塗装業の登竜門 塗装技能士3級の取得メリットは?
塗装作業はペンキを塗る「単純な作業」だと思っていませんか?実はとても奥が深い仕事です。美しく仕上げることは当たり前で、熱や振動にも耐える特殊な塗料を使用し、耐久性のある塗装に仕上げなければいけません。そのため塗装作業には「塗装技能士」という資格があります。今回は塗装のプロフェッショナルになる登竜門ともいえる「塗装技能士3級」について紹介します。
塗装技能士には1級、2級、3級の3種類に分かれています。塗装作業とはただ塗るだけでなく、塗料に関しての知識、使用方法、そして、薬品を扱う上での注意点があるため、どの級を受験しても、共通科目に塗装の一般知識や安全衛生に関する内容があります。そして、級ごとに一部の学科試験と、実技試験の種類が分かれています。
実務経験が数年以上必要な1級や2級に対して、3級は実務経験さえあれば受験することができます。
塗装技能士3級は半年以上の実務経験があるか、訓練校を卒業していれば受験可能です。それ以外にも、卒業した高等専門学校や短大、大学などの学科によっては実務経験が免除されるケースもあります。これから塗装の業務に就こうとする人や、業務を始めて間もない人を対象とした資格ですので、受験資格を得るのは、それほど難しくありません。
詳しくは厚生労働省のHPを参考にして下さい。
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/ability_skill/ginoukentei/index.html)
塗装技能士3級は、塗装に関する基本知識を身につけていれば合格のチャンスがあります。共通科目のほかに木工塗装作業と金属塗装作業という2つの受験区分から選択して受験します。問題内容の例としては、マスキング作業に関しての作業注意点に関する問いや、道具の名称や溶剤に関する知識などが挙げられます。どれも基本的な内容なので、過去問題集や参考書を使って事前に勉強をしておけば合格しやすいでしょう。
塗装技能士3級は木工塗装作業、金属塗装作業の2つの区分に分かれており、試験時に選択が可能です。
木工塗装とは。その名の通り、木材に塗装する技術に特化した区分です。木材の塗装は非常にデリケートで、数ある塗装の中でも難しい部類に入ります。理由は、天然素材の風合いを活かした塗装技術が必要だからです。ただ塗装するのではなく、木材の雰囲気を活かしながら塗装するため、他の区分とは違ったスキルが必要です。また、木材塗装は、手すりや家具など肌が触れる機会の多い製品が大半です。安全面や触れた時の感覚なども考慮した高い技術が求められる塗装です。
金属塗装は非常に需要のある作業です。建築物、自動車の板金作業、どの現場でも必ずと言っていいほど使われています。金属塗装作業では、塗装前の下処理として錆を落としたり、表面を加工したりすることで塗装のしやすくなる加工を行います。ムラや凹凸がないように均一に塗る技術が必要です。
塗装技能士には多くのメリットが存在します。塗装作業を行うことに関して資格は必要ありませんが、「塗装技能士」の資格を取得すれば技術の証明になり、お客さまに安心感を与えることができます。塗装技能士3級は1級や2級に比べると専門性は下がりますが、今後のステップアップにむけての第一歩になる資格です。
塗装技能士は職人的な技術に対して与えられる資格です。そのため資格の取得は、多くの知識や経験を体得した証明になります。職人として塗装のスキルを極めていく上で、資格の取得がいい道しるべとなってくれるでしょう。また塗装は私たちの生活のあらゆる場所に使われていますので、塗装工の需要も非常に高いです。現場での経験も積みやすく、さらに上の級を取得したり、別の資格と掛け合わせたりすることで、仕事の幅を広げることができるでしょう。
塗装はとても幅広い分野で活用されています。
住宅などの建築物のほか、自動車の板金や重機の塗装、家具、橋や歩道橋などなどあらゆる場所に使われています。そのため、塗装技能士の資格を取ればさまざまな分野の塗装に携われます。
建築系塗装技術を身につければ、住宅メーカーや工務店など建築に関する事業所で勤務し、活躍できる可能性が上がります。また、金属塗装では、自動車メーカーや整備工場、個人で運営する修理屋などで活躍するチャンスがあります。
扱う分野が広い分、自分がどのような塗装作業者になりたいのか、どのような分野に特化した作業をしたいのかを明確にする必要があります。勤務先や資格の種類によって塗装する物が大きく変わるので、求人情報と目指す塗装工の姿を明確にしておけば、目標への近道になるでしょう。
塗装技能士の取得メリットと、塗装作業者の姿が少し見えてきたと思います。塗装技能士3級は塗装技術の初級編です。ここからステップアップしていくためには、今後自分がどのような塗装職人になりたいかを明確にする必要があります。実務経験と勉強を重ね、塗装技能士1級を取得すれば、塗装工としてさらに活躍できるでしょう。
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