塗装作業を行うなら取得したい塗装技能士2級
塗装技術を身につけ自信がついてきたとき、ふと、自分はどんなことができるのかと思うことがあるはずです。今までどんな作業をしてきて、どんなことを専門に作業してきたのか。そのようなときに挑戦してみたいのが「塗装技能士2級」です。実務経験2年以上から取得可能な塗装技能士2級に、どのようなメリットがあるのか紹介します。
塗装技能士は1級、2級、3級に分かれています。また1級と2級は、木工、建築、金属、噴霧、鋼橋の5つに専門区分が分かれています。試験には、一般知識や安全衛生に関しての共通科目と、各区分の学科試験、実技試験があります。実技試験は専門区分を選択して受験するので、得意分野や目指している分野で取得することをおすすめします。
塗装技能士2級を取得したことで、新たに行える作業は特にありません。「特にメリットがないじゃないか」と思う方も多いと思いますが、そんなことはありません。塗装技能士2級を目指す人は、比較的若い方が多いです。そのため合格できれば、同世代の職人の中で、自らの実績と知識、技術を証明し、ステップアップを大きく後押ししてくれます。
つづいて塗装技能士2級の区分を紹介します。
木工塗装は、木材の独特な風合いを生かしつつ塗装する必要があるため高度な知識と技術が必要です。主に家具や手すりなど、人が直接触れることの多い製品へ塗装を施すので、安全な塗料を選ぶことや見た目の美しさだけでなく触り心地についても考えなければなりません。
建築塗装作業は1番需要の高い作業です。必然的に作業者の人口も多く、技術の差が明確に出る区分でもあります。一戸建ての塗り替え以外にも、ビルやマンションの塗装など、多くの業務に携わります。
車の板金を行いたい方におすすめの区分です。金属塗装はさまざまな場所で利用されるため、基礎をしっかりと覚えておくと幅広く活用することが可能です。
エアスプレーを使用した噴霧塗装に関する知識や技術を問う区分です。刷毛やローラーに比べて、作業効率がいいのが特徴です。どのような材料に対しても行われる塗装方法であるため、木工塗装や金属塗装とあわせて資格を取る人もいます。
鋼橋塗装は特殊性の高い塗装作業です。見た目の美しさのほかにも、鋼橋を雨、風、湿気、塩などから守らなければいけません。そのため耐久性の強い塗料を使用します。また、高所で作業するケースも多く、作業環境も他の区分と大きく異なります。
試験に合格するためには、実技試験と学科試験の両方をパスする必要があります。学科試験は基本的な内容が多く、下地、処理方法、素材に適したアプローチ方法が問題として出題されます。注意点としては、現場で普段使用している略語や俗称ではなく、正式名称で回答しなければいけない点が挙げられます。実務経験が長くなると、とっさに正式名称が出てこなくなる可能性もあります。そのため過去問題集しっかり勉強しておくといいでしょう。
受験者からの声によれば、問題は決して難しくないようです。しかし、日頃行っている作業をどれだけ細かく説明できるかがポイントになります。現場での経験に学びを加えることで、合格への道が近くなります。
実技試験に使用する道具は日頃使用している道具ではありません。試験会場で用意されたものを使用します。そのため、あらかじめ確認する必要があります。そして、実技試験では工具の整理や後片付けなど、細かいところも採点の対象となっています。実技は減点法を採用しており、細かなミスが続くと不合格になってしまうので注意が必要です。
塗装技能士2級の学科試験は「真偽法」と「多肢択一法」です。試験時間は1時間40分で50題の問題が出ます。
例えば、塗装作業で使用する養生用品の中から誤っているものを選択したり、アクリルラッカーの希釈に塗料用のシンナーが適しているかなどを問われたりします。日頃から行っている作業ではありますが、間違えずに回答できるよう練習しておく必要があります。
実務経験が2年以上の2級に対して、塗装技能士1級は実務経験7年以上と受験資格のハードルが高くなっています。試験問題も難しくはなりますが、焦りは禁物です。受験方法自体に大きな変化はなく、日頃の経験を積むことで1級試験の合格が可能です。実務経験2年で2級を受験した人は、1級の試験まで長い時間がかかります。しかし、その期間に塗装技能士2級取得者として技術の向上に取り組めば、1級の受験にも自信をもっていどめるはずです。
受験資格に関しては厚生労働省HPを参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/shokugyounouryoku/ability_skill/ginoukentei/syokusyu.html
塗装技能士2級の資格を持つメリットをお分かりいただけたと思います。実務経験2年以上と比較的早くチャレンジすることができる資格で、1級取得に対する前準備として受験しておくこともおすすめします。若い職人が取得する資格でもあり、今後のステップアップに活用できるので、気になる方はぜひチャレンジしてみてください。
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