2020.11.24

塗装技能士1級は塗装に関するスペシャリスト!合格のポイントと専門分野の違いを紹介!

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はじめに

職人に限らず、誰しもが一度は何かの道を極めてみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。塗装職人の道も、実はプロフェッショナルの道です。その頂点が「塗装技能士1級」。塗装に関するスペシャリストとは、どのようなものかを紹介したいと思います。

塗装技能士1級はと何が違う?

塗装技能士とは、塗装に関する知識と技術を持ち合わせた専門性の高い国家資格です。この証明書があれば何かが変わるのか、と問われれば大きな違いはないかもしれません。なぜなら、塗装業務に資格はいらないからです。しかし、塗装に関する知識を持ち合わせ、高い技術力と質を提供することができる証明であることは間違いありません。

塗装技能士1級とは?

塗装技能士は1級、2級、3級に分かれています。1級を受験するには7年以上の実務経験が必要です。塗装技能士の試験は、一般知識や安全衛生に関しての共通科目と、学科試験、実技試験が区分ごとに分かれています。塗装に関するスキルは、木材や、金属、建築物、作業方法、作業場所とさまざまなシーンに特化しているため、資格においても区分が分かれているのです。

塗装技能士1級取得のメリット

塗装業界で働くために必要な資格は特にありません。技術と熱い心意気があれば、誰でも昇進や昇給、受注アップなどの夢を追いかけられる業界です。しかし、塗装業界は多くの職人が腕を競い合う世界でもあります。そんな中で塗装技能士1級をもっていれば、技術力をお客さまに示せます。資格をもっていることがお客さまに安心感を与え、仕事上で有利になることもあるでしょう。

塗装技能士1級の区分

どの職種でも必ず得意分野があるように、職人業である「塗装作業者」にも区分があります。塗装技能士1級に指定されている区分を紹介します。

木工塗装作業

木工塗装作業は塗装の中でも難しい部類に入ります。家具や手すりなど肌が触れることが前提の塗装技術が要求されるほか、メープル、カバ、ブナなどの多くの材料から適した下処理、塗装、仕上げを行わなければなりません。そして何よりも自然物の独特の風合いを活かしながら作業するのが木工作業のポイントになります。

建築塗装作業

建築塗装作業は1番需要の高い作業です。必然的に作業者の人口も多く、技術の差が明確に出る区分でもあります。一戸建ての塗り替え以外にも、ビルやマンションの塗装など、多くの業務に携わります。最近では塗装技術が上がり、カビなどの予防に特化した「抗菌塗装」や、嫌な臭いを分解する「脱臭塗装」、汚れからの付着を守る「汚染防止塗装」など、目まぐるしい変化をとげています。

金属塗装作業

金属塗装と聞くとやはり車を思い浮かべます。基礎をていねいにこなすことが仕上がりに直結する作業です。下処理、下地作り、塗装など、どの塗装作業でも行う工程ですが、そのひとつひとつのクオリティを高めなければいけません。試験では金属の種類に対する塗装方法のアプローチやサビ落としなど、多くの重要項目が存在します。

噴霧塗装作業
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エアスプレーを使用した噴霧作業は塗装作業の中でも代表的な方法です。刷毛やローラーに比べて、作業跡が分かりにくいのがメリットです。また、塗料を噴射する際の濃度を調整し、独特な雰囲気に仕上げるような独創性を発揮することもできます。作業方法だけではなく、エアスプレーの清掃方法などの知識も必要です。

鋼橋塗装作業

鋼橋塗装は見た目のきれいさだけでなく、金属塗装に関するアプローチ方法も問われます。さらに雨、風、湿気、塩類など、さまざまな悪環境から鋼橋を守り、耐久性をもたせる特殊な塗装技術が必要です。また、ボルトなどの立体的な塗装を行うことも多いので、それらに関する知識も必要です。

塗装技能士1級合格のポイント2選
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5つに分かれた区分で、塗装作業者の姿が少し見えてきたのではないでしょうか。ここでは塗装のスペシャリスト塗装技能士1級合格へのポイントを2つお伝えします。

技術講習で実務試験の感覚を身につける

学科試験はあらかじめ準備をしてのぞむ人が多いようです。そのため落とし穴となるのが実技試験です。受験資格に実務経験7年以上が必要な上級塗装工向けの試験のため、実務には自信がある受験者も多いかもしれません。しかし、試験では慣れた道具や環境ではなく、試験会場に用意された道具で、スペースや時間に制限のある中、作業を行わなければいけません。いつもとは違った雰囲気での作業なので、技術講習でしっかり感覚を身につけておきましょう。また、提供される道具や塗料は限られています。塗料の調合の際に、塗料を無駄使いしてしまうと、追加の塗料をもらえないため苦労することになります。

塗装作業中に起こるあるあるを回避

試験には塗装中に大切なことも含まれています。その1つが片付けや清掃です。休憩に行く場合や作業を終える際など、塗装作業現場で重要な「片付け」が審査ポイントに組み込まれています。また、日頃現場で使用される略語や仲間内だけの名称もNGです。現場経験が長くなると略称が当たり前になってしまうこともありますが、試験では正式名称を使うよう注意しましょう。

まとめ

塗装技能士1級の姿が少し見えてきたかもしれません。ここで紹介したことはほんの一部分です。塗装技能士1級の合格率は約50%と決して高くはありません。しかし、日頃から行っている作業を見直し、技術を積み上げていれば問題なく合格できる国家資格です。取引先に安心と信用を与えることで仕事の受注も格段にスムーズになること間違いないでしょう。塗装の道を極めてみてはいかがでしょうか?

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