2020.11.24

塗装工になるなら取得したい!塗装技能士の受験資格は?

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はじめに

塗装で色をムラなく均一に塗ったり、イメージに沿った着色を行ったりするのはかんたんなことではありません。また、塗装では塗装される製品の特徴や素材にあった塗装方法を提案したり、下処理や使用する道具の選定などをミスなく的確に行ったりしなければいけません。このような技能をもっているのが「塗装技能士」です。塗装作業のプロフェッショナルである塗装技能士はどのような仕事を行い、どんな人が資格を取得しているのか紹介したいと思います。

塗装技能士とは?

塗装の作業を行う塗装作業者として働くためには、特定の資格や免許の取得は一切必要ありません。塗装を行う職場に就職し、一から技術を身につけることができます。技術をみがいて上達すれば、上の立場を目指せる可能性もあります。職人希望の人にはとても魅力的な仕事です。そんな塗装実務に特化した資格が塗装技能士です。塗装技能士は厚生労働大臣が認定する国家資格で、受験者のレベルに応じて1級、2級、3級と試験内容が分かれています。どの級にも共通科目、学科試験と実技試験があり、実務経験のある塗装作業者であれば、合格できるチャンスがある資格です。

塗装技能士に向いている人

塗装技能士に向いているのはどのような人なのでしょうか。

臭いに敏感でない人

まず一番は、臭いに敏感すぎない人です。塗装現場ではマスクが必須です。しかし、さまざまな塗料や溶剤を使うため、独特の臭いがします。塗装と臭いの問題は切っても切れない関係ですから、あまり臭いに敏感でない人が向いています。

体力自慢

体力に自信のある人だけが塗装技能士になれるわけではありません。しかし、重量のある塗料を運んだり、立ちっぱなしで作業したり、それなりの重さがある道具を長時間扱わなければいけません。そのため塗料や薬品などの知識や塗装の技術の他に、体力も備わっていたほうがいいでしょう。

きれい好き、作業がていねいな人

塗装は、仕上がりの美しさだけでなく耐久性などを考えながら塗り重ねていきます。また、塗料をこぼしたりしないよう、現場をきれいに片付けながら作業することも大切です。そのため、ひとつひとつの作業に責任をもち、ていねいに作業できる人が向いています。

塗装技能士の種類は「木工、建築、金属、噴霧、鋼橋」
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塗装にはさまざまな種類があります。
道具だけでもハケ、ローラー、スプレーなどの種類があります。さらに、建物の外壁や設備といった塗装をする環境や、木材、金属のように塗装するものも変わります。それ以外にも、使用する塗料によって処理の方法が変わります。そのため、塗装の技術を認定する塗装技能士は以下の5つに区分されています。

  • 木工塗装技能士:1級、2級、3級
  • 金属塗装作業:1級、2級、3級
  • 建築塗装技能士:1級、2級
  • 噴霧塗装技能士:1級、2級
  • 鋼橋塗装技能士:1級、2級
塗装技能士の資格取得方法は?

塗装技能士の試験は学科試験と実技試験に分かれています。
学科試験では、塗料の種類や作業方法など、全ての言葉が現場で使用している通称ではなく、正式名称で出題されます。そのため実務経験が豊富でも、問題集などで復習しておくと安心です。
実技試験に使用する工具は規定のものが準備されています。実技試験中は作業工程の確認のほか、工具の整理や後片付けといった面も採点対象となるので注意が必要です。また資格取得にあたり、共通科目である塗装に関する一般知識や安全衛生学科はどの区分でも出題されます。実技試験は区分ごとに分かれますので注意してください。
詳しくは厚生労働省HPをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/shokugyounouryoku/ability_skill/ginoukentei/syokusyu.html

塗装技能士の受験資格

塗装技能士の受験資格は級ごとに変化します。塗装区分が異なっても級が同じであれば、同じ受験資格になります。
1級は実務経験が7年以上
2級は実務経験が2年以上
3級は実務経験があれば受験可能
職業訓練歴や学歴により、必要な実務経験年数が異なるので確認が必要です。

塗装技能士があわせて取得すると有利な資格
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塗装作業は資格がなければ業務が行えないわけでありません。しかし塗装技能士の資格があれば、お客様に安心と信用を与えてくれたり、転職で有利になったりするメリットがあります。ここでは、塗装技能士と合わせて取得するとより有利な資格を紹介します。

色彩検定

塗装作業に直接関わる資格ではありませんが、ステップアップに有利な資格が「色彩検定」です。色味や色のもつ効果を説明できるので、ワンランク上の提案ができるようになります。

足場の組立て等作業主任者技能講習

工事現場で働くときには、足場を組む必要が多くあります。足場を組む作業自体は塗装とは直接関係のない業務ですが、この作業が行えると現場での仕事の幅が広がります。

塗装技能士の活躍場所

塗装工にはさまざまな作業内容があることがわかりました。建築施工会社、自動車工場などのほかにも、特殊な勤務先として造船会社などもあります。また塗装作業を主に行う会社では、工場や高速道路、橋、パーツ塗装など塗装先が細分化された業務も多く存在します。

まとめ

塗装技能士を取得すると仕事の獲得や転職で有利になります。また他の資格と合わせて取得することで、より職人としての需要が高まります。実務経験がないと受験できないため、仕事をしながら勉強することになる人も多いかもしれません。しかし、メリットも多い資格ですので、ぜひ挑戦してみてください。

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