で車に乗らなくても、普通自動車免許を持っている場合は記載しておきましょう。現在勉強中の免許・資格については、取得予定時期を明記します。免許・資格欄に書くことがない場合は「特になし」と記載します。

志望動機

志望動機欄がある場合は、企業が志望動機から読み取りたいと考えている内容を具体的に盛り込みましょう。企業が履歴書から読み取りたいのは、以下の3点です。

○自社への入社意欲が高いか(意欲)
○長く働いてくれそうか(定着性)
○自社で強みを生かせそうか(入社後の活躍)

この3つの疑問に回答するような内容を盛り込むといいでしょう。

自己PR

自己PR欄がある場合は、自分の強みやこだわり、これまでの経験や知識について記載します。表彰経験、過去の実績、エピソードといった具体性を添えることで、より説得力が生まれるでしょう。

特技・趣味

特技・趣味欄には、仕事に役に立つ内容や、人柄がわかって面接担当者と話が弾みそうな趣味・特技を記入しましょう。多趣味な場合は上記を踏まえたうえで記載する趣味・特技を絞ります。何気ない趣味でも、人柄が伝わるようなこだわりに触れたり、コミュニケーションスキルやストレス管理能力の高さが感じられるような特技を記載したりすることで、面接官に好感をもってもらえるでしょう。

一方で、面接官が不安に思う特技・趣味もあります。例えば、長期休暇制度がないのに「1ヶ月間の海外旅行」という趣味を書くと、「ここに就職したら続けられなくなるのでは?」と不安になるかもしれません。ギャンブル・政治・宗教に関する内容は、面接官によって受け取り方が異なるので、できれば触れないほうが無難です。

また、仮に就職できた場合に嘘をついていたことが発覚すると、信頼を失ってしまいます。この場限りだからと嘘の趣味・特技を書くのも避けましょう。

本人希望欄

本人希望欄は、「応募者にとって入社の絶対条件」と受け取られることがあります。そのため、絶対に譲れない条件がない限りは「貴社の規定に従います」と記載するのがベターです。例えば、軽い気持ちで「残業はなるべくしたくありません」と書くと、「繁忙期にはどうしても残業をお願いすることがあるから、希望に応えてもらえそうにない」という理由で不採用になってしまうことも考えられます。
もし、企業側から「希望する職種・部署を記載してください。」と指示があった場合は、その指示に従って記載しましょう。

履歴書の基本マナーを押さえよう

履歴書を書く際には、内容以外にも押さえておきたい基本マナーがあります。採用担当者に好印象を与えるためにも、以下の内容は守りましょう。

黒のボールペンか万年筆で書く

鉛筆やシャープペンシルではなく、黒いボールペンか万年筆で書きましょう。ペンが細すぎると弱々しく自信のなさそうな文字に見えますし、太すぎると文字が潰れて読みにくくなってしまいます。少し太めの0.5~0.7mmくらいのボールペンがおすすめです。また、履歴書は重要書類なので、消せるボールペンは使わないようにしましょう。

修正せずに書き直す

書き損じたら、新しい用紙に書き直します。1文字だけでも修正ペンや修正テープは使わないほうが好印象につながります。やむを得ず修正しなければならない場合には、正式な訂正を行いましょう。書き損じの箇所に二重線を引き、その上から訂正印を押して修正してください。

年号は統一する

履歴書には、誕生年・学歴・職歴・資格取得日など年号を記載する項目が多いですが、履歴書全体で統一しましょう。西暦を使うなら全て西暦、和暦を使うなら全て和暦で記載します。

省略をしない

学校名、会社名、資格・免許の名前は長くなりがちですが、きちんと正式名称を記載しましょう。例えば、高等学校を「高校」、株式会社を「(株)」、平成を「H」と略すのもNGです。文字数が多くなるので、枠内での文字の配分には注意してください。

履歴書を書く際の注意点は?

履歴書を書くにあたっては、以下の点に注意しましょう。

書き終わったら見直しをする

誤字・脱字が残っていると、採用担当者は「仕事でも細かなミスに気づかなさそうな人物」と判断してしまうかもしれません。手書きなら1文字ずつ丁寧に、PC作成なら誤字がないように、作成し終えたら必ず見直しをしましょう。また、手書きの場合は、インクのかすれやにじみがあると、「品質管理に気を配らないずさんな人物」という印象を与えるかもしれません。下書きの上から清書する場合は、インクが十分に乾いたのを確認してから消しゴムを使いましょう。

空欄を作らない

空欄があると、採用担当者は「これは記入漏れだろうか?」という判断をしなくてはいけません。記入漏れはミスだと評価されるので、書くことがない場合は「特になし」と記入しましょう。また、全ての欄が埋まっていたほうが、誠意と意気込みが伝わりやすいというメリットもあります。

使いまわさない

履歴書を使いまわすのは避けましょう。履歴書の上部には投函日もしくは面接当日の日付が記載されているので、日付が古くなってしまい、使い回した履歴書かどうかはすぐにわかってしまいます。また、以前の企業と今回の企業の特色が異なれば、志望動機や自己PRが噛み合わなくなる可能性もあります。

完成したらコピーを取る

面接時の質問は、履歴書に書かれた内容をもとに行われます。しかし、履歴書を採用担当者へお渡ししてしまうと、何を書いたか忘れてしまうということもありえます。矛盾したことを言ってしまわないように、コピーを取って保管しておき、内容を覚えておきましょう。履歴書のコピーは面接練習の際にも役立ちますし、残念ながら不採用に至った場合には、次の就職活動に活かせます。ただし、コピーした履歴書を使い回すのはNGです。再チャレンジする場合は、応募企業に合わせた履歴書を新しく作成しましょう。

