2020.3.4

組立軽作業ってなに?一般的な軽作業との違いや業務特徴などについて解説

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「組立」の仕事のことを、特殊な技能や知識を持っていないと就けない仕事と思っている人も多いのではないでしょうか。確かにそのような仕事も一部ありますが、多くの組立の仕事は未経験者でも歓迎されます。なかでも、肉体的な負担が少ないなどの理由で人気があるのが組立軽作業のお仕事です。この記事では軽作業を中心に、組立の仕事とは何かや、どのような工程を担当するのか、給料や勤務形態などを紹介します。

1.組立のお仕事とは?

ここでは、組立のお仕事とは何か、どのような企業や職場で働けるのかなどを紹介します。

#部品を図面などに従って組み立てる仕事

組立のお仕事とは、部品を図面などに従って組み立てることです。製造業には欠かせない業務工程のひとつといえ、多くの場合、ライン作業での製品作りの一部を担います。この組立の仕事をする方のことを「組立工」と呼ぶのが一般的です。組み立てる対象によって「機械組立工」「計器組立工」などと名称が変わりますが、部品を組み立てること自体は変わりません。なお、求人情報誌や求人Webサイトでは「組立」「組付け」などの表記がありますが、基本的には同じです。

組立工が作る製品の種類はたくさんあります。自動車や家電、カメラ、時計など生活に密着した多くのモノづくりに組立工が関わっています。また、医療機器や工業用ミシン、パチンコ機などの製品作りにも、組立工の力が欠かせません。業務の幅が広いため、当然ながら、重い部品を組み立てる作業もあります。組立のお仕事のうち「軽作業」といわれるものは、基本的に体力のない方や力のない方でもできるお仕事を意味します。たとえばプラスチック製品の組立のお仕事は、軽量なうえ油汚れなどがない衛生的な環境であることから、女性の人気も高い組立のお仕事です。

#どんな企業・工場で働けるの?

組立工が勤務する企業・工場としては、主に以下のような分野があげられます。最も求人が多いのは自動車メーカー、または自動車関連メーカーの工場です。配属されるポジションによって組み立てる部品は異なりますが、軽作業の組立では内部部品やハンドル、椅子の一部など比較的小さな部品を扱うことが多いといえます。自動車の部品は3万点以上ともいわれており、自動車メーカーだけでなく自動車関連メーカーの工場の求人があることも多くなっています。

また、精密機器メーカーの組立工のお仕事は、かつてはカメラや時計などが中心でしたが、パソコンやスマートフォンなどの精密製品が増えています。このような工場では、ドライバーを使ってネジ打ちをしたり配線をまとめたり、製品にシールを貼ったりするのが組立のお仕事です。手先の器用さや緻密な作業と集中力が求められることもありますが、肉体的には軽作業であることが多いといえます。

医療機器やガス・水道の計器など専門的な機器を扱う場合には、服装が決められていたり、定められた衛生基準を守って業務を担当したりするなど、特殊な環境で働く場合が少なくありません。また、特定の技能や資格を持っていないと働けない場合もあります。他にも農業用機械メーカーや建設工業メーカーなどで組立工が働いています。しかし、扱う部品や機械が大きい傾向があるため、一概にはいえませんが、軽作業を望む場合には仕事が少ないといえるでしょう。

2.組立の工程

ここでは、組立のお仕事が全体の工程のなかでどこを担当するのか紹介します。また、組立部品工場における業務の具体例も紹介します。

#モノづくりは大きく分けると3工程

機械を製造するなどモノづくりの工程は、大きく分けると3段階です。まずは「組立に必要な部品を生産する工程」、次に「部品を組み合わせて完成する工程」、そして「完成後に調整・検査して動作を点検する工程」です。このうち、軽作業を含めた組立工は、2つ目の「部品を組み合わせて完成する工程」を担当します。担当する工程の範囲にもよりますが、部品を組み合わせて製品を完成させるのが組立工の仕事です。もちろん、製品そのものを完成させるだけでなく、特定の大きな部品を完成させる仕事も数多くあります。年齢や性別を問わずさまざまな方が働いているのが組立軽作業のお仕事です。

#具体的にどのようなお仕事なのか?自動車工場の具体例

組立工のお仕事は、効率的に製品をつくるためにライン作業になっています。自動車工場における代表例で説明すると、車の部品がベルトコンベアの上を流れてくるので、それらを組立図面の通り組み立てるという作業を繰り返します。基本的には同じ作業なので、図面を理解しながら作業するような工程は少ないといえるでしょう。特別な資格も必要としない作業がほとんどで、新規雇用の方でもその日のうちから仕事を任されることが多いといえます。

初めのうちは慣れないかもしれませんが、仕事を続けていくうちに作業効率が上がっていき、その組立工程における職人のように成長できます。この点も組立工のやりがいのひとつです。長く働くうちにさまざまな工程を担当するようになるため、休みの従業員の工程を担当したり、リーダーとしてライン全体を管理したりする場合もあります。自動車工場のなかには小さな部品の組立を行う部門もあり、女性や高齢者など幅広い層の方が働いています。組立軽作業の場合は、椅子に座った状態で工具を使って小さな組立作業を行うことも多く、体力に自信のない方や静かな環境で働きたい方に向いている職場といえるでしょう。

3.組立軽作業の給料や勤務形態は?

