2020.12.23

粉じん作業を行うには特別教育を受ける必要がある!難易度や必要な時間はどのくらい?

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はじめに

「粉じん作業」という言葉を聞いたことがありますか?作業によって細かい粒子が浮遊してしまう作業のことです。粉じんは粉の種類や量によっては肺がんなどの病気につながる可能性もあるため、粉じん作業特別教育という資格が必要になります。
粉じん作業特別教育とはどのようなものなのでしょうか?本記事で詳しく解説していきます!

粉じんはとても危険!肺がんのリスクも!?特定粉じん作業を行う人は特に注意が必要!!

「粉じん」とは、空気中に浮遊する細かい粉状の粒子のことです。粉じんは掘削作業などで、削られた岩が細かな粒子となり、空気中に舞い上がったものをいい、掘削作業のような粉を発生させる作業を「粉じん作業」といいます。
粉じんの量や危険性は発生する場所や条件により異なります。特に危険な粉じんが発生する場所は「特定粉じん発生源」とよばれ、特定粉じん発生源から発生する粉じんを「特定粉じん」、特定粉じんをあつかう作業を「特定粉じん作業」といいます。たとえば、坑内での鉱物掘削や屋内でのガラス原料混合なども特定粉じん作業にあたります。
粉じん作業に従事している人が長年粉じんを吸い込み続けると、「じん肺」という病気になる可能性があります。「じん肺」は自覚症状なしに進行し、最終的に胸膜炎、気管支炎、肺がんといった重い病気を引き起こすこともある恐ろしい病です。さらに「じん肺」には治療法がないため、粉じん作業に関する正しい知識を身につけた上で「じん肺」を予防することが必要なのです。

特定粉じん作業を行うには、粉じん作業特別教育を受ける必要がある!

以上のように、特定粉じん作業は特に危険性が高く、知識がない状態で行うとじん肺のような取り返しのつかない病気になる場合もあります。そのため、特定粉じん作業に従事する作業者は粉じん作業特別教育を受講しなければならないと定められています。
粉じん作業の資格は特別教育を受講するだけであらゆる特定粉じん作業を行うことが可能です。

粉じん作業特別教育は、建設や掘削、金属加工などの現場で働く人に必要!
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特定粉じんは、建設、掘削、金属加工、アーク溶接などの現場で多く発生します。そのため、このような業界で働いている方は粉じん作業特別教育を受けることをおすすめします。粉じん作業特別教育を受ければ、できる業務の範囲が広がります。
たとえ自分が粉じん作業に従事していなくても、作業者の安全について検討する際や、作業の監督を行う際などに特別教育の知識が役立つはずです。

粉じん作業特別教育を受けることで、自分で自分の身を守ることができる!

粉じん作業はさまざまな病気を引き起こす可能性がある非常に危険な作業です。しかし、粉じん作業特別教育を受けて作業の危険性を理解し、作業に関する正確な知識を身につけることで、さまざまな防止策を自分で検討できるようになります。

粉じん作業特別教育は学科講習のみ!実技講習や試験はなし!

粉じん作業特別教育の各項目と時間は以下のとおりです。4.5時間の学科講習のみなので、1日で終わります。受講費用は9,000円~10,000円程度です。

講習項目 講習内容 時間(時間)
粉じんの発散防止および作業場の換気の方法 ・粉じんの発散防止対策の種類および概要
・換気の種類および概要
1
作業場の管理 ・粉じんの発散防止対策に係る設備および換気のための設備の保守点検の方法
・作業環境の点検の方法
・清掃の方法
1
呼吸用保護具の使用の方法 ・呼吸用保護具の種類、性能、使用方法および管理 0.5
粉じんに係る疾病および健康管理 ・粉じんの有害性
・粉じんによる疾病の病理および症状
・健康管理の方法
1
関係法令 ・労働安全衛生法
・粉じん障害防止規則
・じん肺法
など
1
粉じん作業特別教育を受ける方法は、講習会やWebなど複数ある!
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粉じん作業特別教育は、外部の講習を受ける、自社のインストラクターが社内で講習を行う、外部のインストラクターに出張講習に来てもらう、Web講座を利用するなど、さまざまな方法で受講できます。
最も一般的なのは、外部の講習を受ける方法です。各都道府県の労働基準協会や外部機関(教習所など)が講習を実施しているので、インターネットで調べて予約しましょう。
講習のために丸1日時間をとることができない、一度講習を受けるだけでは身につかないので何度も講義を聴き直したいという方には、Web講座がおすすめです。さまざまな企業がWeb講座を提供しているので、ぜひ調べてみてください。

まとめ

粉じん作業特別教育とはどのようなものなのか、必要性やメリット、受講方法などとともに説明してきました。特定粉じん作業を行う際には、自分や仲間の安全のために必ず特別教育を受ける必要があることが分かっていただけたかと思います。
さまざまな場所で必要とされる粉じん作業。正確な知識を身につけ、業務の幅を広げてみませんか?