2020.11.04

設備保全ってどんな仕事?必要な資格はあるの?

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はじめに

機械を触ったり、ばらしたりすることが好きな人には設備保全の仕事がおすすめです。工場やビルには、多くの機械がありますが、長く安心して使い続けるには適切なメンテナンスが欠かせません。高い技術と幅広い知識をもったエンジニアたちが、日々メンテナンスをしています。プロのエンジニアが活躍する設備保全とはどのような仕事なのか、資格があるのかについて解説していきます。

設備保全の仕事内容は?

設備保全とは工場にある組み立てや加工に使用する設備や、ビルの空調設備などをメンテナンスする仕事です。
自動車をイメージしてみてください。走っているときに異常が発生したり、長く使っていると故障したりしますよね。そのときは、お店に自動車を持っていって故障を直してもらいます。設備も機械なので、故障することもあり、修理が必要になります。故障が起こってから修理、メンテナンスすることを「事後保全」といいます。
故障が起きないように事前にメンテナンスを行うこともあります。これを「予防保全」といいます。似たような意味でTBM(時間基準保全)という言葉があります。定期的に設備をチェックし、故障が発生しそうか確認します。潤滑油などの消耗品がある場合は、補充したりします。
近年では、IoT技術の進化により、故障が発生する時期を予測してメンテナンスを行うことができるようになってきました。これを「予知保全」といいます。似たような言葉でCBM(状態基準保全)という言葉があります。設備の状態を診断するためにセンサを取り付けて、そのデータを分析して故障を予測します。

設備保全は、お客様へ商品を届けるためにはなくてはならない仕事

製造業の生産現場では、多くの設備があります。製品を組み立てたり、加工したり、検査するにも設備が必要です。設備保全は製造業の生産現場ではとても重要な仕事です。
例えば、部品を組み立てる設備が故障してしまったとします。たった一つの部品が足りないだけで製品は完成できません。その結果、製品の出荷が遅れてしまい、お客様に迷惑をかけることになってしまいます。また、遅れた分を取り戻すために、組み立て作業者が残業や休日出勤をすることがあるかもしれません。
お客様へ品質がよい、安定した商品を届けることが、製造業の生産現場に求められます。工場で働く人に安心して設備を使っていただき、その結果としてお客様にいい商品を届けるために、設備保全はなくてはならない仕事なのです。

設備保全の仕事をするには資格が必要?
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設備保全をするには、「機械保全技能士」、「電気工事士」、「電気主任技術者」、「ビル設備管理技能士」の資格があるといいです。
機械保全技能士は、設備のメンテナンス方法や検査方法などを学べる国家資格です。設備に関して幅広い知識を得ることができ、設備保全にはとても有効な資格です。
電気工事士は、電気の工事をする際に必要となる資格です。設備にも当然電気が必要で、配線の工事など、電気工事の仕事は多くあります。電気工事をする際には、この資格が必須となるため取得にチャレンジする人は多いでしょう。
電気主任技術者は、工場やビルなどの電気設備に関する工事や保守、運用について、管理する仕事に必須の国家資格です。難易度が高いですが、そのぶん需要がある資格です。
ビル設備管理技能士は、ビル内の設備を管理する知識や技術を得られる国家資格です。電気工事士と合わせて取得をしておくと、就職活動時に非常に有利となるでしょう。

資格を取得すると設備保全の仕事にどんなメリットがある?
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どの資格にも共通しているのは、転職や就職に有利となることです。
機械保全技能士の資格を取得すると、機械、電気関連の幅広い知識を得られます。実務経験が必要な級もあり、昇格や昇給へのアピールとなります。学生にとっては、設備保全の仕事に興味があるとみなされるため、面接時のアピールポイントとなるでしょう。
電気工事士の資格は、電気の工事をする際には必須となる資格です。今後、世の中から電気がなくなることはないため、需要も続きます。転職や就職に有利となるでしょう。
電気主任技術者の資格も同じく、電気設備の保安をするためには必須の資格です。事業者は「電気主任技術者の資格を持っている人を監督者として置かなければならない」と法令で義務付けられています。そのため資格保有者にはニーズがあります。会社によっては資格手当を支給してくれる場合もあり、収入アップも狙えるでしょう。
ビル設備管理技能士は、ビルの設備管理に必要な能力を持っているというアピールになります。

まとめ

設備保全の仕事は、働く人やお客様にとって非常に重要な仕事であることが分かりました。工場や建物の機能を止めないために、プロとして働いています。主な関連する資格として「機械保全技能士」、「電気工事士」、「電気主任技術者」、「ビル設備管理技能士」を紹介しました。今後、これらの資格を取得して、昇格や、転職に活用してみてはいかがでしょうか。

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