品質管理にも資格があるの?品質管理検定(QC検定)ってどんな検定?
品質管理ってどんな場面で役に立つと思いますか?やっぱり製造業ですよね。でも実はそれだけではないんです。サービス業にも「品質」があるんですよ。サービスの質を「品質」と考えて、ものづくりと同じように管理できるんです。ここでは、そんな「品質管理」の資格「品質管理検定」について解説していきます。
QC検定は、品質管理についてどれくらい知ってるかを調べるテストです。品質管理というと、品物がちゃんとできてるかな?ってチェックするイメージですよね。でも、ただ何となく品物を見てるだけじゃダメなんです。どうやってチェックするの?とか、問題があったらどうするの?とか、そういうのをちゃんと勉強して、分かっていないと正しい管理ができません。品質管理検定は、そのための知識をどれくらい持っているかを証明する資格です。
QC検定には1級から4級まであり、級によってむずかしさが変わります。
QC検定は級によって取る人たちが変わります。
4級はこれから社会に出る学生や新社会人などが取ります。製造業だけでなく、サービス業や人材派遣会社に登録されている人なども対象です。
3級からは製造業の人が多くなります。工場などで働いている人や、工業系の大学、高専生、工業高校の学生などを対象にしています。
2級以上になると、内容がだいぶ専門的になります。製造業の品質管理部門で働いている人や、設計開発を行う人が対象です。
1級はまさに品質管理のエキスパートが対象です。品質管理部門で、リーダーとして部門をひっぱっていく人などが1級に挑戦します。
QC検定のメリットは級によって変わります。
4級はQC検定の中でも特に基本的な内容なので「仕事の進め方がちゃんと分かっていますよ」というアピールになります。仕事へのヤル気や、今後のスキルアップに向けた準備ができている証明になります。
3級や2級からはメリットが増えてきます。品質管理がだいたい分かっている証明になるので、製造業や品質管理の仕事に転職する場合に有利です。会社によっては昇進の条件になっているところもありますし、品質管理の仕事をしていると資格手当がつく場合もあります。
1級は、取るのもむずかしいですが、メリットもたくさんあります。品質管理のエキスパートですから、転職でも当然、強いアピールポイントになります。会社の中でもグループの管理者を任されるようになるなど、昇進や収入アップを目指せる強い資格です。
品質管理検定には1級から準1級があります。準1級は、1級を受験したときに、選択問題の得点は合格範囲だったのに、記述問題の点数が合格点に足りなかった場合に認められます。そのため受検では「準1級」の試験はありません。準1級に認められている場合、次に1級を受検するときに、受検料が少し安くなります。
求められる知識・力 | 対象とする人 | |
1級 (準1級) |
データの取りまとめ 新QC7つ道具 統計的手法の基礎知識 工程能力指数、抜取検査、実験計画法の知識 相関分析、単回帰分析、重回帰分析 信頼性工学 パラメーター設計 |
品質管理活動のリーダーや指導的立場 発生する問題に対して、自ら組織を主導して解決や改善を行える人材 |
2級 |
データの取りまとめ 新QC7つ道具 基統計的手法の基礎知識 データに基づく検定と推定 管理図 抜取検査 信頼性工学 |
品質管理、保証、研究開発に関わるスタッフ 本的な品質管理、改善活動を自らの力で行える人材 |
3級 |
QC7つ道具の使い方 新QC7つ道具 データの取りまとめ 確率や分布に関する基本的な考え方 管理図 工程能力指数の計算と評価 相関係数 |
業種を問わず、組織の中で問題解決を行うスタッフ 製造業や品質管理を学ぶ学生 |
4級 |
QC7つ道具 データの基礎 平均とばらつき 品質管理に関する用語 |
初めて品質管理を学ぶ人 新入社員・学生 |
QC検定は誰でも挑戦できます。仕事の内容や働いた経験、持っている資格は関係ありません。そのため、いきなり1級に挑戦しても大丈夫です。また、隣り合う2つの級がいっしょに受けられます。4級と3級、3級と2級、2級と1級が同時に受検できます。でも1級と3級のように間がはなれるのは受検できません。
検定は年に2回、3月と9月に行われています。全国100か所を超える会場で開催されていて、検定に申し込むと、受検票といっしょに試験会場の案内が届きます。
申し込みは日本規格協会のウェブサイトからできます。会社や学校から団体受検を申し込むこともできますよ。
品質管理検定(QC検定)は品質管理についての知識を問う検定です。4級は基本的な内容なので、誰でも取りやすい資格です。3級以上は、品質管理のことをしっかりと分かっている証明になるので、転職などのときに有利になります。会社によっては昇進の条件になっていたり、資格手当がもらえるなど、メリットの多い資格です。