2020.11.04

機械保全技能士1級は上級エンジニア。資格取得するには?

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はじめに

機械保全技能士とは、工場や建物にある設備をメンテナンスするエンジニア向けの国家資格です。生産現場で設備保全を行っているエンジニアにとって、機械保全技能士1級は目指すべき資格といえます。そこで今回は、機械保全技能士1級はどのような資格なのか、どんなことに役に立つのかについて解説していきます。

機械保全技能士1級は保全エンジニアのリーダークラス
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設備のメンテナンスを行うことは、日本のものづくり現場では重要なことです。設備保全エンジニアはこの重要な仕事をするために、多くの知識と技能を日々勉強しています。エンジニアは故障が発生したら修理をするのはもちろんのこと、故障を発生させないための予防保全も行います。また、様々なセンサの信号から設備の状況を診断し、いつ頃壊れそうか故障予測を行うこともあります。仕事はチームで実施することが多いです。リーダーは設備に関する知識も必要ですし、保守計画を立てるなどの仕事もあります。また、新設備を導入する際には、設備メーカーと打ち合わせを実施して、どのようにメンテナンスするかを決めていく仕事もあります。
機械保全技能士1級では、リーダークラスのエンジニアに必要な知識や技術を学ぶことができます。すでにリーダーである人にとっては業務に活かすことができるでしょう。また。これからリーダー昇格を狙っている人にはアピール材料となるでしょう。

機械保全技能士1級はこんな人たちが受験する

機械保全技能士1級は、業務をするのに必須の資格ではありませんがスキルアップやアピールに繋がるため取得する人が多いです。エンジニアチームのリーダーやリーダー候補の受験が多いようです。数年の現場経験を持っている20代後半から40代くらいの人が多いです。昇格を狙っているリーダー候補の人や、チームのリーダーとなって部下をまとめていく人が受験します。機械保全技能士1級は、専門知識だけでなく保守計画や、管理などに関する知識も得られるため、メンバーの指導やアドバイスをできる人として活躍できるでしょう。また、取得難易度が高いため転職時には、取得のための努力と高い意識をアピールすることができます。

機械保全技能士1級はどのくらいの実務経験が必要?

機械保全技能士1級を受験するには、実務経験が7年必要です。ただし、最終学歴や卒業訓練受講歴によっては短縮可能です。試験実施団体である、公益社団法人日本プラントメンテナンス協会のウェブページで詳細を確認できます。自分に受験資格があるか確認をしたい場合は、受験資格判定を簡単にできるようになっています。

機械保全技能士1級は難易度の高い問題がでる
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機械保全技能士1級を取得するには学科試験と実技試験に合格する必要があります。機械系保全作業、電気系保全作業、設備診断の3科目から選択します。機械系保全作業では各種測定器の使い方やデータ処理の仕方などが出題されます。機械の組み立て、ばらしだけでなく、データを活用する知識も求められているようです。電気系保全作業では、回路に関する知識やタイミングチャートなど設備仕様を正確に理解できるレベルの問題がでます。設備診断では、計測装置の使い方やそのデータの活用方法、故障予測、診断についても出題範囲です。

例えば以下のような問題が出題されます。

以下の内容が正しいかどうか、〇×で答えよ
CBMとは、一定の時間間隔で設備メンテナンスを実施することをいう

答えは「×」です。
CBM(Condition Based Maintenance)とは、設備の状態を監視するためのセンサ信号をデータ解析して、いつ頃故障するかを予測してメンテナンスを実施することをいいます。日本語では状態基準保全とよばれます。一定の時間間隔でメンテナンスするのはTBM(Time Based Maintenance)といいます。
このように最新の設備保全の知識も出題されます。

機械保全技能士1級の勉強方法

まずは過去問題を解いてどのような問題が出題されるかを確認しましょう。過去問題は日本プラントメンテナンス協会のウェブページで閲覧できます。機械保全技能士1級は非常に難易度が高いです。専門的な知識が幅広く必要なため、過去問題の練習だけでは合格は難しいでしょう。問題集を購入して勉強をしたり、会社の勉強会などに参加して対策をしたりするのもおすすめです。実技試験もあるため、ある程度の年数の経験が必要となるでしょう。

機械保全技能士1級の受験方法は?

機械保全技能士1級は全国で受験可能で、年1回12月~2月頃に開催されます。学科試験と実技試験で2万円程度の受験料となります。

機械保全技能士の他の級はある?

機械保全技能士は特級、1級、2級、3級があります。管理職向けの特級は1級よりもさらに難しいでしょう。2級は実務で活躍できるレベルで、3級は学生から新人向けです。

まとめ

設備保全エンジニアにとって、機械保全技能士1級の取得は目指すべき資格です。難易度が高いことが分かりましたが、毎日の経験と対策によって取得の可能性は高まるでしょう。取得できれば上級エンジニアとみなされ、チームのリーダーなどステップアップのアピールとなるでしょう。ぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?