2020.10.05

QC検定は品質管理の資格。品質管理ってどんなことを勉強するの?

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はじめに

製造業などでよく聞く「品質管理」という言葉。よりよいものをお客様にとどけるには欠かせない品質管理ですが、実は品質管理に関する資格もあるんです。ここでは品質管理に関する資格であるQC検定について紹介します。

品質管理の仕事とは?

品質管理は、お客様が望む品物やサービスを提供するための手段です。そう言われても、なんだかピンときませんよね。では、品質管理の考え方をペンを例に解説してみましょう。
安いペンを買ってきても、あっというまに壊れてしまったら何だかイヤですよね。逆に何をしても壊れないペンだといわれても、1本で何万円もしたら、そうかんたんには買えません。それから、ペンを注文してから何か月も待たされたら、ちょっと不便ですよね。ふだん使うペンなら、いつもお店にあって、100円くらいで買えて、1年くらい使えるくらいがちょうどいいと思いませんか?ついでなので、インクがなめらかに出てくるペンだと、もっといいですよね。
品質管理とは、このように品質と値段、納期(タイミング)など、全部をバランスよく管理して、お客様が満足できるようにする方法です。お客様を満足させるためには、行き当たりばったりでは上手くいきません。色んなデータを統計という方法で分析したり、作るときの問題点を確認してそれを直していかなければいけません。そのための知識や、分析、確認に使う手法などの知識をもち、お客様によりより製品を届けるために必要なのが「品質管理」の仕事なのです。

品質管理の仕事に向いている人の特徴は?
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品質管理の仕事に向いているのは次のような人です。

  • 観察力や分析力がある人
  • 成果を数字で実感したい人
  • トラブルにも冷静に対応できる人
  • コミュニケーション能力がある人

問題を解決しようとしたり、起こってしまった問題に対応するためには、今の状態をしっかりと確認できなければいけません。そのために観察力や分析力が必要になります。とくにものづくりの現場で働く場合には、急なトラブルが発生することもあるので、そういう場合にも冷静に対応できる力も必要です。もしかするとすぐには原因が分からない場合もあるかもしれません。品質管理の仕事の大変なところですが、解決できるまで、ねばり強く対策を考える必要があります。また問題を解決するためには、他の部署やチームの人と協力しなければいけないので、コミュニケーション能力も大切です。感情よりもデータや事実で判断し、それを元に自分の考えをしっかりと伝えられる人が向いているでしょう。品質管理の仕事は、成果が数字として出てくる仕事です。人からの感謝の感情よりも、変化する数字にやりがいを感じるタイプの人のほうが品質管理の仕事で力を発揮しやすいでしょう。一方で、にぎやかな場所で働きたい人や、接客業のように人と接するのが大好きな人には少し大変な仕事になってしまうかもしれません。

品質保証とは違うの?

品質管理とよく似ている仕事に「品質保証」があります。どちらも品質に関する仕事ですが、品質管理はどちらかというと工場の中に対して行う仕事です。逆に品質保証は、工場の中だけでなくお客様などの工場の外への対応が多くなります。たとえば製品の中に不良品があった場合、品質管理では不良の原因を調べ、同じ不良が起こらないような対応をします。一方で品質保証では、お客様からのクレームを処理したり、不良品によって他のお客様に迷惑がかかっていないかのチェックをしたりします。どちらも品質に関する大切な仕事ですが、どちらかというと品質保証のほうが、高いコミュニケーション能力を必要とするシーンが多くなるでしょう。逆に品質管理の仕事のほうは、専門的な知識をもって状況を分析するなどの役割が求められます。

品質管理の仕事をするのに必要な資格って?
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品質管理の仕事をするために絶対に必要な資格はありません。資格がなくても、品質管理の仕事をしたり、品質管理をする部署で働くことができます。しかし品質管理に関する資格として「品質管理検定」があります。品質管理は英訳であるQuality Controlの頭文字をとってQCともよばれるため、品質管理検定は「QC検定」とよばれます。これは品質管理についてどれくらい知っているかをテストする資格です。
品質管理検定には1級から4級があります。4級は、これから品質管理について学んだり、これから社会に出て働く新入社員が対象です。4級では試験の内容も、会社などの組織で働くための常識など、基本的な内容になっています。級が上がるごとにむずかしくなり、1級では、企業の品質管理部門などでリーダーになったり若手を教える立場の人に必要な専門的な内容が必要になります。

まとめ

お客様がより満足できる商品やサービスを提供できるよう、体系的で理論的な手法を用いて改善を行うことを品質管理といいます。品質管理検定は、集めたデータから現状を分析したり、問題を抽出する手法に対する知識やスキルを証明することができます。