送付状の書き方

履歴書を郵送する際には「送付状」を添付しましょう。送付状とは、「あいさつ」と「書類の内容」をお伝えするための書類です。紙1枚に、日付・宛名・連絡先・氏名・同封書類の一覧について記します。採用担当者は、送付状を見るだけで、「誰が、何を、どれくらいの数量送ってきたのか」をすぐに把握できます。送付状は、相手の手間を減らす気遣いでもあるのです。
送付状は郵送時のマナーであるため、面接時に履歴書を持参する際には不要です。

封筒の書き方

郵送であれ持参であれ、採用担当者が最初に目にするのは「封筒」です。だからこそ、封筒の書き方をきちんと押さえておくことは重要です。

表面には、応募企業の住所・企業名・採用担当者のお名前を記します。住所は都道府県名から書き、履歴書と同様に省略をしないようにしましょう。左下には、赤字で目立つように「履歴書在中」、職務経歴書を同封するときは「応募書類在中」と記します。
裏面の左下には、自分の住所と名前を書き入れます。書類の不備がないことを確認したらノリで封をして、その上から〆印を入れます。

履歴書を提出する際のマナー

細かい点ですが、履歴書を出す際に押さえておきたい提出時のマナーをご紹介します。

郵送する場合

郵送する場合には、履歴書は半分に折りたたみ、それ以外の書類は折りたたまず、どちらもクリアファイルに収めます。送付状が一番上に来るように同封しましょう。封筒のサイズは、履歴書がA4タイプであれば「角形2号」か「角形A4号」、B5タイプであれば「角形3号」を選びます。あまり大きすぎると不格好なので、ちょうどいいサイズの封筒に収めましょう。

切手の料金が足りないと送付者のもとに戻ってきてしまうので、郵便物の重さとサイズを確認し、郵送料金を調べておきましょう。ポストに投函するのではなく、郵便局に持ち込んで郵送してもらうと料金を調べてくれるため安心です。

メールやフォームで送る場合

送付方法は応募企業の指定に従いましょう。基本的には履歴書をPDFへ変換してメールに添付・送信するのが一般的です。データは外から中身を把握しにくいので、履歴書だとわかりやすいファイル名に変えておきましょう。氏名・日付・履歴書だとわかるタイトルを入れると、一目でわかります。メール件名は「履歴書など送付の件(氏名)」や「〇〇職応募の件/履歴書(氏名)添付」と端的に内容を説明するタイトルをつけると親切です。

持参する場合

汚れたり折れたりしないよう、クリアファイルに収めた書類を封筒に入れて持ち運びます。直接お渡しする際には、送付状は不要です。持参時の封筒には、表面の左下に「履歴書在中」と書きます。また、誰が持ち込んできたものがわかるよう、裏面の左下には自分の住所と名前を記載しておきましょう。郵送時と同様に、履歴書がA4タイプであれば「角形2号」か「角形A4号」、B5タイプなら「角形3号」の封筒を使用します。

経験がなくてもチャレンジしやすい業種は?

転職や就職をしたいと思っていても、働いた経験がない・仕事にブランクがあるという方は、「どこに応募したらいいんだろう」と悩むかもしれません。ここでは、経験がない方を積極的に受け入れている業種についてご紹介します。

旅行業・アパレル・飲食業界

旅行業・アパレル・飲食業界は接客対応が基本となるため、経験よりも人物重視で採用される傾向があります。また、裏方業務では清掃・運搬・調理といった肉体労働を分業する店舗が多いため、1人ひとりの業務範囲はほとんど決まっています。このような背景もあって、未経験者OKの求人が多い業界です。

製造業界

製造業は生産工程が細かくわかれており、専門性の高い技術職もあれば、経験を問わない作業もあります。更に、工場や作業者の違いで品質に差が出ないように、作業工程をマニュアル化している企業がほとんどです。業界全体が属人化を避ける作業フローを採用しており、組立・仕分け・梱包といった求人もあるため、未経験採用の求人が多い業界といえます。

まとめ

履歴書は、自分の基本情報を伝えるための書類です。自分のスキルを効果的にアピールするためにも、基本的な書き方のポイントをしっかり押さえておきましょう。本記事でご紹介した内容に気をつけて履歴書を書くことで、就職活動の成功率もぐんと上がります。

これまで仕事をしたことがない方や、しばらくお仕事から離れていたという方もいるでしょう。履歴書には職歴を全て記すため、空白期間は採用担当者にお伝えしなければなりません。空白期間の出来事を端的に記載して、自己PR欄で就職に前向きな姿勢を伝えましょう。

空白期間はほかの応募者との差異です。言い換えれば、空白期間について前向きにお伝えすることができれば、「芯の通った人である」とポジティブに捉えてもらえる可能性があるということ。大切なのは、ほかでもない自分自身が、空白期間を後ろめたいと思わないことです。仕事よりも優先したいことがあった時期であり、準備期間だったとプラスに捉えましょう。

アウトソーシングが運営する求人情報サイト「はたらくヨロコビ」は、工場・製造業のお仕事を中心とした求人情報を扱うサービスです。はたらくヨロコビでは多様な働き方を応援しており、未経験者やお仕事に復帰する方向けの求人も充実しています。アウトソーシング公式LINEアカウントにお友だち登録すれば、好条件のお仕事や希望条件にマッチするお仕事の情報をお知らせします。さっそくお仕事を探してみましょう!