2020.11.30

危険物取扱者は合格後も講習を受ける必要がある!講習の期間や日程についても詳しく解説!

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はじめに

火災の危険性が高い危険物を取扱うために必要な国家資格、危険物取扱者。一度資格を取得しただけでは、危険物取扱者として働き続けることはできないって知っていましたか?
今回の記事では、危険物取扱者が定期的に受ける必要のある講習について解説します。危険物取扱者の資格を取得したばかりの方や、これから講習を受講しようとしている方は、ぜひ読んでみてくださいね!

危険物取扱者として業務を行うには、定期的に講習を受ける必要がある!

危険物取扱者の業務は事故と隣り合わせ。安全に業務を行うには、関係法令の改正や最近の事故事例などについて知っておくことが重要です。そのため、危険物取扱者として働き続けるには定期的に講習を受ける必要があります。
この講習の正式名称は「危険物の取扱作業の保安に関する講習」。一般には略して「保安講習」とよばれます。
危険物取扱者には甲種、乙種、丙種という3つの区分がありますが、どの区分の取得者であってもこの講習を受ける必要があります。指定された期間内に講習を受けなかった場合、免状を返さないといけないこともあるのです。
ただし、免状を持っていたとしても危険物を扱う業務に就いていない場合は講習を受講する必要はありません。また、指定数量未満の危険物しか扱わないという場合も講習は不要です。あくまでも「危険物取扱者の資格がないとできない業務を行っている場合」にのみ講習が必要なのです。
「業務に従事してはいないけど、念のため講習を受けて最新の知識を仕入れておきたい」という方もいるかもしれません。このような方も講習を受講することは可能なので、安心してくださいね。

危険物取扱者の講習は、基本的には3年ごとに受ける!

それでは、業務に従事している場合はどのようなタイミングで講習を受ければいいのでしょうか。以下の表をご覧ください。

No 対象 講習の受講タイミング
1 継続して危険物取扱者の業務に従事している人 免状の交付又は保安講習を受けた日以降の最初の4月1日から3年以内に受講
2 新たに危険物の取扱作業に従事する人 過去2年以内に危険物取扱者の免状の交付又は保安講習を受けていない人 新たに業務に従事する日から1年以内に受講し、その後はNo.1と同様
3 過去2年以内に危険物取扱者の免状の交付又は保安講習を受けている人 免状の交付又は保安講習を受けた日以降の最初の4月1日から3年以内に受講し、その後はNo.1と同様

表を見ると分かるように、基本的には約3年ごとに講習を受けることになります。新たに業務に従事する場合の最初の受講日にさえ気をつければ、それ以降はさほど問題はないでしょう。

危険物取扱者の講習では、危険物の関係法令や火災予防に関する内容を学ぶ!
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危険物取扱者の講習は、従事している業務に応じていくつかの種別に分かれています。基本的には以下の種別の中から自分に合うものを選択して受講することになります。複数の職務を行っている場合は、より長時間携わっている職務に対応する種別を選択します。

種別 概要 対象業務の例
1 石油取扱所における危険物取扱者を対象とした講習 ガソリンスタンドでの業務
2 石油コンビナート等災害防止法に基づく特定事業所の危険物施設における危険物取扱者を対象とした講習 石油コンビナートでの業務
3 上記以外の危険物施設における危険物取扱者を対象とした講習 ホームセンターの灯油販売業務
タンクローリーでの移送業務

種別1の対象となるのは主にガソリンスタンドで働く人です。ガソリンスタンドは町中にあり他の危険物取扱施設とは異なる対策が必要となるため、講習が独立して設定されています。種別2の石油コンビナートに関しても同様です。
なお、講習は都道府県単位で行われますが、都道府県によって種別の分け方が変わる場合があります。例えば東京都の場合は上記講習種別の3がより細かく分かれており、石川県の場合は種別2が種別3に組み込まれています。そのため、自分が受けるべき講習の種別を正しく把握しておく必要があります。
講習では、危険物に関係のある法令や最近の事故状況などについて学びます。各種別の講習科目と時間は以下のとおりです。

講習科目 概要 講習時間
危険物関係法令に関する事項 過去3年間における危険物法令の改正事項
危険物規制の要点
1時間以上
危険物の火災予防に関する事項 危険物施設の事故事例の動向、その原因と問題点の概要、その発生防止のための保安上の対策等
危険物施設において主として貯蔵し、又は取扱う危険物の性状等
危険物施設における安全管理に関する知識
2時間以上
危険物取扱者の講習は、各都道府県の危険物安全協会が実施している!

危険物取扱者の講習は、各都道府県の危険物安全協会が実施しています。なお、東京都の場合は東京消防庁が実施しています。講習種別や申し込み方法、講習日程は各都道府県で異なるため、講習を受けたい都道府県の情報を確認する必要があります。
ちなみに、講習は全国どの都道府県でも受講可能です。危険物取扱者試験を受けた都道府県ではなくても大丈夫ですよ。

危険物取扱者の講習を受けたいときは、各都道府県の危険物安全協会に申し込む!
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危険物取扱者の講習を受けたい場合は、各都道府県の危険物安全協会に申し込みをします(東京都の場合は東京消防庁に申し込みます)。各都道府県内の消防本部や危険物安全協会の窓口で申し込み書類をもらい、受講申請書、危険物取扱者免状、手数料などを同封して申し込みましょう。詳しい申し込み方法に関しては各都道府県の情報を確認してください。
なお、危険物取扱者免状の写真が10年以上更新されていない場合は講習を受けることができません。講習を受ける前に、余裕を持って写真を更新しておきましょう。

まとめ

危険物取扱者として業務を行う上で必須である保安講習について説明してきました。
講習を受けることで新しい知識や技術を習得でき、危険物取扱者としてより安全に業務を行うことができるようになります。
日々の業務に追われているとついつい忘れがちな保安講習。自分が次にいつ講習を受けなければならないのかチェックして、忘れずに受講するようにしましょう!