2020.11.04

機械保全技能士3級の取得方法、難易度について解説!

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はじめに

工場やビルにはいろんな機械があります。機械は私たちの仕事や生活を便利にしてくれるもので、なくてはならないものです。そのような重要な機械をメンテナンスして故障しないように管理してくれているのが設備保全エンジニアです。設備保全エンジニアの最初のステップとなる資格である、機械保全技能士3級について、どんな資格なのか、どのような人が受験するのか、おすすめ勉強法について解説します。

機械保全技能士3級ってどんな資格?

機械保全技能士3級は設備メンテナンスについての知識、技術を習得することができる国家資格です。設備保全の仕事は、工場の生産設備などが故障しないように定期的に検査をしたり、消耗品などを交換したり補充したりします。例えば、家電などを生産している工場で部品を組み立てるための設備が、故障によりストップしてしまったらどうなるでしょうか? 本来生産できるはずの数が減ってしまい、お客様に製品を届けるのが遅れてしまいます。設備保全するエンジニアは、工場で仕事をする人だけでなく、その先のお客様のためにも大切な仕事をしているといえます。
機械保全技能士3級では基本的な内容を学びます。機械保全に必要な作業の種類や用語、工具の使い方などです。試験科目は、機械系保全作業と電気系保全作業から選択します。機械系保全作業とは、ねじやボルトを回す力はどの程度が適切かなど、機械を実際に組み立てたり、ばらしたりする作業についての内容です。電気系保全作業とは、電気を通す電線を正しく接続できるか、回路が正しいか、計測器の使用方法が正しいかなどを問われる試験となります。

機械保全技能士3級は学生の受験者が多い

機械保全技能士3級は学生におすすめの資格です。基本的な内容が多いため、設備保全の仕事に関わりたい学生や、就職後数年以内の若手の社会人の受験者が多いようです。学生であれば、学校で勉強していたことが身に着いている確認になります。また、就職活動時に設備保全に関して興味がある、最低限の知識を持っているというアピールにもなるでしょう。若手の社会人にとっては、自己啓発になりますし、人事評価に対するアピールとすることもできるでしょう。

機械保全技能士3級の受験には実務経験不要
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機械保全技能士3級の受験は実務経験が不要のため、学生でも受験が可能です。
特定の職業訓練校などを卒業していると試験免除となる場合もあります。
くわしくは、試験実施団体である公益社団法人日本プラントメンテナンス協会のウェブページで確認しましょう。

機械保全技能士3級にでる問題は?

試験は学科試験と実技試験を受ける必要があります。
例えば以下のような問題が出題されます。

以下の内容が正しいかどうか、〇×で答えよ
5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾 (しつけ) )の「整理」とは、必要なものとそうでないものを分けて、必要でないものを取り除くことである。

答えは「〇」です。工場などの生産現場では5Sは基本的に守られていなければいけません。安全に効率よく作業を行うために5Sを意識する必要があります。
機械保全技能士3級では、機械の種類や使い方、電気の簡単な公式などの基本的な知識、安全衛生に関わる内容や簡単な製図の知識などが試験範囲となります。基本的な内容が多いですが、範囲は広いです。

機械保全技能士3級のおすすめ勉強法
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機械保全技能士3級の受験勉強はまず過去問題を解くことから始めましょう。過去問題は日本プラントメンテナンス協会のウェブページで閲覧できます。過去問題を見ると、出題範囲が広いことが分かるでしょう。機械系の分野と電気系の分野ではあるものの、範囲が広いため問題集を購入して勉強することをおすすめします。不安な方は通信教育を使うのも手です。

機械保全技能士3級は全国で受験可能

機械保全技能士3級は、日本プラントメンテナンス協会が実施しており、全国で受験が可能です。受験料は実技試験と学科試験合わせて、一般は約2万円ですが、学割料金もあります。
3級は年1回、毎年6~8月頃に実施されます。

機械保全技能士の他の級はある?

機械保全技能士は3級の他に、2級、1級、特級があります。3級以外の級では実務経験が必要な場合が多く、試験問題もより専門的になり難易度が上がります。実務経験が必要なため、ほとんどの場合が社会人の受験が多いです。1級や特級になるとリーダーや管理職向けとなってきます。各級の比較については「工場内設備の専門家!機械保全技能士とは?」の記事で説明しています。

まとめ

機械保全技能士3級の試験は、基本的ではありますが広範囲の知識が必要となります。機械科出身の学生や社会人であれば、授業で習う内容が多いため比較的取得しやすいでしょう。機械をばらしたり、組み立てることが好きな人にとってはやりがいがあり、とても実用的な資格といえます。設備保全の基本的な知識を得ることができる機械保全技能士3級をぜひ取得してみてください。