2020.11.17

ボイラー技士の仕事内容を紹介!ボイラー取扱には国家資格が必要

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はじめに

ボイラーは病院、学校、工場、ビル、銭湯など私たちが日常生活で利用するさまざまな場所に設置されています。ボイラー技士はボイラーを安全に使用するために、点検、安全管理をしています。ボイラー技士の資格には、どんな種類があるのでしょうか?今回はボイラーを扱うために必要不可欠な、ボイラー技士の資格を解説したいと思います。

ボイラー技士の仕事内容
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そもそもボイラーとはどのようなものでしょうか?ボイラーはガスや炎、電気などの熱源によって水や油などを温め、発生した蒸気や温水を他の設備に渡すための装置です。例えば火力発電では、炎の力で水を沸騰させて水蒸気を発生させ、その水蒸気で発電のためのタービンをまわします。つまりこれもボイラーの一種です。
ボイラー技士はボイラーが正しく動くように、運用、管理、メンテナンスなどを行います。ボイラーを使用するために必要な業務全般を行うのです。ボイラーは、高温高圧の状況を作るため、取扱を間違えると危険な状態になる可能性があります。そのためにボイラーには専門的な知識が必要です。

ボイラー技士は具体的には、以下のような業務を行います。

  • ボイラーに使う燃料の準備や管理
  • 適切な燃焼をするために必要な空気量の調整
  • ボイラー内の温度や圧力の管理
  • ボイラーについたススなど汚れの清掃
  • 日々の運用状況の記録
  • ボイラーのメンテナンスと修理
  • ボイラー整備士やボイラー溶接士への依頼

これらはボイラー技士の仕事の一部で、仕事内容は多岐に渡ります。高温であるボイラーを取扱ったり、燃料を取扱ったりするため、体力が必要な仕事もあります。

ボイラー技士には国家資格が必要!資格の種類は?

ボイラーを扱うには、国家資格であるボイラー技士を取る必要があります。試験の合格に加えて、実務経験もしくは実地研修などを行うことで、免許を取ることができます。試験は公益財団法人安全衛生技術試験協会が行っており、級によって異なりますが、年間1~20回程度開催されています。

ボイラー技士は、扱えるボイラーの規模によって特級、一級、二級の三段階に分かれています。二級ボイラー技士の資格を取れば、すべてのボイラーを取扱うことが可能です。しかし二級では、扱うボイラーの規模に応じた責任者の監督が必要です。この責任者になるためには、扱うボイラーの規模に応じて、特級ボイラー技士や一級ボイラー技士の資格を取る必要があります。

ボイラーに関係する資格としては、ボイラー溶接士やボイラー整備士があります。
ボイラー溶接士は、ボイラーに関連する溶接を行うことを認める国家資格です。ボイラーの容器や配管は高温高圧になるため、その環境に適した溶接を行わなければ、溶接部がはがれるなどの問題を起こす可能性があります。そのためボイラーの溶接には専門的な知識や技術が必要です。
一方、ボイラー整備士はボイラーに関連する整備を行うことを認める国家資格です。

ボイラー技士として活躍するために必要なことは?
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ボイラー技士の国家資格を取ると就職や転職に有利になりますが、さらに活躍するためには、資格をいかせる就職先を見つけたり関連資格を取ったりすることがおすすめです。
ボイラー技士の就職先は、幅広くビル管理会社やホテルから工場や発電所まであります。特級や一級などを取得すると、大きなボイラーを扱うことができるので、就職の選択肢をより広げることができます。

また、ボイラー技士の仕事は知識だけではなく現場での経験が重要です。日常のメンテナンスで、ボイラーに異常に気づくためには、普段からしっかり観察する必要があります。さらに異常発生時にどのような処置をすればよいかは、経験がものを言います。日頃の業務でもスキルアップを意識しながら行動できるといいですね。

さらなるスキルアップのためには、業務に関連する資格を取るのも効果的です。ボイラー技士の就職先として代表的なビル管理会社で働く場合には、ビル管理技術者や電気工事士の資格などが挙げられます。従事できる仕事の幅が広がるため、重宝されます。工場に就職したい場合には、電気主任技術者や危険物取扱者などの資格を取るとよいでしょう。

まずは二級ボイラー技士の資格を取り。その後はボイラーを扱う仕事で実務経験を積みながら、さらに上の級を目指していくか、他の資格を取って仕事の幅を広げていくか、選ぶとよいでしょう。

まとめ

「ボイラー技士」は特級、一級、二級と分かれています。
ボイラーは高温高圧になるため、専門的な知識と技術を持った人が扱わないと大きな事故につながる可能性があります。ボイラーを取扱うためには、ボイラー技士の国家資格を取る必要があります。二級ボイラー技士の免許を持っていれば、すべてのボイラーを取扱うことができるため、就職や転職には困りません。まずは二級を目指してみてはいかがでしょうか。

ボイラー技士としての仕事を続けていくのであれば、さらに上の級を目指したり、関連する資格を取ったりすることでキャリアを広げていくことができます。