2020.12.02

衛生管理者は労働者の健康管理と快適な職場づくりの専門家

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はじめに

会社が成長していくためには、労働者が健康で働き続けられる状況が大事です。会社の中で、労働者の健康管理や働きやすい環境、職場づくりに取り組むのが衛生管理者です。今回は、衛生管理者の仕事内容や資格の種類について紹介したいと思います。

労働者の健康管理を行い快適な職場を形成する衛生管理者
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衛生管理者には次のような役割があります。

  • 執務区や工場など、作業環境の管理
  • 特定の仕事をしている人がかかりやすい病気(腰痛・熱中症など)の防止
  • 労働者の健康管理
  • 労働衛生教育(危険予知トレーニング、ヒヤリハット事例の共有など)の実施
  • 健康保持増進措置(生活習慣病に関する知識の共有、メタボリックシンドロームにならないための運動イベント開催など)を実施

他には、1週間に1回程度、実際に作業場を巡回します。そこで、労働者の健康管理に有害のおそれがある状態を見つけた場合には、健康状態を悪化させないための対策を取ります。有害のおそれとは、例えばけがをしやすい作業や、危険な化学物質を吸い込む可能性がある作業などです。

また、労働組合と会社が一緒になって職場で労働者の健康管理などについて議論する、衛生委員会が開催される場合には、衛生管理者は必ずメンバーとして加わることになります。衛生委員会では、インフルエンザに対する社内ルールの確認や、職場の温度管理などが議論されます。

このように、衛生管理者は、労働者が健康に働くために重要な役割を果たしています。50人以上の労働者がいる職場には、必ず1人以上の衛生管理者を設置しなければいけません。労働者の人数が多くなればなるほど、衛生管理者の負担は大きくなるため、職場の規模が大きくなるにしたがい、必要な衛生管理者の人数も増えます。労働者201人以上に対し2人、501人に対し3人以上の衛生管理者が要求されます。

衛生管理者として働くためには国家資格を取る必要がある

企業で衛生管理者として働くためには、安全衛生技術試験協会が行っている国家試験に合格しなければいけません。衛生管理者の資格は次の3種類に分類されます。

  • 衛生工学衛生管理者
  • 第一種衛生管理者
  • 第二種衛生管理者

衛生工学衛生管理者は、衛生管理者の中でもっとも上位の資格です。有害なガスや蒸気を扱う職場には、衛生工学衛生管理者を必ず設置する必要があります。危険な職場になるため、試験の難易度は高いです。
第一種衛生管理者は、製造業や建設業、ガス業など危険になる可能性がある職場の衛生管理者になれます。第二種衛生管理者は、銀行や保険会社など危険の少ない職場の衛生管理者になれます。

衛生管理者の試験を受けるためには、労働衛生の実務経験が必要です。実務経験に認定される具体的な仕事内容の例は以下です。

  • 健康診断に関わる業務
  • 衛生上必要な作業条件の改善や施設の改善など業務
  • 衛生教育の企画や実施に関する業務
  • 看護師または准看護師の業務

作業条件の改善や施設の改善は、多くの業務が当てはまります。そのため社会人として一定期間以上働いている人の多くは、衛生管理者の受験資格を持っていると考えられます。
試験を受けるためには、これらの業務に対する実務経験を、所属する事業所の代表者(社長、人事部長、総務部長、工場長など)に証明してもらう必要があります。実務経験の期間は、学歴によって異なります。大学を卒業している場合には1年以上、高校を卒業している場合には、3年以上の実務経験が必要です。

衛生管理者の試験は、全国7ブロックの安全衛生技術センターで、毎月1回以上行われています。特に、関東や中部、近畿など受験者が多い地域は月に5回以上行われることがあるため、受験日程の調整はしやすいでしょう。
衛生管理者の合格率は、第一種も第二種も50%程度と国家資格の中ではそれほど難しくありません。試験範囲が広く勉強するのは大変ですが、きちんと準備をしていけば十分合格できる資格です。

衛生管理者の取得で昇進や転職に繋がる
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50人以上の労働者がいる職場には必ず衛生管理者が必要です。そのため、企業からの需要は高く、就職や転職を目指す場合には、衛生管理者の資格を持っていることがアピールポイントとなります。
また、会社の指示で衛生管理者の試験を受験する人が多くいます。そのため資格を取得することで、社内での昇進や昇格に繋がる場合も多いでしょう。国家資格の中には、資格を保持できる期間が決まっているものがありますが、衛生管理者の資格は一度合格すれば失うことがありません。そのため生涯有効な資格となり、転職や一度仕事を辞めてから再就職する場合でも、就職できる可能性を高めてくれます。

まとめ

衛生管理者は、職場で働く労働者が健康に働き続けられるように、職場環境を整えるスペシャリストです。規模の大きい職場には必須の人材になるため、企業からの需要が大きい資格です。昇進や転職にも有利なメリットの多い資格といえるでしょう。