組立軽作業は正社員、期間工、アルバイト・パートとさまざまな形態での雇用があります。いずれの場合も規則的に稼働する工場での勤務が多いことから、フルタイムで作業をすることが多いと言えます。また、自動車工場などでは早番・遅番の2交代制または早番・遅番・夜勤の3交代制などがあります。特に正社員や期間工の場合は仕事時間でシフトが発生することになるため、不規則な勤務を負担に感じる方もいるようです。しかし、そのぶん、休日の日数が多いメリットはあります。また、繁忙期や製品の売れ行きがよくなった場合には、長時間の残業が発生することもあります。収入が増えますが、定時に帰宅することを重視したい方などは、あらかじめ検討しておきたい要素といえるでしょう。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査の職種別賃金額」によると、組立工のうち最も月額給与が高いのは自動車組立工です。平成27年度の月額給与の平均は29万4100円で、年額賞与は平均109万6700円となっています。また、臨時労働者の時給の平均は1206円です。次に月額給与が多いのが通信機器組立工で、平成27年度の月額給与の平均は22万3800円で、年額賞与は平均60万6600円となっています。また、臨時労働者の時給の平均は823円です。重電機器組立工における平成27年度の月額給与の平均は21万8500円で、年額賞与は平均52万2200円となっています。また、臨時労働者の時給の平均は839円です。

4.組立軽作業に向いている人、身につくこととは?

組立の軽作業に向いているのはどのような方でしょうか。組立工は未経験者でも就職しやすく作業も比較的簡単なことから人気のお仕事ですが、やるからにはモチベーションを持って働きたいものです。また、キャリアアップの可能性があるのかについても紹介します。

4-1.向いている人

組立の軽作業に向いているのは、まずモノづくりが好きな方といえます。部品を組み立てて製品やさらに大きな部品を完成させる仕事は、充実感や達成感を得られやすいといえるでしょう。実際、こうしたことにやりがいを感じて組立工として働いている方は数多くいます。たとえば、好きな自動車メーカーで車づくりの一端を担うことに誇りを感じる方もいます。また、プラスチックの組立の軽作業にはプラモデルに似た仕事の要素もあるため、こうした作業が好きで得意な方は楽しく作業ができるでしょう。

手先が器用な方や細かな作業に集中力を発揮できる方は、精密機器の組立のお仕事が向いている可能性があります。仕事によっては製品の質を左右する重要な仕事を任せられることもあるので、仕事に対する使命感も持てます。向上心がある方の場合、誰でもできる単調な仕事より、ある程度スキルを求められる組立作業のほうが、長期的にモチベーションを維持しやすいといえるでしょう。

組立工のデメリットとして「人と話す機会が少ない」「単調作業が多い」といわれることもあります。しかし、逆にこれをメリットと感じる方も多いのではないでしょうか。「わずらわしい人間関係を避けたい」「黙々と毎日同じ仕事がしたい」という方は、組立のお仕事が向いているといえます。人とコミュニケーションを取りつつ成果を上げることや、業務内容が変わることに対してストレスを感じる方も、組立の軽作業に向いている可能性が高いでしょう。

4-2.身につくこと

組立のお仕事の魅力はモノづくりに携わりながら、モノの構造、仕組みを学べることです。普段は目にすることもない精密機器や機械の内部を組み立てることで、製品について勉強できます。多くの企業では新製品を製造したり、製品の改良を行っていくので、その都度違う部品を扱えますし、新たな発明や小型化技術などにも触れられます。モノづくりが好きな方にとっては、仕事の楽しみのひとつにできるでしょう。

資格を身に付けキャリアアップを目指せるのも、組立のお仕事の特徴です。たとえば空調機組立などのお仕事では「電子機器組立て技能士」という国家資格があります。資格を取得すれば転職に有利になることはもちろん、給与のアップも可能です。また、小型部品や小型精密機器においては、同じく国家資格である「仕上げ技能検定」や「電気機器組立て技能検定」などもあります。組立の仕事をしながら技能を身に付け、こうした資格を取得することで、さらなるキャリアップも目指せるのです。組立工は未経験者でも採用されることが多い仕事ですが、取り組み方次第で仕事をしながら専門的な知識と技能を身に付けられます。

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組立の軽作業は特別な資格や技能が求められないことが多く、誰でも就職のチャンスがある職種のひとつです。部品を組み立てて製品作りの一端を担うことにやりがいを感じる方もたくさんいます。特にモノづくりが好きな方や黙々と作業に打ち込みたい方にとって、組立の仕事は向いているといえるでしょう。さまざまな業種や工場から求人が出ているので、「はたらくヨロコビ.com」で組立軽作業の求人情報を探してみてはどうでしょうか。